盛夏の日本列島で

 日本列島は、最も暑い盛夏の季節のなかで、2つの現象が進行しています。

 その一つが、新型コロナウイルスの感染爆発です。

 東京では、オリンピックの開催と連動するかのように爆発的な感染拡大が進行し、今なお、そのピークが見えずに、深刻な危惧と混乱が広がっています。

 この異常な感染拡大によって、最も強く鉄槌を受けたのが、日本政府と、そこで選ばれた専門家たちではないでしょうか。

 そのことは、自分の危機感を自覚できないまま、「国民には危機感を深めてほしい」と述べた、どこかの首相の危機認識の浅薄さに現れています。

 また、その周辺の学者や専門家たちの予測が、完全に的外れになって、みっともない姿を曝け出していることも目に余る現象です。

 この楽観論とは反対に、Y東大教授は、昨今の新型コロナウイルス感染者の急増に関して、それは指数関数の伸びをはるかに超えていることについて、その異常さを訴えていました。

 かれによれば、Aという生物とBという生物が共生的に成長する場合にしか起こらない、きわめて珍しいケースしかないそうです。

 A単独、あるいはB単独の成長の場合は、それぞれが指数関数的に成長するが、それぞれが互いに影響し合うと、この指数関数的成長を超える状態が起こりうるようです。

 昨日の東京における新型コロナウイルス感染者数は4055人、あっという間に4000人の大台を超え、全国では1万2000人を数えました。

 東京が、このような奈落状態に陥っていますので、東京の周辺において東京化が急速に進展しており、その危機が拡大しています。

 ここで重要なことは、東京が過去最高の感染者数が出ると、その周辺の神奈川、埼玉、千葉においても過去最高の感染者数を示していることです。

 また、東京から遠く離れた沖縄においても過去最高の感染者数が出現しています。

 昨日の沖縄での感染者数は439人、これを東京の人口にあてはめて比例計算をすると、約6000人の感染者数になります。

 すなわち、東京よりもさらに住居や店が密集している沖縄の方が、より感染拡大が起こっている深刻な状況だと考えられます。

 さらに、これらの地域に起こっている感染拡大現象は大規模な自然現象であり、そのことを正しく理解しないと、その対策を大きく誤ることになります。

 小手先の、そして安易な、あるいは呑気な方法では、コロナに負け続けることは明らかなことです。

 そのお粗末な愚挙をいくつか挙げてみましょう。

 ①アベノマスク

 今では誰も、このマスクを使用していません。

 どうやら、ご本人もそのようです。

 少し根性があるのであれば、自分だけでも、そのご自慢だったアベノマスクをして公道を歩かれてはどうでしょうか?

 ②横浜のカジノ推進者

 これを一番中心になって進めてきたのは、どこかの国の首相さんではなかったでしょうか。

 それが反対に実行できなくなったら、今度は、カジノ反対の前閣僚を熱心に応援しはじめたようですが、この変わり身はどう説明されるのでしょうか?

 ③東京アラームの提唱者

 「あなたは、もう忘れたのでしょうか?赤い手ぬぐいマフラーにして・・・・」

 この有名な歌詞に因めば、あなたは、もう、「東京アラーム」を忘れてしまっているようですが、今こそ、そのアラームを発するときではないでしょうか。

 しかし、緑のポンポコさんは、近頃忘れぽくなったのでしょうか。

 きっと、ごまかしや偽りを重ねすぎると、その症状に陥りやすくなるのかもしれませんね。

 昨日の会見では、もはや打つ手なしのようで、若者たちへの自粛に関してSNSを通じての発信を諸外国の事例を参考にして考えていくという、自信のない回答をしたようですが、これもおかしなことです。

 「あなたは日本版CDCを作ってコロナ対策を十分に行うと都民に約束したはずです。なぜ、その科学の粋を集めた対策を講じないのでしょうか。

 外れっぱなしの予測しかできないモニタリング会議の専門家ではなく、東京を救う科学者と専門家を組織して、『救東京作戦を実施するプロジェクト』を結成させ、真の東京版CDCを発動させるべきではありませんか!」

 こう、私は、いいたいと思います。

 ④イソジンY

 また、再び、病院崩壊を起こしそうですが、大丈夫でしょうか?

 ある識者は、先の大阪の状況を指摘して「インドよりもひどい」、「真の統計は飽和状態のままになり、何が起きたかを公表されなたった」のではないでしょうか?

 英国型株からデルタ(インド)株が襲来していますので、先の教訓を生かすことができますか?

 このように不安だらけ、ますます深刻な奈落への落下は、いったい日本国民と社会に何をもたらすのでしょうか?

 経済的には、何兆円という落ち込み、格差の広がり、人種差別の激化(イギリス女子サッカー選手の片膝を付いたポーズは、日本選手をはじめとして瞬く間に多くのサッカー選手に広がっていきました)、そして何よりも、「命かオリンピックか」という二者択一問題を鋭く、鮮やかに深く問いただすようになりました。

 この奈落か、それとも命かの問題は、ますます先鋭化して、その次は、何かの問題をより鮮やかに浮き上がらせていくでしょう(つづく)。

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キューリ(GFH3)