2021年を迎えて(3)

 2021年の正月3が日が明けてからの数日間で、新型コロナウイルス感染が急増し始めました。

 その典型が東京であり、この3日だけでも、2000人を超えています。

 7日:2447人
 8日:2392人
 9日:2268人

 この合計は、じつに、7107人という膨大な数になります。このままで推移すれば、おそらく1か月で10万人から10数万人の新規感染者が生まれることになるでしょう。

 とくに、この3日間の感染拡大傾向は、明らかに飛躍的な傾向(ジャンプ)を示しており、さらに感染拡大が質的に変化してきたことを表しています。

 この感染急拡大の傾向は、昨日838名の感染者を出した神奈川をはじめ、埼玉496人、千葉455人、大阪、福岡などの全国の大都市を持つ府県においても同一になっています。

 そして、昨日の全国における感染者数は7882名です。

 このうち、東京、神奈川、埼玉、千葉における感染者の合計は、4181人ですので、それは全国の感染者数の約53%に相当します。

 1都3県で約半数の感染者が出ている、これが今のコロナ状況です。

 「このまま、これまでの無策ぶりが継続していくと、今週後半には、東京で1000名、全国で4000~5000人の感染者が出現する可能性があります」

 これは、私が12月27日(日)に予測した数字ですが、それから2週間が経過した今では、これをはるかに超えてしまいました。

   おそらく、昨日からの非常事態宣言の効果は、ほとんど、この状態に対して歯止めをかけることが無理だと思われますので、さらに次の予測が可能となり、それが現実されていくのではないでしょうか。

 「このまま、これまでの無策ぶりが継続していくと、来週後半には、東京で3000~3500名、全国で10000~15000人の感染者が出現する可能性があります」

 さて、もう一つの注目点は、北海道と大阪の新規感染者数の推移の違いです。

 児玉龍彦先生によれば、北韓道は「観光地型」であり、一方の大阪は「エピセンター型」というタイプの相異があるそうです。

 前者は、他の地域から観光客が集まってきて感染が拡大した地域であり、それが無くなると感染者が減少していく現象です。

 これに対し、大阪には、根強い感染震源地(エピセンター)があり、この対策を怠っていたために、それがぶり返し、この数日間における急拡大を示しています。

 「大阪は、感染を押しとどめている」という府知事、市長の自慢は、もろくも消え去り、慌てて非常事態宣言地域への申し入れを行うという、真におかしな対応を余儀なくされました。

幹を切れ!

 その児玉龍彦先生は、昨日のデモクラタイムスのネット番組に登場し、エピセンターになっている幹を完全に根元から切らないと、この感染拡大を防ぐことはできいないことを強調されていました。

 その幹とは、東京の新宿をはじめとする4区に形成されているエピセンターであり、同じく大阪のミナミ地区のエピセンターのことです。

 この両地区の幹を根元から断ち切ることなしには、それらから感染拡大を起こしている現象を止めることはできない、これがかれの重要な指摘でした。
 
 さて、みなさん、このような科学的指摘を、政府やそこに集まった専門家たちが行っているでしょうか。

 そして、その指摘に基づいて対策を素早く実行すれば、コロナを撲滅できるという判断を示すことができているでしょうか。

 科学のすばらしさは、その考えの正しさを実証できる手段となり得ることにあります。

 ガリレオ・ガリレイは、大多数が地動説を唱えているなかで天動説を主張して囚われることになりました。

 ゲスナーは、大陸移動説を主張して、周囲から狂人扱いを受け、失意の下で死んでしまいました。

 このように、科学的実証においては、最初は常に少数であり、そのために勇気と情熱を持って、たとえ一人であっても、その難題に取り組み、その科学的手段を用いて、その難題をこじ開け、解決していくのです。

 ここに科学の醍醐味があり、やりがいがあるのです。

 何事にも恐れず、科学的実践を積み重ねていくことで、そこに光明が生まれてくるのであり、児玉先生のご指摘は、まさに暗闇の一隅に灯を点したことになるでしょう。

    その児玉先生が、仰られていた言葉が、私の心を揺さぶりました。

 それは、

 「研究(開発、筆者が追加)は情熱である!」

でした。

 情熱なくして、研究(開発)はできない、まさに名言です。

 昨今のメディアに出てくる専門家のみなさんは、この情熱を大切にしているでしょうか。

 どんな小さなことでも、そして些細な難題でも、それを真正面から突破(ブレイクスルー)していくには、一方ならぬ情熱が必要になります。

 この情熱があれば、それをバネにして粘り強い闘いができ、そのなかから、それをブレイクスルーしていく知恵が生まれてくるようになります。

 その細やかな事例を示しましょう。

2つの補助金を獲得

 3.2つの研究開発補助金による土台形成

 それは、コロナ下で採択を目指した研究開発補助金の申請でした。

 今日の研究開発においては、その財政基盤が整わないとほとんど何もできない、これが科学研究における最初の難題です。

 民間企業においては、それを積極的に確保しなければ、自動的に支給されるお金は一銭もありません。

 しかし、研究開発型企業をめざすには、この研究開発資金を確保することが最大の問題の一つになりますので、常に次の問題が問われることになります。

 ①研究開発補助金の採択を可能にするテーマと新規性、独創性、進歩性を有するか。

 ②その研究開発を成功させ、優れた商品開発にまで仕上げることができるか。

 ➂その商品開発によって、世の中をあっと言わせ、国民のみなさんから小さくない歓迎を受けるか。

 ④その歓迎によって、技術開発が技術イノベーションへ点火し、さらに社会イノベーションへと発展できるか。

 ⑤コロナ下における研究開発補助金であることから、その確かな対応が可能か。

 次回は、この5点について、より深く分け入ることにしましょう。

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ドイツの若手研究者からいただいた「くるみ割り人形」
 (つづく)