一度失敗していた実験

 一つ目の実験は、予想通りの成果が生まれて、これから、現場での試験が開始されることになりました。

 まずは、スタッフのみなさんから試した方がよいのではないかとW先生が仰られていましたので、その結果を待つことにしましょう。

 さて、1つ目の実験が無事終わって、次に2つ目の実験に取り掛かりました。

 じつは、この試験は、以前に失敗していたこともあって、無理ではないかと思われていました。

 しかし、そこは諦めの悪いことでは相当な水準にある私ですので、なんとか知恵を絞って改良ができないかと、その後も、あれこれと試してきていました。

 そのうち、市販品でよいサンプルがありましたので、それを使って応用してみることを考案しました。

 つまり、その医療用サンプルと、もう一つの家庭用品の組み合わせによって、その失敗の原因を克服できるのではないかということを、ひらめいたわけでした。

 早速、その簡単な装置を造ってみました。

 そして、前日の9日に試してみました。

 そしてら、どうでしょう。

 上手くいったではありませんか。

ー-- もしかして、これならW先生に試していただく価値がありそうだ!

 そう思って、そのサンプル装置を私用と相棒用に2つ作って持参しました。

 早速、W先生に、その試験をしていただきました。

 最初の被験者は私でしたので、その是非を自分で判断できるようにしたのでした。

 「先生、もしかして、これは結構、よいのではないですか?」

 「これは、2つの作用効果が一度にできるので、なかなかよいですね」

 次は、私の相棒の番でした。

 かれは、その方法をやや勘違いしていたようでしたので、その結果は、かれの常識を覆したこともあって、

 「これは、一番の方法ではないですか!」

と驚きの声で評価されていました。

 私としては、一度失敗していた実験だけあって、これで、「あの失敗を乗り越えることができた」とやや感慨を味わうことができました。

 やはり、何事も、諦めずに粘って試し続け、成功に導いていくことの大切さを再認識しました。

 これから、そのサンプルづくりを改良して、W先生に、とりあえず10本送って、さらに試していただくことになりました。

 これは、市販品としてAとBがあり、このA+Bの組み合わせに、新規性、有用性、進歩性の可能性が認められますので、今後も、その改良的工夫をめざすことで洗練化を行っていくことになるでしょう。

 実験の第二ステージ

 今回の2つの実験は、この2年間において地道に試験を積み重ねて、それらの成果を装置開発に可能な限り活かしてきたことで、その出来上がった装置には、これまでと比較してかなりの性能向上が現れてくるのではないかと密かに期待を抱いていました。

 そのことが、今回の2つの実験において確認されたのですが、じつは、この2年間において開発した装置は、これらに留まらず、相当な数のものがありました。

 これから、W先生立会いの下で、それらを試験していくことになりますので、そのことを想像しますとワクワクしますね。

 これを「第二ステージの実験」と呼んでいますが、その皮きりが一昨日(9日)なされたというわけでした。

 これから、月1回のペースで、その新開発装置を持ち込み、その試験を行っていくことも確認されました。

 そのために、今回のように事前に試験を行い、その経験を踏まえて現場で、その試験を遂行していくというパターンにしていく予定です。

 このようにして、2つ目の実験においても、最初の重要な成果が得られたことから、今後、その新規性、有用性、進歩性をより科学的に究明していくことにしたいと思います。

 帰路は、これらの成果を見出したことから、今後の研究計画や課題について、自然に話が弾みました。

 「今日は、久しぶりに道の駅『いんない』に行ってみませんか?」

 すぐに、良い返事がありました。

 院内に向かう車窓からは、田植えのために水張がなされた田んぼもありました。

 この「いんない」ではお客さんも多く、いつもより、にぎわっていました。

 地元の新鮮野菜、みかん、地粉(小麦粉)、小豆、黒豆、新海苔などを買いました。

 久しぶりに出かけたせいでしょうか、それとも実験が2つとも上手くいったせいでしょうか、いつもよりは早い就寝となり、よく眠ることができました(つづく)。
  
medaka
                めだか(丸清の水槽)