第5の理由(その1)

 1. アグリ作業の持続理由(5)-1

 第1の理由:近い将来に起こるとされる「食糧危機」、「肥料危機」に対抗する。

 第2の理由:ロハス生活を実践・発展させる。

 第3の理由:無農薬、低肥料光マイクロバブル水耕栽培の重要性と優位性を究明する。

 第4の理由:脱植物濃縮作用は起こるのか? この可能性を検証する。

 第5の理由:旨味(うまみ)が凝縮してくる。
 
 いよいよ5番目の最後の理由に関する考察です。

 世間では、「うまみ」に関して次のような用語法があるようです。

 1)うまみ

 2)旨み

 3)うま味

 4)旨味

 1)については、2)~4)のいずれの語彙(ごい)にも適用できますので、それを除いて検討しましょう。

 まず、2)の「旨み」は、4)の「旨味」と同義語のようですので、「うま味」と「旨味」の違いを比較します。

 「うま味調味料協会」の定義によれば、次のように示されています。

 ①「旨味」:感覚的なおいしさの程度を表す

 ②「うま味」:科学的視点からみた、ある特定の物質の味質を表す

 これまでは、うかつにも、この定義のことを知らなかったので、曖昧な用語法になっていました。

 「旨い、うまい」は①を意味し、ウマミは「旨味」を表していることが多かったようです。

 ②の「うま味」は、5つの基本味の一つであり、おいしさを表す「旨味・旨み・うまみ」とは区別して使われています。

 この基本味は、次の通りです。

 1)甘味

 2)酸味

 3)塩味

 4)苦味

 5)うま味

 この1)~4)については、読んで字のごとく、その意味は理解できますね。

 しかし、5)の「うま味」については、ある特定の旨味を引き出させる科学的物質による説明が必要です。

 その物質とは、具体的には、グルタミン酸、イノシン、グアニル酸(いずれもアミノ酸の一種)などのことであり、これらをどう配合させ、それらを巧みに料理に用いるかによって、すばらしい「おいしさ」が引き出されることになります。

 それでは、これらのアミノ酸は、どのようにして「うま味」成分を産み出すようになるのでしょうか?

 折から、今年はミニトマトの「アイコ」が豊作でしたので、それを基本に、アイコの「うま味」についてやや詳しく分け入ってみましょう。

 トマトが熟れてくると赤い色を呈するようになります。

 赤ければ赤いほど、抗酸化物質であるリコピンやビタミンCとEの含有量が含まれているといわれています。

 さらに重要なことは、トマトが赤くなって熟してくると、その内部に多量のグルタミン酸が生まれることを知りました。

 周知のように、グルタミン酸は「うま味」の重要成分であり、そのトマトの含有量は、ニンジンの4.5倍、タマネギの6倍も多いのです。

 トマトの「うま味」の主役は、このグルタミン酸であったのです。

 最近になって、光マイクロバブル水耕栽培のアイコをよく賞味し始めたので、この「うま味」については、よく思い当たるところがありました。

 孫のユッツが、真っ赤に熟れたアイコをパクパクとおいしそうに食べる姿を見て、私も家内も、それを賞味してみたいという欲求にかられました。

 トマトといえば、優れた甘味のものがおいしい、という概念を持っていましたので、その甘さの度合い、すなわち糖度を気にしていました。

 しかし、このアイコは、それほど甘いものではなく、ほのかな甘味があるだけで、このおいしさの原因が甘味ではないことが、すぐに解りました。

 「今年のアイコの旨さは、甘味のせいではない。そうであれば、それは何か?」

 それを探究してみたいと思いながら調べてみると、上記の「グルタミン酸」だったのです。

 グルタミン酸は、昆布出汁で抽出される物質であり、子供のころによく振りかけていた「味の素」の主成分でした。
 
 このアイコの「うま味」は、おそらく、このグルタミン酸を主として、さらにリコピンやビタミン類も含有されて形成されているのではないか。

 それは、昆布の出汁や味の素に似た味がストレートに出ているのではなく、非常に複雑な味です。

 しかし、それはしっかり私の記憶のなかに残っていますので、それを頼りにして、これから、より科学的なアプローチをしていきたいとおもいます。

 また、「甘味」と「うま味」の関係についても、より考察を深めることも重要です。

 この「うま味」の正体を探る、ひとつの重要な探究の課題が明らかになってきたようです
(つづく)。
 
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アイコ(緑砦館3)