光マイクロバブルとは何か

 光マイクロバブルとは、私どもが1995年に開発した超高速旋回式の発生装置によって発生したマイクロバブルのことです。

 他の方式の装置で発生させられたマイクロバブルとは、その重要な性質が異なりますので、それを区別するために2013年ごろから「光マイクロバブル」と呼ぶことにしました。

 なぜ、それを「光マイクロバブル」と呼んだ理由は、文字通り、マイクロバブルが光りを放つからであり、同時に、この光マイクロバブル技術によって、世の中の人々や産業に役立つ光となることをめざして命名した用語です。

 そこで、より厳密に、光マイクロバブルの定義を行っておきましょう。

 光マイクロバブルとは、「その発生時において1~65㎛(1/1000mm)の直径を有する極微細な気泡であり、その発生後は、自ら収縮していくマイクロバブル」のことです。

 このマイクロバブルが収縮するか、それとも反対に膨張するかによって、マイクロバブルの性質は大きく異なりますので、その自己収取運動は、重要な本質的現象ということができます。

 なぜなら、この自己収縮運動は、光マイクロバブルの優れた物理化学的特性を生み出すために、最初に起こる引き金となるものだからです。

 その理由は、これから順次詳しく、そしてやさしく解説していきますので、よろしくご配慮ください。

 換言すれば、光マイクロバブルとは、その発生時から、「自己収縮していくマイクロバブル」のことなのです。

光マイクロバブル水

 次に、光マイクロバブル水について解説しておきましょう。

 光マイクロバブル水とは、光マイクロバブルを大量に含む水のことです。

 この場合、時間的に以前に、すなわち「過去においてマイクロバブル大量発生させた水」も光マイクロバブル水ということにしています。

 この時間的以前、あるいは過去という用語は、それが数分前なのか、あるいは数時間、そして数日、数か月前なのかという問題が出現しますが、それらは、どの程度のマイクロバブルが残存しているかという問題にも関係しますので、ここでは、いずれも光マイクロバブル水に含めて考えてよいと定義しておきます。

 さて、液体としての水のなかで、気体としての光マイクロバブルが発生して、それがある時間含まれると、何が起こるのでしょうか?

 それは、光マイクロバブルではなく、他の装置において発生させられたマイクロバブルが水のなかに含まれることとは、どう異なるのでしょうか?

 この違いも重要ですので、後ほど詳しく解説することにしましょう。

 ここで、もうひとつ重要なことは、水の中で、光マイクロバブルが、どのような状態で存在しているのか、あるいは、存在し続けるのかという問題です。

 自分で収縮していくというのですから、それが収縮していくと、最後にはどうなってしまうのか、という疑問が当然のことながら湧いてきます。

 また、その収縮はなぜ起こるのか?

 さらには、その収縮して無くなるまでの時間、すなわち寿命は、どのくらいなのか?

 これらの疑問も湧いてきますね。

 こうなると、解らないことだらけになります。

 水のなかで光マイクロバブルが存在しているのであれば、そのマイクロバブルは、自らが小さくなったとはいえ、気体としての状態を維持しているはずです。

 たとえば、50㎛の気泡が、ある時間で10㎛へと収縮したとしましょうか。

 さらに、そのマイクロバブルを風船にしたと考えることにすると、それが、50㎛のサイズから10㎛へと変化した際の風船は、どうなっていくのでしょうか?

 もはや、きちんと風船の形を維持できているのでしょうか?

 それとも、その風船は割れてしまって形を無くしてしまったのでしょうか?

 ますます、複雑で疑問山積の道に迷い込んでしまいますね。

 これらをひとつひとつ、わかりやすく、そして意味があり、さらには価値ある解説を試みますので、どうか、よそろしくご関心を寄せていただきますと幸いです。

 光マイクロバブルを世に問うて、すでに四半世紀余が経過しました。

 これから、その経過を踏まえ、さらには、最新の成果も含めて、その解説の旅に分け入ることにしましょう。

 (つづく)

kiku