MOネギの料理法 

 MOネギの優れた特徴をどう生かすか、いつしか、この料理法を探究することに注力を入れるようになっていました。

 その典型的な料理のひとつが沖縄の「ひらやーち」でした。

 こちらでは、「おやき」、広島では「お好み焼き」として有名です。

 また、昔母が作ってくれたのは「一銭洋食」と呼ばれた料理でした。

 いずれも、小麦粉を水で溶かして、フライパンに広げ、そこにお好みの具を入れて焼いて食べることを基本としています。

 その際、MOネギの特徴をどう引き出すかという、以下の工夫が大切でした。

 ①生の香りとシャキシャキした歯ざわりを可能な限り残す。

 ②加熱による格別の甘さを引き出す。

 ③何度も噛むことによって旨さがじわっと出てくるようにし、その旨さを実感できるようにする。

 これまでの市販のネギ、あるいは、同じ栽培法でも未熟な段階におけるネギの味は、これらの特徴と大きく違っています。

 ①シャキシャキとした歯触りではなく、それを噛むとゴツゴツと押しつぶすような感覚である。また、ほとんど香りや辛さがない。

 ②加熱すると甘さが増すが、それはごくわずかである。この甘さの程度が決定的に違うことから、その成分の究明が重要である。

 ③何度も噛む前に、すぐに飲み込んでしまう。つまり、ネギ本来の旨さを味わう前に食道へと運ばれてしまう。

 それだけ、弾力性がなく、すぐに歯切れが達成されてしまうので、短時間で口を通過してしまう。

 おそらく、噛む回数で比較すると、MOネギの場合は、市販のものと比較して2~3倍は多い。

 これらの違いを踏まえながら、いかにMOネギの良さを誘起させるか、これが料理のコツといってよいでしょう。

 さて、そこで、上記の「ヒラヤーチ」に続いて、2つめの琉球料理を紹介しましょう。

 この方は、昔から公私ともどもにお世話になっており、先日、2回にわたって感謝の意を込めたMOネギを送付いたしました。

 そのK夫人は、とても喜ばれ、早速近くの友人の方々と、沖縄風MOネギの料理に凝り始めたのでした。

 彼女は、幼児教育が専門で、かねてより、幼児の食育についても関心を払われ、たくさんのお弟子さんたちと熱心に研究されていました。

 それゆえ、いわば、ネギとしては特急品のMOネギに初めて触れ、食されたことで、人並み以上に感激されたのだと思われます。

 その奥様に頼んで、これまた無類の料理好きだった、今は亡きご主人様に、そのMOネギを使った、ある料理を仏壇に供えてくださいとお願いしました。

 彼とは、馬が合うというか、波長が合ったのでしょうか。

 彼のおかげで、わずか2年という沖縄滞在にもかかわらず、その後も、46年間にわたって沖縄と縁深くなり、その行き来が続くことになりました。

 「Kさん、MOネギの料理はいかがでしたか?きっと喜ばれたことでしょう。また、あなたなら、このネギを使ってすばらしい料理を考えられたことでしょう!」

 「ビラガラマチ」
 
 そのK夫人が、早速、MOネギを使って「ビラガラマチ」を料理したそうで、夜遅く、喜びの電話がありました。 
 
 ここで「ビラ」とはネギのことであり、これを沖縄産のカマボコに巻いて酢味噌で食べる料理のことです。

 もともと、これは、琉球王朝時代の首都だった首里でもてなされた、いわば琉球料理のひとつだそうです。

 いまでも、首里城の近くに、その古式料理を出してくれる店があるそうで、そこでよく出される料理だと仰っておられました。

 そのK先生が、半ば興奮されて電話をしてきてくださった料理ですから、こちらにも、その興奮が伝搬し、煽られました。

ーーー 早速、こちらでも「ビラガラマチ」を作ってみよう!

と意気込みましたが、肝心のカマボコがないといわれ、トーンダウン。

 翌日、近くのスーパーに行って、ようやく手に入れましたが、そこには、上質のカマボコがなく、これでは沖縄の「カマボコ」に負けてしまうと思いました

 そのカマボコとは沖縄独特の製法にあり、こちらのカマボコは魚のすり身を蒸すのに対し、沖縄では油で揚げて作るのです。

 この製法は、鹿児島の「さつま揚げ」に似ていますが、味はかなり異なっています。

 沖縄では、正月やお盆に、よく人々の集まりがありますので、その際、仏前にお供えするのが精進料理です。

 このなかに、油で揚げたカマボコが入っていて、昆布の煮しめとともに重要な役割を果たしています。

 私も、このカマボコをおいしくいただいたことがあり、格別の味がしていました。

 この違いは、原料に用いる魚にあるのではないかと思いましたが、その揚げ方も影響しているのでしょう。

 鹿児島のさつま揚げも、非常においしい天ぷらですが、これと比較すると、沖縄のカマボコは、より素朴な味がし、より弾力的で噛み応えのある感触でした。

 さて、K先生が、激賞されていたMOネギの「ビラガラマチ」の味は、どうだったでしょうか?

 興味津々で、女房に作ってもらった「ビラガラマチ」を「いただきました。

 次回は、その味評価と感想を述べることにしましょう(つづく)。 

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                                             自作
「ビラガラマチ」