有機物のはたらきについて

 前回までの記事において、土中の「有機物と微生物のはたらき」についてやや詳しく解説してきました。

 それらは、次のように要約されます。

 土中の有機物を餌として食べるのが微生物であり、この微生物が運搬、生み出すものが生理活性物質としての植物ホルモンなのです。

 この植物ホルモンこそが生理活性物質であり、植物の成長を促進させるのです。

 周知のように、土中の微生物が寄ってくるのは植物の根であり、その根を活性化させることが「根活力」と呼ばれています。

 この「根活力」は、「有機物の分解過程で生じるエチレンなどの生理活性物質によて生まれるものであり、それが根の発育を促進させる」ものです。

 土中の微生物によって有機物が分解されていくことで、「水はけがよく、水もちがよい」団粒構造の土が形成され、この微生物は、さらに増えていきます。

 そこで、団粒構造を有し、有機物を含み、大量に存在する「健康で肥えた土」において、光マイクロバブル水が、どのような役割を担っているのかについて考察を始めることにしましょう。

 むずかしいことを、やさしく解説することに努めましょう。

あるハウスの視察

 まずは、この問題を解りやすくするために、先日、近くの田圃に設置されたハウスを視察したときのことを示しましょう。

 そこは、国東半島を囲む海岸線から約1㎞のところにあり、海の方に向かって、なだらかに海へと下がっていく平地であり、かつては稲作農地として使用されていたそうです。

 おそらく、その稲作農地としては、あまり芳しくなかったのでしょうか、広範囲にわたってハウスによる栽培に切り替えられたようでした。

 しかし、そのハウス栽培でも、その生産性と採算性が問題だったのでしょうか、長い間、そのハウスも放置されたままになっていました。

 そこが、新たに参入されてきた若者たちに割り当てられました。

 当然のことながら、そこがある農作物を栽培するのに適しているかどうかも解らないままのことだったようで、そのために、かれらの土壌改良における日夜の悪戦苦闘が始まったのでした。

 その土は、水に濡れると、すぐに「びしょびしょ」になり、逆に乾燥すると「かちんかちん」の固くなるという性質を有した、いわゆる「死んだ土」であり、学校の運動場と同じような土でした。

 これを何とか改良しようと大量のオガクズを投入してみましたが、それでは埒が明かず、その農家たちは途方に暮れていました。

 おまけに、その土地は、水はけが悪く、雨が降れば周囲から雨水が侵入して地下水位が上昇し、作物の成長に阻害をもたらしていました。

 かれらは、この水位上昇が起こると農作物の成長によくないと思ったようで、その水位上昇をなんとか避けられないか、これが、かれらの要望でした。

 まずは、

 「その降雨時の地下水位の上昇をどう防ぐのか?」

 そして、

 「その降雨が止んだ後に、素早く地下水位を下げることができるのか?」

が問題になりました。

 最初に、問題の小さい方のハウスを視察し、その状況を参考にして、より深刻なハウスに向かいました。

 すぐに、その土を深く掘っていただきました。

 指摘されていたように、5㎝も掘ると、湿った土壌が出てきました。

 そして、より深く掘っていくほどに、含水比の多い粘土質の土壌になっていました。

 約20㎝の深さの土壌を取り出してみました。

 その粘土質の地下の様子を写真に撮りましたので、ここで示しておきましょう。
 
DSCN4339 (2)
穴の様子(表面から約5㎝のところまで水分が上がってきて、土の色が濃くなっている)

 土が団粒構造とは程遠い、大きな塊状になっています。

 さらに深く掘り進めると、粘土の塊が出てきました。

 まさに、焼き物にもしてもよいほどの粘土でした。

 そこは、緩やかな傾斜のある低平地であり、かつては稲作がなされていたことから、粘土質の土壌が大量に堆積していたところだったようで、それが、そのまま残っていたのだと思います。

 そこで、その地下約20㎝のところを掘り出した土の塊を示しましょう。

DSCN4346 (2)
掘り出された粘土土壌

 大半が粘土そのものであることが明らかです。

 色はあまりよくなく、やや腐食された様子でした。

 これを臭ってみようという意見が出ましたので、みんなで試してみました。

 比較的強い腐敗臭がありました。

 これで、このハウスのなかで農作物が育たない理由が明確になりました。

 腐敗臭が強いことは、酸素不足になっていて、そこに嫌気性の微生物が蔓延っていることを示していました。

 雨が降り、その水位が上昇してくると、その腐敗細菌も一緒に上がってきますので、それが根を食い荒らし、成長させない、最後には、枯れさせてしまうことに結びつきます。 
  
 これでは、いくら表層の土壌改良をやっても、雨が降るたびに悪玉菌が水とともに上がってくるのですから、この悪玉退治をしないかぎり、そこから活路を見出すことはできません。

 その後、この視察をの結果を再考して、やや、活路の道筋が明るくなってきました。

 次回は、この問題をどう解決していくのか、そこに、より深く分け入ることにしましょう(つづく)。