東の空
国東の東には、豊後水道があります。
その南には大分、北には愛媛の佐田岬があります。
この雲は、おそらく、それらの海上における上昇流によって湧いてきたようで、南には別府湾、そして北には伊予灘が臨んでいるでしょう。
いずれも、今となっては珍しいほどに海の幸に恵まれた海域です。
この海を育てているのが、内海に巨大に突出している国東半島です。
日本の内海において、このような巨大半島はほかにありません。
しかも、この半島が稀有なのは、その全体のほとんどが森で覆われていることです。
昔、この半島は、両子火山群の噴火と、溶岩の四方への流下によって形成されました。
これが、今の六郷の形成の礎となりました。
幸いにも、この火山礫のなかには透水性に優れた成分が多くあり、ここを伝って、ゆっくりと海へ、地下水として流れているのです。
火山岩と礫が植生を繁茂させ、その植物が六郷の緑の林を造り、国東半島全体の森の形成に寄与していったのです。
火山群⇒六郷の丘⇒緑の林⇒水の涵養⇒地下水による濾過とミネラル付加⇒海の涵養⇒豊かな海の幸の育成
この雲の谷間の下にある国東の海には、このような営みを経てきた自然の生きた姿があるのです。
雲の谷間
この稀有の国東の森、水、山と海の幸、歴史の幸を、一時的な欲や金のために汚して、台無しにしてはいけません。
「今だけ、金だけ、自分だけ」を、国東の森と水、そして魚たちは一度もほしいといったことはありません。
今尚、この貧しい「キャッチフレーズ」に拘っているヒトがいたら、この谷間から閻魔大王様に降りてきていただいて「止めなさい!」といっていただきましょう(つづく)。
コメント
コメント一覧