この季節になると、周囲の植物がみんな枯れてしまっているなかで、一際鮮やかに咲いているのが、ダイアモンドリリーです。

 たしか、この球根は、別府に住む姉からもらったと、家内がいっていました。

 この花言葉は「忍耐」だそうです。

 冬の寒さのなかで、耐え忍んで鮮やかな花弁を保っているからでしょうか。

 しかし、耐え忍んでいるのは花ばかりではありません。

 今では、日本と世界の多くのみなさんが、コロナ危機のなかで耐え忍び、辛酸を嘗(な)めています。

 そして、同時に、その危機は、世界中の激動を加速し、メガパラダイムシフトを誘起させています。

 海の向こうの大統領選挙では、これまで執拗に保たれてきた「新自由主義の秩序」の劣悪さ、破綻性が、凄まじい規模で顕わにされ続けており、それによって「The People」のみなさんの大規模な「覚醒」が始まっています。

 それは、冬の寒さのなかでも鮮やかな光彩を放ち続けているように見えます。

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ダイアモンドリリー


 すっかり、「新自由主義のぬるま湯」に浸ってきたメディアたちは、この大統領のおかしな言動を誇大宣伝して徒に非難をしてきましたが、かれには、それらがまったく通用しないことがありました。

 そのひとつが、自分の給料を年間1ドルだけもらい、残りはすべて教育機関に寄付していたことでした。

 次期大統領さんは、それを引き継ぐのでしょうか?

 また、その大統領に、まだ、それが確定される前から「エール」を送っていた「たたきあげの首相」さんは、どうでしょうか?

 1年間の給料を100円だけもらって、残りは子供たちの教育に使ってくれと、きっぱり提案されているでしょうか?

 今の世のなかでは、お金を持っていないと、必然的に「忍耐」を行うことを余儀なくされます。

 お金だけでなく、風習や偏見のなかで生き抜く際にも同じく、この「忍耐」が求められるようになります。

 かつて、一人の日本人が、その大統領の国に渡り、数々の偏見と「つまらぬ仕打ち」のなかで耐え忍び、粘り強く研究して立派な成果を出して、ノーベル賞の候補にまでなりました。

 その方が記したなかに「忍耐」という色紙がありました。

 その大統領の国で耐え忍び、そして自らの命が奪われてしまったアフリカにおいても、かれは耐え忍び続けたことでしょう。

 かれが、研究の頼みの綱としていたのが高性能の顕微鏡でしたが、それでは、かれが発見しようとした病原ウイルスは小さすぎて見えなかったのです。

 そのプレパラートの上には、きっと見つけたいウイルスが存在していたにもかかわらず、その顕微鏡の倍率では、その正体を見出すことができなかったのです。

 さぞかし、無念なことだったのでしょう。

 その時、かれには、「凱風」は吹かなかったのです。

 それから、じつに長い年月が経ちました。

 今では、新型コロナウイルスの正体を鮮やかに見せる高倍増度の顕微鏡ができています。

 また、大変興味深いことに、そのウイルスではない、今度の大統領選においては、「今だけ、金だけ、自分だけ」の厚かましい「新自由主義」に巣くっていた「ウイルス」さえも顕わにし始めました。

 それも、「The People」のすばらしい「忍耐」のおかげではないでしょうか。

 そう思うと、この花は、さらに鮮やかに観えてしまう、これは、私の気のせいでしょうか?

 「快晴の下、凱風よ、この花弁のなかを渡っていけ!」

 (つづく)