株安+円弱
アメリカにおける「ダウ平均株価」において、急速な株安が進行しています。
これは、「S&P500」における有力大企業10社における株価の減少が強く影響しているようです。
この10社とは、アマゾンやマイクロソフト、グーグルなどであり、これらが世界中に伝搬して、ほぼ飽和状態に達したことが影響していると考えられています。
わずか10社の株価がアメリカ全体のダウ平均に影響を与え、それが世界に広がるという、ある意味で究極の資本主義の状態に達しているのではないでしょうか。
日米の国債の金利差の拡大によって、「ドル強(高)」と「円弱(安)」が進むという構図が形成されていましたが、アメリカの株安によって、この構図にやや変化が起きています。
まず、日経株価は、アメリカに連動して株安に移行し、少し前の28000円から26000円を下回るようになりました。
これまでのドル円関係に従いますと、ダウ平均株価の減少に伴って、日経株価の低下(株安)に向かい、さらに円は円高に向かうはずですが、現在は、その通りになっていません。
その実態は、ダウ平均株安、日経株安に伴って、ドル円関係が1ドル130円前後で維持されているという、円弱(円安)維持となっているのです。
ダウ平均株価の急激な下落がなければ、急激な円弱(円安)が進行していたはずですが、それがすぐには起こらず、株価の急減に影響されたのではないかと思われます。
しかし、これも短期の現象と思われますので、長期的には、円弱の進展がさらに進むことが予想されています。
周知のように、アメリカのFRBは、今月初めに、プラス0.5%の金利上昇を決めました。
来月においても、同様の上昇がなされることが予想されています。
これに呼応して、ヨーロッパ諸国も、同様の金利アップを実施、準備しています。
しかし、そのなかで日本のみが、日本国債の金利上昇をできないという事情があり、それが誰の目にも明らかになっていて、さらに、それが世界のヘッジファンドに利用されています。
日銀総裁が、金利を上げないと公言しているので、安心して日米金利差を利用しての株取引が実施されているのです。
また、これは日本企業にとっても同じことであり、円売りドル買いが積極的になされているのです。
日本企業にとっても利潤を上げることが最大の目的ですので、こにの屋台骨が壊れかけても利潤を得ることが優先されるのです。
これぞ、新自由主義の本質といってよいでしょう。
化け物
日銀は、今のゼロ金利政策から脱出して、なぜ金利を上げられないのか、これについては、経済学者やメディアによる少なくない指摘があります。
それらをまとめると、次のような問題点に集約されるようです。
①日銀が保有している国債の総額が1000兆円を超えている。
②銀行が日銀に「当座預金」として預金されている総額が約550兆円ある。
③年金積立金管理独立行政法人(GPIF)による運用資金を37兆円も持ち出している。
④新型コロナウイルス対策として銀行に貸し出した資金の総額が150兆円ある。
昨日は、このうちの②と③を取り上げて問題にしていた、あるジャーナリストが、これらの総額を指摘して「おそろしい化け物」ではないかといっていました。
これらに①と④を加えれば、日本を食い尽くしてしまう「化け物」になってしまいます。
先日の大分における講演において、アベノミクスを自慢げに語っていた元首相は「日銀は政府の子会社」といったそうですが、その程度の認識で、この末恐ろしい「化け物」を造らせたのではないでしょうか。
日本国債の金利を少しでも上げれば、この①~④が連動して終止がつかなくなる、これは誰の目にも明らかであり、日本が音を立てて壊れていくことになります。
その時には、日本発の世界規模の途方もないバブル経済の崩壊、そして恐慌が発生する可能性があります。
まさに、化け物が化け物を創っていく奈落が待っているのです。
この化け物に、私たちの日本を奈落に落とさせてはいけません。
アベノミクスの下に、これに加担した連中には、こぞってレッドカードを示し、早々に退場していただきましょう(つづく)。
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