夕べの風

 昨日は、中津行きで緑砦館におけるアグリ作業を行うことができませんでした。

 また本日は、久しぶりの休養日としましたので、同じくアグリ作業は控え、その視察に留めました。

 只今の時刻は18時27分、気温は26.2℃、天気は曇りです。

 北の方角から、書斎と緑砦館の間の通路から、涼しい風が吹いてきて、ここちよい夕宵を迎えつつあります。

「MOネギ焼」

 先ほどは、緑砦館2において、C水路に植わっていたMOネギを約50本収穫してきました。

 我が家の特別メニューである「MOネギ焼」用でした。

 これは、地元産の小麦粉を光マイクロバブル水で溶いて、お好み焼き風の、ややサラサラしたペーストを作り、それをお好み焼き風にホットプレートで焼きます。

 その上に、約1㎝前後に短く切ったMOネギをたっぷり振りかけます。

 ネギの厚さだけで3㎝前後にはなりますので、これを「ネギ焼」と呼ぶことに違和感はありません。

 そして味付けに、ニンニクの粉、胡椒、塩を用います。

 下の生地が焼けてきたところで、再び小麦粉のペーストをかけ、それがやや固まるのを待ちます。

 ここで、それをひっくり返して再度焼きます。

 今度は、より熱くネギを焼くようになります。

 仕上げは、マヨネーズと甘口醤油を少々かけます。

 これだけの簡単料理方法なので、いつもこのネギ焼は、私が担当しています。

 これを作っていて、ふしぎだなあ、と思うことがあります。

 その第1は、その格別なおいしさは、どこから来ているのか、と想像する思いが豊かになることです

 用いる材料は、小麦粉(国産)と大量のMOネギ、これに調味料だけです。

 偶に、豚肉を数切れを下に敷く、崩した卵を上に載せることはありますが、その基本の「おいしさ」は変わりません。

 前者に関しては、粉を光マイクロバブル水で溶くときに、薄すぎず、ネバすぎずの調合が重要です。

 ほとんどすべての料理において、光マイクロバブル水を用いることが、我が家の料理法における基本です。

 お好み焼きで有名な広島での作り方の最初の工程で、この溶かしたペーストをお玉で流し込み、その後に、そのお玉の反対側で円を描きながら、薄く、そして丸く伸ばしていきます。

 このやり方を真似てペーストを作り、それをホットプレート上に流して広げていきます。

 その上に上記のようにMOネギを大量において、下からの熱を間接的に伝えていきます。

 ここで一連の調味料を加えて、再度、その上にペーストをかけます。

 すでに、ネギにはかなりの熱が伝わっていて、シンナリしてきた状態で上からペーストを
再びかけます。

 しばらくして、それを上手にひっくり返して、より強い熱でネギとっペーストを温めます。

 それがちょうど食べごろ(焼きすぎない)になった時点で、マヨネーズと甘口醤油を少々かけて仕上げます。

 これが格別においしいのです

 第2は、そのネギ焼を食べている時に、あのMOネギは、どこに行ってしまったのだろうかという疑問を抱くことです。

 食感においては、ネギを食べているという認識が薄れ、MOネギの甘さがふんだんに出てきた料理をいただいていると錯覚してしまうのです。

 つまり、ネギを食べているという認識がほとんどなくなってしまうのです。

 これは、上下に小麦粉のペーストに挟まれて、弱火で蒸されたMOネギが、その甘さを十分に発揮して、しかも生ネギの食感を無くして、柔らかい上質の食べ物になっていったように思われます。

 いわば、このMOネギ焼は、ネギの存在を忘れさせる料理なのです。

 「あのMOネギが、このおいしさを生み出しているのは間違いないはずだ!」

 こう思いながら、それを食べ終えると、また近いうちに、このネギ焼を食べようという気持ちが誘起されるのです。

 優れた本物の食べ物をいただくと、必ず、

 「また、食べたい。すぐに食べようと思う」

という気持ちが湧いてきます。

 それゆえ、この「MOネギ焼」は、最高水準の料理といってよいでしょう。

 幼い頃に、お袋が「おやつ」として「一銭洋食」をよく作ってくれました。

 同じように、小麦粉を水に溶かしてペースト状にして、その液体をフライパンに薄く流し込み、その上にトロロ昆布をかけて作る料理でした。

 これを何枚もおいしく食べた記憶があります。

 お袋が、まだ存命の頃には、私の子供たちも喜んで食べていた「おやつ」でした。
 
 あのころの小麦粉や昆布は、今のものよりもずっとおいしかったように思います。

 この「MOネギ焼」の味は、その「一銭洋食」によく似ていて、自然に母の思い出と重なってきます。

 きっと家内もそうなのでしょう。

 彼女からも、そのお祖母ちゃんの料理の話がよく出てきます。

 このネギ焼料理は、沖縄では「ヒラヤーチ」と呼ばれています。

 こちらでの食べ方を教えると、大好評で喜ばれました。

 こちらから送ったMOネギで、この料理をよく楽しまれているようで、孫やひ孫たちにも好評だそうです。

 MOネギ焼には、大海原を渡っていく、すばらしい力があったようです。

 この「MOネギ焼」は、私どものロハス生活に、よく定着してきた料理のひとつといえるでしょう(つづく)。

MO20220619-1
緑砦館1のBレーンのMOネギ