今年もハゼの実がたくさん実りました。

 冬の陽を受けて、一際鮮やかに見えました。

  このハゼは、玄関を出て前庭を通過すると、東に歩いて20、30歩のところに生えています。

 道路の突き当りにガードレールがあり、そのすぐ道端で大きな木になって育っています。

 近づくと、そこからは一気に下る谷が見え、果てしない森が広がっています。

 さらに、その向こうには豊後灘があります。

 いつも散歩の折には、この東の方に目をやり、海は見えないかと遠くを見渡しながら、ハゼの前を過ぎていきます。

 今年も立派に育って、その実が朽ちて落ちていくと谷を下っていくのでしょうか。

 その子孫たちの行方が気になります。

 さて2020年は、コロナで明け、コロナで終わりそうですね。

 世界中が音を立てて激しく変化しています。

 なんだか数年分を、この1年で過ごしてきたような気分です。

 このコロナのために少なくない友人がへたり込み、窮地に追いやられています。

 巷にも、このコロナの惨状が溢れかえっています。

 しかし、森の植物たちは、このハゼのように、その惨状に左右されず、たくさんの花を咲かせ、たわわに実を結んで年を越そうとしています。

 もう何千年も前から、この森の主人公たちは、このようにたわわに実を結ぶことによって恙(つつが)なく過ごしてきたのでしょう。

 これからの何千年も、きっとそうなのかもしれませんね。

 明日も、コロナのことを心配しながら、この前を過ぎていきましょう。

 (つづく)

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ハゼの実