第4の理由

 1. アグリ作業の持続理由(4)-1

 第1の理由:近い将来に起こるとされる「食糧危機」、「肥料危機」に対抗する。

 第2の理由:ロハス生活を実践・発展させる。

 第3の理由(4):無農薬、低肥料光マイクロバブル水耕栽培の重要性と優位性を究明する。

 第4の理由(1):脱植物濃縮作用は起こるのか? これを検証する。

 じつは、水俣に出向いて、試験の可否を検討している前に、私は、脱生物濃縮に関する、ある実験を北海道の長万部において行ったことがありました。

 それは、長万部漁業組合と共同でホタテ養殖改善に取り組んだことでした。

 最初に、この組合を訪問した際に、多くの組合員のみなさんの前で講演を行いました。

 その内容は、広島湾におけるカキ養殖改善に関することであり、折から、NHKニュース7において半年ごとに3回連続で、その様子が放送されていましたので、みなさんは、興味津々で拝聴されていました。

 しかし、私が話した内容は、広島のカキ養殖が主で、ホタテのことに関しては、ほとんど何も知らない状態でした。

 もちろん、みなさんは、カキのことではなくホタテのことが知りたかったはずで、そのカキ養殖の改善結果から想像するしかなかったので、物足りないような顔つきをされていました。

 それを解消してくださったのが、その後すぐに組合長になったSさんであり、さまざまな問題について次々に質問してくださいました。

 とくに、広島のカキ養殖業者が、どのくらい儲けたかという話を少し紹介すると、みなさんの目は輝いていました。

 どのくらい収穫が増加し、どのくらい儲けたか、これが解ってくると、一挙に前向きに考え始める、他の漁師には負けたくないと、それまで居眠りをしていた方々も目が覚めて必死で耳を傾けるようになります。

 この講演を契機にして、S組合長を始めとして、みなさんが相当にやる気になって、光マイクロバブルによるホタテ養殖改善が進んでいきました。

 それらの詳細については、過去の記事において解説していますので、ここでは、その一連の実験のなかで、脱生物濃縮に関する結果について示しておきましょう。 

 ホタテ貝の内部には身の部分があり、なかでも貝柱はおいしい食品として知られています。

 今でも鮮やかに思い出すのは、ホタテの貝柱をストーブの上で焼いて漁師たちが食べていたことでした。

 見るからにおいしそうだったので、それを一ついただきました。

 ホタテの貝柱の旨味が凝縮し、香ばしい香りと噛むほどに出てくる旨味が合わさって、こんなに旨いのか、と吃驚仰天、感激したことがありました。

 あの旨さが脳裏に焼き付いたせいでしょうか、それ以降は、ホタテをあまり食べないようになりました。

 そのホタテに勝るホタテに出会うことがなかったからでした。

 さて、長万部漁協には、珍しいといってよいほどの近代的な工場が建設されていました。

 それは、ホタテから出てくるカドミウムの処理工場でした。

 カドミウム汚染といえば、三井金属鉱業から排出されたカドミウムが、神通川を通じて拡散し、いわゆる「イタイイタイ病」が発生しました。

 咳や寝返りをしただけで、身体中の骨がミシリ、ミシリと折れてしまうことから、患者のみなさんは「いたい、いたい」と泣き叫びながら死んで逝かれました。

 排液のなかのカドミウムを虫や魚が吸収し、生物濃縮させ、それをヒトが摂取したことによる公害病でした。

 それゆえに、カドミウムを含む排液を公有水面に垂れ流すことはできません。

 じつは、自然海域においても、微量のカドミウムが存在し、それを餌と共にホタテが吸収し、そして体内の内臓部分に濃縮させていることから、その内臓を処分しなければならないのです。

 物好きなヒトのなかには、ホタテの内臓まで食べてしまう方がおられますが、じつは、それは非常に危険なことなのです。

 もちろん、それをたくさん食べていくと、当然のことながら、その方は「いたいいたい病」患者になる可能性が高いといってよいでしょう。

 補助金で支援を受けてのカドミウム処理工場だとはいえ、その処理費用はかなりのものですので、組合の経営にも重大な影響を与えています。

 そこで、その内臓(ウロ)のカドミウムを吐き出させる、すなわち脱生物濃縮が可能かを調べることになりました。

 そのために、大きな水槽(180㎝×3m×50㎝)を2つ作製し、そのなかにホタテを入れ、光マイクロバブルを十分に発生させました。

 結果は、水槽内のホタテが元気になり、味もよくなったので、それを漁協の販売店で売り出すと評判になり、経営赤字だった売店が、逆に大黒字になったことで、組合のみなさんから大喜びされました。

 なにせ、評判が評判を呼んで、北海道の道南、札幌ほかから買いに来られるお客さんが続出したのでした。

 この光マイクロバブル水槽において、1か月間飼ったホタテと、それを入れる前のホタテのウロのカドミウムの含有量を比較しました。

 なんと、その結果は、カドミウムの量が、1か月で半減していたのでした。

 おそらく、さらに1か月継続すれば、カドミウムは、ほぼゼロになっているでしょう、これが、その分析を行った北海道大学水産学部の教授の見解でした。

 ホタテは、光マイクロバブルによる生理活性によって、ウロに蓄積していた大量のカドミウムを排出させていたのです。

 周知のように、ホタテは、開放系の血管を有していますので、海水を吸い込み、それを血管通して鰓の部分に吹き付けるという運動を繰り返しています。

 そのホタテの光マイクロバブルによる血流促進の実験を行ったことがありますが、ホタテは、光マイクロバブルを供給する2倍前後に血流増加を示します。

 すなわち、体内の物質代謝の量が倍加して、生理的な活性を発揮するようになるのです。

 それまでの常識では、生物濃縮された重金属を体外に排出させる、すなわち「脱生物濃縮は不可能」と思われていました。

 しかし、その常識が、光マイクロバブルによる脱生物濃縮の結果によって完全に覆されたのでした。

 ホタテで、それが可能であれば、ヒトも同じではないか!

 それが、私の水俣行きを後押しさせたのでした(この稿つづく)。

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中庭の花


本日のアグリ作業(7月23日)
 
 1.メロンの発芽、移植

 家内が、マスクメロンほかの苗を緑砦館1のA水路に移植してくれました。

 2種類の移植で、それぞれ55株と35株でした。

 いずれも、家で食べたメロンの種でした。

 2.サラダ菜とキュウリの収穫

 緑砦館2と3に植わっていたサラダ菜のほとんどを収穫しました。

 おかげで、今年は、たくさんのサラダ菜を楽しくいただくことができました(収穫した一部は冷蔵庫に保管されています)。

 緑砦館3のキュウリも2本収穫しました。

 そろそろキュウリも終わりかけていますね。

 (つづく)。
 
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フダンソウ(緑砦館1-Aレーン)