届いた本

 昨日から今日にかけて、アマゾンで注文した本が届けられました。

 本屋にわざわざ出向くことなく、本探し、注文、自宅での受け取りが可能になるのですから、こんな便利なものはないと、いつも感心しています。

 かつては、自己紹介の趣味の欄において、読書月25冊と書いたことがありましたが、最近は、そこまでの読書量には届いていません。

 参考までに、その注文した書を紹介しておきましょう。

 ①虫のびっくり力 養老孟司著 新日本出版社

 ②虫は人の鏡 養老孟司著 毎日新聞出版

 ➂自然治癒力が上がる食事 小峰一雄著 ユサブル

 ④プラスチックスープの海 チャールズ・モア著 NHK出版

 ⑤海を脅かすプラスチック ナショナル ジオグラフィック

 ⑥井上ひさし短編中編小説集成第2巻 井上ひさし 岩波書店 

 ①と②は、山梨の孫の「しらたまちゃん」の一番好きなものが「虫」だと聞かされ、私も虫のことを勉強しようと思って、よさそうな本を探していたら、ネット上に上記の2冊が見つかりましたので、それを早速届けてもらいました。

 ➂は、現在行っている共同研究に関係している重要な内容が述べられているようでしたので関心を深めました。

 ④と⑤は、最近関心を寄せている「マイクロプラスチック問題」の基礎学習をするための参考書として選びました。

 これは世界中で深刻な被害をもたらし始めていますので、看過できない課題ではないかという認識を強めています。

 とくに、その大きさが数マイクロメートルサイズの、吹けば飛ぶようなマイクロプラスチックの人体への影響が深刻な問題のようで、それを詳しく調べてみようと思っています。

 ⑥は、大変な影響を受けてきた「井上ひさし」さんの著作を揃えていくための購入でした。

 じつは、単行本や文庫本においてかなりの数のものを持っていますが、それはそれとして別に、本著作集を読み直して、その満足感と共に、本棚に並べていくことを楽しみにしていこうかと思っています。

本の思い出

 私の人生において、本はなくてはならないものになっています。

 この習慣は、これまでの長い年月を経て身についてきたのだと思います。

 最初の出会いは、おそらく3歳のころだったのではないかと思います。

 私は、『家なき子』という絵本を読んでいただき、

 「ルミーは、一人ぼっちになってしまいました」

という下りになると、必ず涙を流して泣いていたそうです。

 その泣く私を見たくて、姉たちは競って、この本を私に毎日読み聞かせたのだそうです。

 これによって、私は本による想像の世界があることを認識させられ、同時に感情も鍛えられたのかもしれません。

 今でも、かすかに、姉の膝の上に座って絵本を読み聞かされている記憶が残っています。

 二番目の記憶は、小学生になって『鉄腕アトム』の漫画に熱中したことです。

 まだ、『少年マガジン』の発行がなされていないころであり、たしか『冒険王』の付録として『鉄腕アトム』の小冊子が付いていて、これを集めて並べては喜んでいました。

 このアトムは21世紀の世界における物語でしたが、その時代が今まさに進行しています。

 料理や掃除をするロボット、空調による冷暖房の部屋、AI、自動運転の空飛ぶ自動車、高速道路など、夢のような世界が描かれていましたが、そのほとんどが実現されていることは、作者の手塚治虫の慧眼がいかに素晴らしかったかを教えています。

 小学校に入って4年生の時に図書委員になり、本の貸し出しや本棚の整理を行うようになりました。

 放課後になって、図書館長の担任の先生の指示に従って、図書館業務を手伝いました。

 その時、一緒に図書委員になったS君が、本好きで、おもしろい本を紹介してくださったので、自然に私も本の世界に引き込まれていきました。

 授業が終わると、すぐに図書館に行き、目当ての本を借りました。

 人気の「シャーロック・ホームズの冒険」、「三国志」などを本棚の中に見出した時の喜びを今も覚えています。

 しかし、私の本好きは長続きしませんでした。

 中学生になったときには、ほかのことがおもしろかったのでしょうか、ほとんど本に関する記憶がありません。

 そして高校になると受験勉強に明け暮れてしまい、本に親しむ余裕はありませんでした。

 ところが、大学生になってY君と一緒に行動することが多くなって、本好きが復活しました。

 かれは大変な読書家で、しかも物知りでしたので、かれからたくさんのものを学びました。

 そして、いつのまにか、話題の本を読書し、その感想を語り合うようになりました。

 また、かれの部屋には、たくさんの蔵書があり、それを借りては読むようにもなりました。

 その代わり、かれの方は、私の服を着て出歩くようになりました。

 今日は彼女とデートするので、お前の服を貸せといわれ、私が気に入っていた服をいつまでも返しませんでした。

 学年の途中からは、私の下宿の隣に引っ越してきて、毎日のように読書論議を深めることができました。

 大学生ですから、毎日の生活のやりくりが必要で、そのなかから高価な本を買うことができるようにするのが大変で、食費を減らして本を買いました。

 この頃、宇部市のS書店によく通いました。

 この店のご主人は、誰に対しても、ものをいうときに「すみません」といっていたので、そのことをよく覚えています。

 私が、買いたい本をレジで差し出すと、毎回、必ず「すみません」といって、その本を受け取っていました。

 私が、なけなしの金をはたいて高価な本を買うのを気の毒と思われたからでしょうか、その「すみません」は鮮やかに記憶に残っています。

 もちろん、今では、そのような低姿勢の本屋のご主人を見かけることはなくなりました。

 さて、この本屋に足しげく通うになったもう一つの理由は、その店員にSさんというかわいい女性がいたからでした。

 明るく、まじめに本を整理し、本の案内や解説を行い、レジも担当していました。

 その本屋に行けば、さわやかなかのじょがいましたので、その観察もかねてよく立ち読みをしていました。

 1時間、2時間と立ち読みを続けていると、当然のことながら、その本屋の本をほとんどすべて暗記できるようになりますので、そこに新刊が入ると、それをすぐに見分けることができるようになります。

 この新刊探しがおもしろく、かのじょを横目で観察しながら、新刊探しをすることをおもしろがりました。

 しかし、ある時から、そのかのじょを本屋で見かけなくなり、Y君とかのじょのことを「どうしたのかな?きっと結婚したのだろうか」と話し合ったこともありました。

 当時の人気作家は大江健三郎や辻井喬などであり、これらの著作についてY君とよく評論し合いました。

 とくに、後者の『青春の蹉跌』については、かれとよく感想を語り合いました。

 結局、この時の読書好きの癖が、就職してからも継続し、そして今を迎えていますので、Y君の存在は、非常に貴重なものだったといえますね。

 その後の本との付き合いは、次回において紹介することにしましょう。

 (つづく)

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姫あやめ