有機物のはたらきについて

 前記事に続いて、下記の⑤について解説と考察を加えていきましょう。

hataraki
 名著
「『健康な土』、『病んだ土』(岩田進午)」において、最も興味深く拝読したのが、この⑤に関する「有機物と根ばり」の問題でした。

 周知のように、土中において根は、養分と水を吸収することによって成長を遂げていきます。

 そして、この根によって吸収された養分と水分が茎から葉に届けられ、植物全体の成長を可能にします。

 その成長の要をなすのが土中の有機物であり、それによって根ばりが促進される、このメカニズムは、どのように働いているのでしょうか?

 岩田さんは、この「根ばり」に関係して、次のように述べられています。

 「この根活力を生み出す生理活性物質が植物ホルモンです。

 そして、このホルモンは、土中の微生物が有機物を餌にして食べることによって放出されるのです」

 この重要な働きを生み出すキーワードが、「生理活性物質としての植物ホルモン」、「有機物を餌にして食べる微生物」の2つです。

 根活力と植物ホルモン

 前回の記事において、その概要を示しておきましたが、ここでは、上記の「根ばり」との関係において考察をより進めることにしましょう。

 この「根活力」の意味を再度考えると、「有機物の分解過程で生じるエチレンなどの生理活性物質によるもの」であり、「有機物を餌として、微生物が植物ホルモンを放出し、根の発育をうながす」ことが注目されます。

 すなわち、微生物が有機物を分解し、それを餌として食べることによって植物ホルモンを放出させ、それによって根の発育が促進される、ここに重要な根活のメカニズムがあるのです。

 この作用は、当然のことながら、その微生物の量に依存するはずです。

 ここで思い出すのは、S社F工場の1000トンの排水処理水槽において、その微生物の量が光マイクロバブルの導入によって約2倍にまで増加したことです。

 そのトータルを考えれば、その増加量は途方もない量といえます。

 それゆえ、光マイクロバブル水が、土中の微生物を、どれだけ増やす能力があるのか、ここが最初のキー・ポイントになります。

 この微生物量の増加は、それだけ、その微生物が放出する植物ホルモンの増加に結びつくことは容易に推察可能です。

 これによって根活力が大幅に発揮されるようになると、根が伸びる、毛細根が大量に増える、根からの養分と水分の吸収力が増加し、茎と葉の成長促進を生起させる、これらの好循環サイクルが形成されることになります。

 そうであれば、この問題を究明する鍵は、光マイクロバブル水によってより強い微生物活性に基づく大量発生が可能かどうか、この明察がなされる必要がありますね。

 同時に、その大量発生を、最高水準において可能にする方法を見出すことも、併せて非常に重要な課題として浮上してきましたね。

 土の勉強を始めて、それが、最初に見出された重要な命題ではないかと思われます。

 次回は、さらにこの命題の究明において、より深く分け入ることにしましょう(つづく)。

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ヒオウギズイセン