「水はけと水もち」をより向上させる
この団粒の土は、粘土とシルトで構成され、その接着剤的役割を果たしているのが有機物が分解された「腐植」です。
この接着剤によって、土が団子状に連なるように形成されているために、隙間が多く、その隙間に水分が入っても、すぐに流されてしまいます。
その結果、優れた「水はけ」機能を発揮できるのです。
一方、団粒構造を構成する土の成分は、粘土とシルトの混合物ですので、それらのなかに水分が侵入していくと、そのまま水分が保たれます。
それゆえ、「水もち」がよいのです。
その模式図を示しましょう。
このように、「水はけがよく、水もちがよい」ことを特徴とする健康な土において、接着剤としての有機物の分解物(腐植)の果たしている役割をご理解していただけるでしょう。
さて、このような土において、光マイクロバブル水を定期的に噴霧させて、それが落ちてきた土のなかを考えてみましょう。
この場合の水はけは、光マイクロバブル水だと、どうなるのでしょうか?
まず、光マイクロバブル水の噴霧粒が土の表面に落ちます。
1回の噴霧時間は、10分前後だそうですが(ネギの栽培の場合)、これによって、土の表面はかなり湿ります。
そして、その表面から光マイクロバブル水が落下していきます。
水は、重力によって落ちようとしますが、それを邪魔をするのが土です。
雨が降った時の運動場の土は、どうなっているでしょうか?
その校庭に、よく水たまりができていたことを思い出されるでしょう。
校庭の土は、みんながよく踏み固めていますので、雨水が土のなかに入っていかないことから水たまりができてしまうのです。
そして雨が止んで、太陽に乾かされると、今度はカチンカチンに固まってしまいます。
ここでは、当然のことながら植物は育ちません。
これと全く正反対の土が、団粒構造の土であり、それを踏めばサクサクとここちよい音がする土なのです。
この団粒構造を有する土の組成は、粘土とシルトです。
粘土には、水が入りにく、シルトにはより水分が入りやすいという性質を有しています。
逆に、粘土の中に入った水分は出にくく、シルトのなかの水分は出やすいのです。
光マイクロバブル水の「通水能」
さて、ここで丹念に製造された光マイクロバブル水は、粘土の粒子のなかに、通常の水よりも入りやすいのです。
粘土をより細かく見てみると、その粒子にも小さな割れ目があります。
これをマイクロクラックと呼んでいますが、このなかに水分が入っていく駆動力が毛細管現象なのです。
じつは、光マイクロバブル水は、その毛細管現象に優れていて、通常の水のおよそ数倍の能力を有しています。
それゆえに、この現象を駆動力として、粘土粒子のなかに軽々と入っていけるのです。
一旦、水分が入ってしまいますと、今度は、そこに表面張力が働きますので今度は、ほとんど出なくなり、保水力を向上させることになります。
また、光マイクロバブル水の特徴は、それだけではありません。
通常の水よりも、通水能力が大きくなり、邪魔立てしていた土の合間をするりと抜け落ちていくのです。
それは、シルトのなかや、シルト同士の隙間においても同じです。
さらに、もっと重要な性質があるのですが、それについては、またの機会に紹介することにしましょう。
次回は、土と有機物、そして、それらに重要な役割を果たす微生物について詳しく分け入ることにしましょう(つづく)。
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