静かな年の瀬を迎えて

 このところの寒波到来で、露地の野菜たちは凍ってしまいそうになっています。

 凍ってしまいそうなのは野菜だけでなく、アグリ作業を行う私たちの手や頬もです。

 しかし、この寒波が、思わぬよい効果をもたらしました。

 先日の会議の席で、新たな提案があり、アブラムシ退治には寒さが一番ということで、数日間にわたってハウスの扉と窓を開けたままにしていました。

 その結果、ハウスのなかが春のような温かさから、真冬の冷たさに一変したために、一挙にアブラムシの活動が低下し、死骸が下に落ち始めたのです。

 これで悩ましかったアブラムシ対策は一挙に進みましたので、真によい方法を学習することができました。

 しかし、この冷温化でやや弱った野菜もありましたので、ハウスの開放は数日間に留めておきました。

 さて、今年も静かな年の瀬を迎えています。

 12月初めから、やや頑張ってアグリ作業を行ったせいか、今は、それらを観察し、収穫するという、比較的ゆとりのある生活を楽しんでいます。

 とくに、七島イの根分けと洗浄、そして移植を予定より早めて頑張ったことがよかったのだと思います。

 振り返れば、今年の3月から、コロナ危機を乗り越えるために、自分で食べる野菜は自分で育て、そして免疫力をアップさせる優雅なロハス生活の土台を形成するために、緑砦館(GFH)における野菜栽培に精を出してきました。

 これは、コロナ危機のなかで世界中に起こってきた自家菜園づくりの流れに呼応するものであり、さらには近い将来において起こるであろうといわれている食糧危機に対応する試みでもありました。

 まずは、夏野菜の苗を購入し、GFH2から、その整備と再稼働、そして移植を開始しました。

 その口火は、クレソンでした。

 大分空港近くにある里の駅「武蔵」の店頭にクレソンが並び始めてから、約10袋ずつ買ってはGFH2のA水路とB水路に順次移植していきました。

 クレソンの場合、茎をそのまま孔に挿し入れておけばよく、そこから根が生えて、みるみるうちに成長し、香り豊かな嫌味のない極上のクレソンサラダを楽しみました。

 続いてセロリ、サニーレタスが、同じくGFH2のC水路で成長しました。

 GFH2から3へ

 このGFH2の稼働によって勢いが生まれたのでしょう。

 続いて北側のGFH3の各水路の清掃と整備を行い、春野菜の苗を移植していきました。

 ここは、あまり陽光が入ってきませんので、レタス類や大葉を主として育てました。

 また、C水路には、昨年から七島イが育っていましたので、その整備を行い、光マイクロバブルの正常運転に努めました。

 これで、GFH2と3が稼働し始めましたので、これらにおける栽培は、キュウリや大葉などの夏野菜に移っていきました。

 とくに印象深かったのはキュウリであり、水分が豊富で柔らかい、市販されているキュウリとは別物の光マイクロバブルキュウリの味の良さに驚かされました。

 また、大葉は、掌サイズにまで成長し、よく塩を振りかけて「お結び」としていただきました。

 あまりにも、その「お結び」がおいしく、いくつも食べることができました。

 さらに、大葉味噌を料理して、家族に好評でした。

 こうして順調にGFH2と3が立ち上がり、夏野菜がよく育ち始めたまではよかったのですが、ここで、次の大きな問題が立ちはだかっていました。

 ①GFH1は、建築上の小さくない問題が残っていて、その解決が急がれていたのですが、その建築請負側の問題で約1年以上も稼働できない状況が続いていました。

 この問題解決を担当者の上司に再度依頼し、その対応を図っていただきました。

 また、この問題の影響で、水耕栽培用のポンプが故障したままで、これをどうするかについても検討が必要でした。

 さらに、ハウス内の資材の整理もできていなかったので、これをどうするかという問題もありました。

 ②我が家には約50平方メートルの中庭があり、ここに建築資材が山積みされたままであり、この整理と移動が必要でした。

 この後者の問題は、折角の中庭をどう活用するのかに関わっていましたので、その検討を行なう必要がありました。

 ③夏野菜が育って収穫が始まった季節になると市販の苗が無くなってしまいます。

 この苗の確保と補給のために、プランターにおいて種から育苗を行なうことにしました。

 プランターの数には比較的余裕がありましたので、徐々に種の購入を増やしていきました。

 これについては、これまでに3度の種撒きを行い、多数の苗を育てることができました。

 その際、「光マイクロバブルによる発芽促進をどうすればよいのか」が重要な研究課題となりましたので、そのことの探究を開始、そのアウトラインが朧気ながら観えてきたようです。

 そして、このプランターによる苗づくりが進展したことから、当然のことながら、今度は苗余り現象が発生してしまいました。

 そこで、その移植先を確保する必要性が生まれたのでした。

 これらが夏の終わりに発生した課題であり、GFH1の再開が必要になりました(つづく)。

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白菜(GFH3)