アグリ作業
 
 朝の会議が終わってから夕方まで、アグリ作業他に明け暮れ、良く身体を動かしました。

 その第1は、GFO1の水槽をきれいに清掃し、水の入れ替えを行いました。

 ここに最初に入植したイタリアンパセリを無理やり株分けしたために、根と葉の部分のバランスが壊れて定着が難しかったのだと思います。

 そのため新根が発生せず、ひどいのは腐敗状態になっていました。

 なかなか成長しないので、中を覗いてみると根が傷んでいたので、それを全面的に取り出し、水槽をきれいに洗ったのちに新しい水を注ぎ、液体肥料も加えました。

 そして、これまで植えていた野菜類の根をきれいに洗浄し、白い根の部分のみを残しました。

 おそらく、これで生き返り、成長に向かうのではないかと思います。

 このGFO1装置による栽培は室内で行っていますので、日光が入りにくい、風が吹かないなど、不利な条件が揃っています。

 これに打ち勝つためには、光マイクロバブルしかありませんので、この入れ替えで、再度出直すことにしました。

 次は、大成研究所の第1研究室の整備を行いました。

 まずは、その西側の壁に沿って長机を入れ、そこに、当面、小型のインキュベータを据え付けました。

 また、その横に小型の光マイクロバブル発生装置も置き、これを用いて光マイクロバブルの植物活性における第二ステージの実験を開始しました。

 これは、種の活性を狙ったものですが、まだ、手だぐり状態の段階ですので、とにかく「やってみてから考える」という安易な考えの下でスタートしました。

 光マイクロバブルのエネルギーが、種の活性にどのような影響を与えることができるのか、真に興味津々の研究課題のように思われます。

サンプルの採取

 夕方からは、すでに、ある材料開発の実験における得られたサンプルを採取し、保存用の容器に収める作業を行いました。

 この種の実験は、順次、CASE-A、B、Dと終了し、中断していたCASE-Cの再実験を行いましたので、そのサンプルの採取、収納を終えたのでした。

 あすからは、新たにCASE-Eの実験準備のために、容器や装置の洗浄を行い、できれば明日中に開始する予定です。

 こうして実験を重ねていると、実験のやり方、サンプルの作り方、さらには、それらの実験の限界や問題点も明らかになり、それらを踏まえた改善の工夫も重要になります。
 
 また、採取したサンプルの評価試験も実施しますので、明日以降は、結構あわただしい日々となるでしょう。

 この評価試験においては、その基準や目安が明確にされていませんので、実際は、目的を達成されているのに、じつは、それに気づかないこともありますので、細心、厳密な評価の目で観ることが不可欠になります。

 また、当然のことながら、その目標達成の有無においても、それを明確に証拠として示す必要があることから、その科学的なデータとしての収録が求められています。

 その意味で、独自の評価マニュアルを作成し、それに従って試験を行ったことを明らかにすることも重要です。
 
 すでに、その評価用の試験片も到着していますので、その詳細な評価試験に努めることにしましょう。

 踊り場を迎えて 

新型コロナウイルス危機を迎えて、これをどうプラス思考で乗り越えていくのか、その一点に絞っての試行錯誤から、前記事においても示したように、次の3つの課題に取り組むようになりました。

①光マイクロバブルと光マイクロバブル水の物理化学的究明

②ある試験用水および材料の開発

➂植物活性のメカニズム

その1年余が過ぎ、これらの課題においても、ひとつの踊り場を迎えているように思い始めましたので、それらを真摯に振り返ってみました。

これらに貫かれている主題は、本記事のタイトルでもある「真実は細部に宿る」です。

上記①の課題は、②と➂の課題を探究するうえで、そのベースとになるものですから、表裏一体の重要性を有しています。

このうち③については、その第1次試験を終えて、次の第二次試験を開始したところですので、いまだ、ここで紹介するほどの成果には至っていません。

また、②においては、後者の材料開発の方が、わかりやすいと思われますので、その概要を紹介しておきましょう。

周知のように、材料開発というものは、それをめざす新材料が創り出されることが最終目標になります。

それが優れたものであれば、広範な用途における展開が可能になります。

たとえば、ユニクロと東レが組むことによって開発された「ヒートテック」は、その典型事例ということができるでしょう。 軽くて丈夫、暖かい、そして若者が買うことができる低価格、これらを支えたのが、この技術開発でした。

また、第二次大戦後において急速に世界に広まった建設材料としてのコンクリートも、材料開発における典型的事例といえます。これによって都市の形成が容易に、そしてより短時間に可能になりました。

このコンクリートは、引っ張りに弱く、それを補強するために鉄筋が同時に使用されるようになりました。

このように、材料開発が一度成功すると、それこそ世界的規模において依拠に普及がなされるようになり、人々の生活や産業の発展に寄与することが可能になります。

これらの当初の開発においては、わずかなサンプル、あるいは試験片が用いられ、それをさまざまに試験することによって、それらの新材料の独創性や有用性、進歩性が明らかにされていきました。

その最初の時には、目の前には小さな試験片しかなく、その細部のなかに真実が存在していたのではないかと思われます。

そのことを踏まえ、その踊り場で足を止めて、ふと振り返ってみると、そこにも、その真実の一部が垣間見えていました。

要注意だったのは、それが非常に見えにくく、真実であるかどうかの判別が非常に難しかったことでした。 私たちは、非常識なことが起こっていることを望みながらも、常識的なことに拘るというシツコイ性質を持っていますので、その角質を剥がすことは容易なことではありません。

しかし、その角質が、一度剥がれ始めると、そこに何が観えているかを観察できることをおもしろいと思う性質も有しており、真にふしぎな動物ということができます。

さて、その踊り場において観えてきたのは、その角質の薄さのために、それを透過した背後の薄模様でした。

何気ない薄模様のなかに、その特質と意味を見出した瞬間は、真にゆかいなものであり、それは、必ずの感動を同伴させています。

「なんだ、それは見えていたのに、観えていなかったのだ!」

その時は、その後悔よりも、観えたことのうれしさの方が大概勝っていますので、これもおもしろい現象ということができますね。

この踊り場は非常に狭いものでしたが、そこで観えてきた夢は、その広さの次元をはるかに超越していたように思われました。

よい踊り場での休憩でした。

(つづく)

DSCN2695 (2)

            沖縄から持ってきたバラの花が今年もきれいに咲きました。