知覚神経刺激をめぐって
最初の議論は、知覚神経刺激に関することでした。
近年、医学的研究の進展によって、何等かの知覚神経を刺激することによって、一種のタンパク質が形成され、それによって血管内の血流促進が起こるということが明らかになってきました。
そのことを電話とメイルの交換を通じでQ先生とかなりじっくりと討議することができました。
先生は、ある臓器の研究をなさっており、その刺激がもたらす血流促進作用によって、その臓器不全が改善するのではないかという仮説を持たれていました。
ーーー これは、おもしろい着眼点だ!
私も気になって、勉強してみたいと思っていたところ、丁度良いことにNHKBSで「人体」の特集番組があり、それを録画していましたので、それを契機に繰り返し見て、学習を深めたところでした。
これを運が良いといいますか、その学習の結果を踏まえて先生とより深い討議を行うことができました。
その最初のテーマが、知覚神経刺激とは何か、に関することでした。
周知のように、知覚神経とは、暑い、寒い、辛い、ここちよいなどの知覚を感じる神経のことであり、この刺激が脳に伝達されることによって、そのような知覚を脳が認知することができます。
この刺激を産み出す典型的物質が「カプサイシン」であり、胡椒のなかに、この物質が大量に含まれています。
胡椒がたくさん入ったラーメンを食べて、辛いといいながら、額の汗を拭くという動作を行なう光景をよく見かけますが、それは、そのカプサイシンが辛さを感じる知覚神経を刺激したことで、それが神経を通じて脳にまで伝達され、その防御策として汗を出せ、と脳が仕向けることによって起こる現象です。
それを踏まえると、カプサイシンに相当するものは、光マイクロバブルの場合において何が該当するのでしょうか?
単に小さな泡として光マイクロバブルでは、はたして汗を出させるほどの刺激を産み出すことができるのでしょうか?
この議論を通じて、最初に浮かび上がってきたのが、光マイクロバブルによる知覚神経刺激とは何かということであり、それを科学的に明らかにすることが重要であることで、互いの意見の一致が認められました。
複合的な知覚神経刺激作用
さて、ここで本題に戻りましょう。
そのかれが勤めていた日本で一番古い病院(大学)の先生から、メイルがナノプラネット研究所に届いていました。
そのA先生は、かねてより光マイクロバブル入浴を愛好されており、その素敵な作用効果を体験的に学習されていました。
かれからのメイルは、その体験を踏まえてのことだったようで、いろいろと尋ねたいことがあるので、電話をくださいという旨の依頼がなされていました。
このメイルが私の方に転送されてきましたので、それを読んで、次のように判断いたしました。
「ここは、なにかおもしろそうな予感を覚えて、私自身が直接電話をしてみよう!」
まずは、メイルの返信を出す前に、その依頼にしたがって直接電話をかけることにしました。
互いに簡単な挨拶を交わし、自然にかれが希望していることに関する議論が始まりました。
その最初のテーマは、光マイクロバブルによる知覚神経刺激に関することであり、それがある身体臓器に関係しているのではないかということでした。
そして、かれの話す内容から、その研究をもっと発展させたいという意向が明らかになってきました。
すでに、かれは、長い間光マイクロバブル入浴の良さを体験的に学習されていましたので、それを踏まえて、かれの研究をもっと本格的に発展させたいという意向のようでしたので、それが私の光マイクロバブル入浴の体験的学習観とほとんど一致していました。
ここに討論における共通の土台が確認できましたので、その土台の上にどのような社を建てるのかに関しては必然的に話が弾んでいくことになりました。
この討論は、電話を通してでしたが、じつにおもしろく、ゆかいなものでした。
この討論は、メイルと電話を利用して、数回を繰り返すことで、しだいに練り上げていくことが可能になりました。
その結論は、光マイクロバブルによる知覚神経刺激作用は、物理学的および化学的特性に基づく複合的なものであり、その実体をより詳しく究明していくことが重要である、ということに落ち着きました。
また、この議論は、その刺激によって、対象とする臓器の機能が、どのように改善されるのか、さらには、そのことをどのようにして計測するのかなどの問題へと波及していきました。
そして、これらの議論の結果を踏まえて、共同研究を発展させていくことになりました。
(つづく)
コメント