生きていたスズキ
昨日、家内が国東安岐港の魚の競りにいってきて、生きていたスズキを格安で買ってきました。
スズキは、もともと夏の魚ですので、この時期はあまりおいしくないから、煮て食べるとよいと仲買の人にいわれたそうです。
競り値で、このスズキが200円、仲買の追加と消費税で280円で購入したそうです。
「このスズキ、どう料理しましょうか?」
と尋ねられ、鍋物が一番良いのではないかと答えておきました。
なぜ、この時期のスズキがおいしくないのか、わかないままでしたが、生きていた新鮮なスズキでしたので、しゃぶしゃぶ風にして食べるのがよいのではないかと思いました。
その大きなスズキを示しましょう。
体調55㎝もある立派なスズキです。
これが300円弱で買えたのですから、お得の「お買い物」といえます。
ーーー きっと鍋で食べるとおいしいだろう。今夜は、きっと良い鍋料理になるのであろう。
と思っていたら、そのスズキを捌いていた家内が尋ねてきました。
スズキの白子
「こんなものが出てきましたが、これはどうやって食べるのですか?」
それを見ると、スズキの肝と大きな白子(卵巣)がありました。
「それは、鍋に入れるとよいですよ。白子があった、これは大変な儲けものだよ!」
この白子を見て、あまりにもうれしく思ってしまい、その詳しい食べ方をいわなかったことが迂闊でした。
スズキの白子をいただくのは、これで2回目、
「もうあんなにおいしいものを食べることはできないかもしれない」
と思っていましたので、
「これは、なんと幸運なことか!」
と小躍りする気分になりました。
さて、店頭に出された生シイタケは、その収穫の際に余ったもので、大きさもさまざまで、それゆえに、非常に格安で売られています。
生シイタケをふんだんにいただけるようになってのは、この国東に来てからのことであり、これも国東ならではの特典といってもよいでしょう。
さて、そのスズキの鍋が食卓に上がり、家族団らんでいただくことにしました。
その鍋には、スズキの粗や頭が入れられていましたので、しっかりした味の汁が出来上がっていました。
その傍には、半身を刺身にしたものがありましたので、まずは、それを摘まんでしゃぶしゃぶのように湯引きしていただきました。
ーーー すこしも、まずいところはない。むしろあっさりしていておいしい。これは鍋料理にして正解だ!
と思いました。
しかし、その刺身の傍には、目当ての白子がありません。
「あの白子はどうしたの?」
「全部鍋に入れましたよ」
このような返事があり、少々後悔しました。
ーーー そうか、刺身と一緒にしてしゃぶしゃぶ形式で食べるといっていなかったので、そのまま鍋に入れてしまったのか!
それからは、宝探しのように鍋の底にあるはずの白子を探し始めました。
聞くところによると、この大きな白子を7分割して鍋に入れたそうでした。
ようやく、その一つが見つかりました。
同じ鍋の中に、しろい豆腐と同じく白いスズキの身も入っていましたので、それらを見分けながら、白子が煮崩れをしていないことを願っての執拗な探索を行いました。
ーーー あった!まったく煮崩れはしていない。
そのままの白子が見えてきて一安心。
ワクワクしながら、それを賞味しました。
10数年前に、ドイツからやってこられた大切な先生を迎えたときに、このスズキの白子を鍋でいただいたときの味を思い出しました。
ーーー これは、フグの白子の味によく似ているが、それ以上においしい味だ!東北地方でよく出てくるタラの白子よりもはるかに上品な味がする!
この味に10数年ぶりに出会って感激しました。
白子の2つ目と3つ目は、家内が娘の皿のなかにいれ、4つ目は家内が食べました。
残りは3切れ、それらを探して5つ目と6つ目をゲット、再び、感激に酔いしれました。
ーーー 最後の一切れが、鍋のどこかにあるはずだが、明日の朝にいただくことにしよう。
わずか、280円で購入したスズキのなかに、この宝物が入っていたとは、なんと幸運なことかと思いました。
その幸運は、次のようにしてもたらされました。
①家内が、競りに行って、誰も買わないスズキを格安で購入した。
②そのスズキを鍋で食べようと勧めた。
➂捌いたスズキが白子を持っていた。
④鍋料理で、白子をたべようとした。
ネットで調べてみると、スズキの産卵は冬場だそうで、その産卵をすると味が落ちると思われがちですが、どうやら仲買の方がいわれていたことは、そうでもなく、立派に冬でもおいしい、これが本当のようです。
スズキの旬は夏ですが、冬でもおいしい、とくに白子はおいしいことを改めて知りました。
今度、市場で冬のスズキを見かけたら真っ先にゲットすることにしましょう。
(つづく)
コメント