光マイクロバブルとは何か

 「光マイクロバブルとは、その発生時において1
~65㎛の直径を有する極微細な気泡のことで、その発生後は、自ら収縮していく性質を有する」

 そして、光マイクロバブル技術とは、

 「光マイクロバブルおよび光マイクロバブル水の物理化学的特性と生物的機能性を適用する技術」

のことです。

「火」と光マイクロバブル(1)

 ホモ・ハビリスの「マルティーヌ」が石器を作っている際に偶然火花が飛んで、その火が周囲の枯れ草を燃やしたことがきっかけとなって、彼女は、偉大な火の発明者になりました。

 この発明は、ホモ・ハビリスからホモ・エレクトスへの変化を促すことになりました。

 もちろん、その変化に伴って新たな人類であるホモ・エレクトス人類が生み出されるまでには、さまざまな火の活用と共に、生活や狩猟の様式、さらには身体、言語などにおける革命的といってよいほどの変化が長い年月を経て起こっていきました。

 それは、ヒトが進化したという水準の概念ではなく、新たなヒトを創り出したといってもよいほどの革命的現象だったのです。

 その貴重で重大な「火」と「光マイクロバブルの火」は、どのように関係しているのか、そして、その後者の火は、前者に火がもたらした水準の貢献をもたらしうるのか、そのことを深く考察してみよう、これが、本シリーズを認める小さくない動機でした。

 その途方もない仮説が、そもそも成り立つのか?

 このような思いが、幾度も過りましたが、そのような疑問や仮説を抱かないかぎり、祖茂問題の本質に分け入ることはできません。

 仮説は、それが奇想天外であればあるほどおもしろく、それを探究していくことはゆかいである、こう考えていくとワクワクする、これは私だけに起こる考究現象なのでしょうか?

 あまり四角ばらずに、ここは、少々丸く、楽な気持になって、この探索の旅に出ることにしましょう。

 その光マイクロバブルの火の最大の特徴は、熱くない火であることにあります。

 それゆえ、たとえば光マイクロバブルの風呂に入っても、ここちよくはなりますが、決して、それによって熱すぎて風呂から飛び出る、あるいは火傷をしてしまうことはありません。

 1996年から、このお風呂に入り続けていますので、その間、そのような危険や障害を被ることは一度もありませんでした。

 また、光マイクロバブル入浴によって大量の活性酸素を浴びて、老化が急速に促進されることが、まったくの杞憂であることも解りました。

 確かに、光マイクロバブルの収縮に伴って、その内部が急激に高温高圧化し、およそ300気圧、500℃という超臨界場になっていくという物理化学現象が発生しますが、それは収縮していく光マイクロバブルの内部において生起することであり、しかも、その高エネルギーの発散は瞬間的にしか起こらないことなのです。

 それゆえに、この光マイクロバブル火は熱くなく、光マイクロバブルの周囲の溶液は常温状態に保たれているのです。

 ホモ・ハビリスは、それまで木の上で寝ていましたが、それは、自分の身を外敵から守る必要があったからでした。

 しかし、火を手に入れたマルティーヌたちは、木から降りてきて地上で寝起きをするようになりました。

 火があれば温かく、そして外敵の猛獣たちが襲い掛かって来ることはなかったのです。

 そのマルティーヌの子孫たちは、その火を絶やすことなく使い続け、それが、今に伝わっています。

 たしかに、その火の恩恵は絶大であり、ガスコンロのスイッチを押すことで、すぐにヤカンの水を沸かすことができます。

 また、時間調節のコネクターを回すだけで、パンをこんがりと焼くことができ、炭火を起こせば、おいしく肉を焼くこともできます。

 このように、私たちは、真に便利に火を使いこなすことができるようになりました。

 そして、それを当たり前のように常識化させ、習慣として定着させてきました。

 しかし、そこまでに至るには、気の遠くなるような歳月を重ねてきました。

 ざっと振り返れば、それは11万年に及びます。

 しかも、その長い歳月の経過とともに、少なくない新たな問題も出現させてきました。

 それらは、時代が進むにしたがって減っていくのではなく、逆に、人間の強欲によって、より問題を増大させ、深刻化させていったのです。

 それらの問題は、次のような特徴を有しています。

 ①より高次の複雑な問題が絡み合っている。

 ②その解決は容易でなく、本質的に困難度を増している。

 ③問題の質と量が途方もなく拡大し、人類や地球全体の環境危機に結びついている。

 ④時間的には、急激に連続的に発生して、その解決に必要とされる時間が年々短縮されている。

 これらの問題の困難性、深刻性を前にして、どう、それらに真正面から対峙していけばよいのか?

 その対峙において、「光マイクロバブル火」は、どのような役割を担えばよいのでしょうかか?

 この世に、「マルティーヌの火」が誕生して11万年が経過し、その火を一度も絶やされることなく、まさに燎原の火のように多様な広がりを見せてきました。

 その発展に類して、あるいは接近して、「光マイクロバブル火」は、同様の発展を遂げることを開始できるのか?
 
 まず、光マイクロバブルの「火の技術」が、その途方もない年月の間、数々の試練を受けながらも、持続できるのかどうか、これが問題になります。

 さらには、ホモ・ハビリスからホモ・エレクトス、そして現代人に至るまでに成してきた貢献に、少しでも近づくことができるのかどうか、これも問題になります。
 
 しかし、あれこれと考えているだけでは、何も始まりませんので、小さくてもよいから、まずは一歩踏み出てみる、そして、その踏み出しのなかで、新たな探究を試みるのもよいのではないでしょうか。

 そこで、光マイクロバブル火に関するひとつの重要なテーマを考えてみました。

 先日の中津のW先生との議論のなかで、先生は、次のように仰られていました。

 「これからの医学は、『抗酸化』、『抗糖化』、『抗炎症』の3つのテーマになるそうです!」

 これを参考にして、次回から、まずは、この最前者の「抗酸化」と「光マイクロバブル火」との関係に分け入っていくことにしましょう(つづく)。

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キュウリの花(緑砦館2)