サルスベリ

 私の記憶では、たしか、この2年余、その可憐な花を見かけることはありませんでした。

 「もう花が咲かなくなってしまったのか!」

 研究所の前庭に咲いていた、この花のことが、女房との会話に時々上ることがありました。

 南側の陽当たりのよいところなので、いったいどうしたのであろうか、虫にやられてしまったのかと案じていました。

 今年は、そのサルスベリ(百日紅)が、みごとに復活しました。

 「もう、だめか!」と思っていただけに、この思わぬ復活に心を動かされました。

 最盛期ほどに咲いた花は多くありませんが、その鮮やかな紅色に見惚れました。

 夏の間、100日間も咲くことから、この「百日紅」が命名されたのでしょうか。「猿も滑る」よりは、はるかに上品な漢字名です。
 
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前庭の百日紅
 
 久しぶりに復活してきたせいでしょうか、それとも病み上がりのせいでしょうか、未だ、少し弱々しく感じますが、その鮮やかな紅の色は、まったく以前の通りです。

 ネット上で調べてみると、ピンクや白色のものが多く、このような紅色のものは見かけませんでした。

 何はともあれ、コロナの年に復活した、この鮮色に感謝することにしましょう。

 さて、この花言葉は「雄弁」だそうですが、久しぶりの復活で、何を雄々しく語ろうとしているのでしょうか?

 まもなくコロナの第六波がやってくる

 新型コロナウイルスのデルタ株型の第五波は、凄まじいものでした。

 第三波、第四波と比較して数倍以上の規模で感染が拡大していきました。

 東京都では、新型コロナウイルス感染者の陽性率が22%を超えるという恐ろしい状況が発生し、その入院待機者と自宅療養の数が最大時には約8万人を越えました。

 これは、まさに自宅待機者ではなく、「自宅放置者」でした。

 そして、その感染によって毎日多数の死亡者が発生しています。

 なぜ、このような事態を引き起こすのか、「病院崩壊」が起こるといわれながら、それを実際に起こしてしまう、この国と自治体の非科学性、情けなさは、どこからやってきたのでしょうか?

 百日紅よ、あなたは雄弁者だそうですので、何を語ってくれるのでしょうか?

 まもなく、第六波がやって来るそうですが、科学的予測が可能な専門家によれば、その規模は第五波の約5倍だそうです。

 こうなると、これは単なる崩壊ではなく、そこに待っているのは奈落であり、その奥では閻魔大王さんが棲んでいそうです

 百日紅よ、本当に復活したのであれば、百日とはいわず、千日、万日までも、その悪しき風邪を鮮やかに振り払って咲き続けよ!(つづく)。