「Go To中止」を決めた直後に

 昨日は、朝から寒い日で、大きな雪の粒が降っていました。

 この本格的な冬の到来によって、新型コロナウイルスはますます蔓延し、東京では過去最高の678名の新規感染者数が発生しました。

   政府の担当相は、11月下旬に緊急事態宣言を回避するには、「この3週間が正念場になる。集中的に対策を強化する」と語りました。

 その3週目を迎えた正念場の最中に、その要の首相が、高級料理店で8人という大人数でステーキを食べて忘年会をしていたことが報じられています。

 5人以上が集まって会食をすることは好ましくないと示唆してきたご当人が、このような節操のないことを自らしでかすのですから、お粗末もいいところですね。

 ご本人は「真摯に反省する」と述べたそうですが、これは、そのような反省だけで済むような問題ではありません。

 本当に恥ずかしいことをしでかして、真摯に反省したのであれば、しばらくは自らを「謹慎」させてはいかがですか。

 そして、この方は、少し前までは、決して「Go To」を中止させないといっておきながら、自らの内閣支持率が急激に低下し、毎日新聞の世論調査では、早くも不支持が支持を上回るようになりました。

 おそらく、足元に火が点き始めたことに驚き始めたからでしょうか。

 今度は一転して、それを中止することを決めました。

 しかし、ここでも非科学的で、見通しのない決定がなされました。

 それは、なんと、その中止を年末の28日に行うというものでした。

 「3週間が正念場」であるというのであれば、それを過ぎてからでは遅すぎることは誰の目にも明らかなことであり、メディアも一斉に「遅すぎるのではないか」と批判し始めています。

 なぜ、ただちに中止を行わないのでしょうか?

 「28日までに、新型コロナウイルスの感染者数はさらに増え、大変なことになる」、「これではコロナの蔓延のなかで年末と正月を過ぎすようになる」

 このような心配と危惧が、世間に溢れているではありませんか。

 本日は、東京で初の感染者700人超え、限界の重傷者100人への急接近、全国での感染者数3000~3500人に至ることが予想されます。

 おそらく、来週には、東京で800人超え、全国的には3500人超えが起こるでしょう。

 そして、「Go To」中止が始まる28日ごろには、東京で1000人、全国で4000人という感染者が出現する可能性すら危惧されるようになりました。

 こうなってから、ようやくの「Go To」の中止、しかし、それで感染者が減少することはなく、今度は、二回目の緊急事態宣言、東京オリンピックの中止宣言、さらには、それらの頓挫による挙句の果ての衆議院解散へと流れていくのではないでしょうか。

      PCR検査数から見えてきた低水準
 
 さて、新型コロナウイルス感染を検査する方法は「PCR検査」といわれています。

 この検査を広範囲に行い、その陽性者を追跡し、保護(隔離)することが、世界的に最も有効な方法といわれています。

 しかし、わが国では、その最初の段階で躓いており、そのPCR検査数の世界ランキングにおいて150位以上に低迷したままです。

 このランクは、いわゆる低開発国と同じ位置にあり、欧米の先進国とは際立って遅れた状況にあります。

 ニューヨークを訪れたあるジャーナリストが、ご自分の体験を語られていました。

 そこでは、誰でも、たとえ外国人であっても、無料でいつでもPCR検査を行うことができ、その方も検査をしてきたそうです。

 この検査時間はわずかに10分程度であり、翌日には、その結果が知らされるそうです。

 この検査がずっとなされてきたことから、ニューヨークにおける感染者の急増は抑えられたままで、アメリカの他の都市とは違う感染抑制がなされています。

 先日、中津の整形外科病院を訪ねた折に、そのPCR検査の代金が17000円もかかることを教えていただきました。

 国が自治体への補助を半分に限っていますので、自治体としては残りの半分の支出を考慮して、このような高額の検査料を設定しているのだと思います。

 世界の先進地においては、ニューヨークのように無料で、外国人に対しても検査可能にしているのに、日本では、それが高額の有料で、その検査数も増えないようになっているようです。

 すなわち、コロナのすべてに関わることが、世界のランキングでいえば150位以下の水準に留まっているのではないでしょうか。

 こう考えると、3週間が正念場といいながら、大勢でステーキを食べて忘年会に参加する首相がいても、おかしくはありません。

 あるいは、言葉遊びには熱中するが、科学的な新型コロナウイルス撲滅対策に情熱を注がず、東京の新型コロナウイルスのエピセンターから感染者が止めどもなく発生し、全国へ拡散されることに関して真正面から取り組もうとしない首都の知事がいることも不思議ではありません。

 かれらに共通していることは、どんなことをしても新型コロナウイルスを封じ込めるのだ、それが私の使命だ、そのためにはどんなことでも行う、という迸る情熱が認められないように思われます。


 果たして、私たちが住む国は、こんな水準でよいのでしょうか。

 新型コロナウイルスは、この「今だけ、金だけ、自分だけ」の恥ずかしい姿を鮮やかに浮き彫りにさせました。

 すなわち、3週間が正念場であると放言しておきながら、「今だけでステーキを食べ」、「そのために5万円も出して」、「8人の忘年会に自分だけ参加して」、それを批判されると、慌てて「真摯に反省した」という低水準で、この高度に発達した資本主義の社会を運営できるのでしょうか?

 この憂国の本質をしっかり考える必要がありますね。
 
 (つづく)

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ミモザ(大成研究所の前庭)