「七島イ」産業革新の課題(まとめ)
これまでに、5つの課題を詳説してきましたので、ここで改めて、それらを、次に要約しておきましょう。
①生産農家の減少に伴い、生産額が激減し、今や最大時の0.04%に低下、一方で多方面から需要の声が寄せられ、極端なギャップが拡大している。
②七島イ農業の困難のなかで、新たな農家が定着せず、地場産業としての展望が見出させない。
③毎年、計画的に安定した生産量を十分に確保可能な「七島イ農作技術」において「未発達」な部分がある。
④七島イ「二期作」が、さまざまに試みられてきたが、いずれも成功には至らず、いわゆる「二期作ブレイクスルー」が実現されていない。
⑤外国産「七島イ」の輸入増大の影響を受けて、国内七島イ栽培がさらに縮小傾向に陥いるという現状を打破するための戦略と戦術を具体的に検討し、有効策を講じる必要がある。
課題解決の方法(1)-3
前記事に続いて上記の課題を踏まえながら「七島イ」の「産業革新」を実現していく意義と課題の解決に方法を掘り下げていきましょう。
本日は、次の③~⑤に分け入ることにしましょう。
③地域性に富む
④唯一性に富む
⑤国際性に富む
⑤国際性に富む
もともと七島イ畳のルーツは、今の沖縄にあり、それが杵築に持ち帰られ、さらに国東半島に地場農業として拡大されていきました。
この拡大は、国東半島に留まらず、イグサで有名な熊本県の南部においても育てられたことがありましたが、イグサの方が栽培しやすかったのでしょうか、徐々に、そこでは七島イ栽培が廃れてなくなってしまいました。
いまでは、国東市のごく一部においてのみ栽培されるようになりましたので、その「地域性」に関しては、高い希少価値を有しています。
同時に、今や国内では、その国東の地域にしかない農業になってしまいましたので、その唯一性においても、それは最高水準にあると考えてよいでしょう。
しかし今では、そのきわめて貴重な七島イ栽培が「風前の灯」になっているのですから、その事態は、かなり深刻になってきているといってよいでしょう。
この拡大は、国東半島に留まらず、イグサで有名な熊本県の南部においても育てられたことがありましたが、イグサの方が栽培しやすかったのでしょうか、徐々に、そこでは七島イ栽培が廃れてなくなってしまいました。
いまでは、国東市のごく一部においてのみ栽培されるようになりましたので、その「地域性」に関しては、高い希少価値を有しています。
同時に、今や国内では、その国東の地域にしかない農業になってしまいましたので、その唯一性においても、それは最高水準にあると考えてよいでしょう。
しかし今では、そのきわめて貴重な七島イ栽培が「風前の灯」になっているのですから、その事態は、かなり深刻になってきているといってよいでしょう。
本来であれば、このような地域性と唯一性における極限に近い状態になると、その伝統を守り、継承していくという希少性と貴重性によって、なんとか、それを確かなものしようとする作用が生まれてきます。
本来は、その地域性と唯一性が有利に働くはずですが、七島イの場合は、その不利な条件を十二分な有利の条件に転換していく「特別の知恵と工夫」が求められているのではないでしょうか。
国際性に富む
⑤の国際性についても論及しておきましょう。
私は、ドイツとアメリカに留学していた経験があり、外国人の気質や好みを多少理解しているつもりです。
科学者の良し悪しに関しては、その実力によって正当に評価がなされます。その入り口として「博士」を取得しているかどうかは、重要な指標になります。
また、文化や芸術に関しては、優れた本物性が問われます。
なにせドイツは、夕食を済ませて夜の20時から厳かにコンサートが始まり、その休憩時間においてはワインを楽しむ国ですから、本腰を入れて文化や芸術に受容しようとしている人々が住んでいる国なのです。
そのかれらが、東洋文化に憧れ(かつてのゴッホが、広重や歌麿に惚れたように)る時には、仏像や絵画と共に、七島イ畳も同等物として扱うことができるでしょう。
さらに、かれらの多くは、屋内で靴を脱ぐという習慣がありません。
したがって、ソファーや椅子に腰かけることはしますが、座すことはないのです。
それゆえに、胡坐をかいて座ることは、非常に特別なことなのです。
その特別な「座り」において、七島イを選びたいという気持ちになることはよく理解できますね。
これらに加えて、かれらは、「香り」を大切にする民族でもあります。
きっと、使いこなした七島イ畳の香りは、かれらにとって、今まで味わったことがない新鮮な、ここちよい「香り」になるでしょう。
このように、素材としての七島イは、かれらにとって貴重なものであり、その国際性は格別に優れているといってよいでしょう(つづく)。
次回からは、上記の5つの課題について、具体的に、より深く分け入ることにしましょう(つづく)。
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