M君のハガキ
 昨日、大学時代の旧友M君からハガキが届きました。どうやら、年賀状がそっけない内容だったので、それに文句をいいたかったようでした。
 そして、その年賀状の出し方は、私が元気をなくしているのではないかと本気で心配していました。

 「どうか元気でやっているのか?自分は、まあまあ元気でやっている。地域で農業と仕事をしながら、少しは地域に役立ちたいと思っている。お前のことが心配だから、そちらに行ってもよい」

 かれらしい「言いたい放題」のことが書かれていました。

 どうやら、家内が、その年賀状に、

 「いつまでも、お元気で、活躍ください」

と、気を利かして書いたことが気に入らなかったようです。

 昔から、かれは、このように細やかなことに気を廻す習性を持っていました。

 そのせいか、かれの初恋の方の話を延々と、しかも幾度となく聞かされたことがあります。

 しかし、それは失恋に終わり、かれの想いは成就されませんでした。

 その後、別の女性(今の奥さん)と結婚しましたが、その奥さんと私の家内の名前が同じだったので、その意味でも「同志(かれが、よく使う言葉)」になることができました。

 しかし、かれの私に対する「同志」としての思いは痛いほど解りましたので、すぐに返事を書くことにしました。

 これによって、最近の私の思いと状況が解りますので、ここでは固有名詞他の部分を修正して参考までに掲載することにしました。

 以下、私の返事です。

拝復M殿

 拝復

本日、貴方らしい、ゆかいなハガキをいただきました。旧知の友へのご配慮に、厚く感謝申し上げます。この数年、姉、兄、家内の弟などが相次いで他界され、そのこともあって年賀状の送付を控えていました。

また、そのことを連絡せず、大変配慮に欠いたままで真に申し訳ありませんでした。そのため、今年の年賀状も、私は関与していませんでした。ご指摘のように思われたことについいても深くお詫びいたします。

さて私は、貴方の推察とはまったく反して、かなり充実した仕事と元気な生活を勤しんでいますので、心配無用です。

定年後、大分県国東市に移住し、足掛け9年が経過しました。

途中、68日間の入院生活をするなかで、心身ともに「生まれ変わる」ことを余儀なくされました。

右足が悪くなったことで、より頭のなかで考えることに比重が移ってきたようです。

そんななか、約3年前に株式会社ナノプラネットの代表取締役に就任し、さらに昨年からは、そこに大成研究所を発足させることにしました。

これによって、本研究所を基礎にした研究開発型企業を発展させることを本格的にめざして、今は、その途上にあります。

それゆえ、未だ現役のままで、これからも、このスタイルがしばらく続いていくことになりそうです。

折角のことですので、最近の取り組みを少々、紹介しておきましょう。

コロナパンデミックが世界と日本を覆い、数々の不幸が生まれています。

なかでも、コロナによる「ヘタレ込み」と「あきらめ」によって挫ける方々が少なくないようで、ますます深刻な状態に陥っていくのではないかと憂慮しています。

この深刻な社会の下で、この1年、何をどうすればよいのかに関する探究を試みてきました。

その結果、どんな小さなことであってもよいから足元にある自分の課題に真摯に取り組むことが大切であると思ってきました。

そして、そこに小さな真実を見出し、それが普遍的な真理を有するかどうかに注目してきました(ブログ「マイクロバブル博士の『マイクロバブル旅日記』」をご参照くだされば幸いです。2、3の記事を同封)。

その第1は、大分県N市の大きな整形外科病院及び同病品付属施設である介護老人保健センターと共同研究を行ってきたことについてです。

この共同研究は、第一期において光マイクロバブル介護浴装置を開発し、医療や介護の現場に用いられるようになりました。

また、この共同研究が縁となり、最近では、これに同市内の別の医院が加わって、その幅が広がってきました。

そのせいもあり、その共同研究を質的にも徐々に発展させる取り組みに至り、その成果を積み重ねています。

その結果、昨年から、その共同研究の第二期が開始されました。

この研究テーマは、2つの医院に共通したものであり、患部の精密洗浄を行うことなどが現場のニーズに則した重要な課題となっています。

さらに、昨年1月からはコロナ問題が出てきましたので、それも視野に入れながらのアプローチ法に関して、真に初歩的な段階ではありますが、その探究がなされています。


(つづく)。


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梅の花のつぼみ