5万人越え

 日本全国で新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を奮っています。

   昨日は、全国の感染者数が5万人を越え、過去最高の感染者数になりました。

 このような危機的状況を迎えながらも、未だに「蔓延防止」に留まる人流抑制に留まっている政府の対策は、後手後手、そのものです。

 この措置は、単に飲食業の時短対策がメインですので、ほとんどその効果はなく、「飲食業者いじめ」とまでいわれています。

 なぜなら、東京都の示した資料のなかに、その効果なしのデータが明確に示されています。

 すなわち、飲食業における感染者の割合は、わずか1割に過ぎず、それに対して最も多いのは家庭内感染であり、これが約5割を占めているからです。

 有効な対策を講じるのであれば、この家庭内感染の方に対処すべきなのに、それが、ほとんど何もできていません。

 まことに恐ろしいことではないでしょうか。

 しかも、事もあろうに、この蔓延防止指定を行った、その日に、政府の分科会の尾身会長は、「これからは、人流よりも人の数を制限することが重要」という主旨の発言を行いました。

 その関係者の内部からも、「これはあまりにもひどい発言だ」として大騒ぎになり、当の本人も慌てて、その発現を訂正するという、お粗末なことまで起っています。

 世界の科学的に進んだ対処に対して、著しく遅れているのが日本です。

 それをリードすべき分科会に集まる専門家の認識が、まったく世界の最先端の動きと比較して著しく劣っているからであり、真に情けない姿をさらし続けています。

 その典型的事例を一つ指摘しておきます。

 それは、未だに新型コロナウイルス感染は、飛沫感染によって起こり、その濃厚接触者追跡によってクラスター形成を防ぐという、未だに遅れた手法に固執していることにあります。

 今や、この新型コロナウイルス感染は、当初いわれていた「飛沫感染」ではなく、エアロゾルによる「空気感染」が主であるという報告が世界中でなされています。

 これによって、新型コロナウイルスに対する対処法も、当然のことながら変わってきています。

 わずか数マイクロメートルの新型コロナウイルスを付着させた水粒子は長時間にわたって室内に存在し続け、また微風や人の動きによっても、その漂い方が変わります。

 これに対する最も有効な対策が換気と室内空気流動の制御法なのです。

 ところが、これまでは、手を洗え、マスクをして食事せよ、対面で座るな、濃厚接触をするな、濃厚接触した場合には、その接触者を追えといい、最後の方で換気を行えといっていて、何ら、その科学的対応に関する先進的な世界の事例を学んでいません。

 おそらく、それを認めると、自分たちのこれまでの対策の誤りが明らかになってしまうからであり、ここに臆病で、かつ狡猾な、かの有名な養老さんがいっていた「バカの壁」が存在しているようです。

非科学者・非専門家は自ら退くのがよい

 このような水準の意見を基にしているのですから、政府の対応もその影響を受けて、その無能さのあまり、失敗を晒し続けています。

 たとえば、日本で開発された高性能のPCR検査装置が、外国で広く使用されているのに、日本では、ほとんど使われていない、これもおかしなことです。

 ワクチンについても、世界では、二回目からの期間を前倒しにしているのに、日本では、それが遅れに遅れて8カ月以上も経過しての摂取という考えられない長期間の摂取が、さらに遅れそうです。

 世界の常識では、3~4か月経過して3回目摂取に向かっているのに、日本では、その倍以上が過ぎても摂取ができていないのです。

 ずさんというか、いいかげんとしかいいようのない、政府の対応であり、お粗末を通り越して情けない、恥ずかしい状況に落ち込んでいます。

 このような信じられない苦境が継続していくと、政府も、この専門家集団の過誤に引きずられていくことになりかねません。

 それを防ぐには、この専門家集団の総入れ替えを行う方法しかないようです。

 せめて、世界の最先端の対応が可能な知見を有する専門家を抜擢して、この難局を打開していくことが重要ではないかと思います。

 かつての日本は、科学技術立国を、堂々と世界に示していました。 

 今からでも遅くはありません。

 新型コロナウイルスに抗して、優れた科学技術の力で、この危機を打開していく必要があり、その核心部分を担う科学者、専門家の登用が切に望まれます(つづく)。

kasu0155
カスレタスの先端(GFH3-A)