秋の幸

 秋も深まり、店頭に生シイタケが出てきました。

 ここ国東半島は、シイタケの名産地です。

 同じ大分県では、竹田市に近い山間部の大野とともに二大名産地の一つです。

 とくに、国東のシイタケは、「どんこ」と呼ばれる丸みを帯びたものが有名です。

 その生のおいしいシイタケが、格安で買える、これが国東の特典です。

 「シイタケをどのようにして食べますか?」

 「そうだね、生だから、そのまま塩焼きにしたらどうかね!」

 夕食に、この新鮮そのものの焼きシイタケが出てきました。

 見るからにおいしそうでした。

 これを少々のワインとともにいただきました。

ーーー こんなにたくさん食べてよいのだろうか?

 こう心配しながらも、箸はどんどん進んでいきました。
 
siitake
生シイタケ

 立派なシイタケです。この新鮮な生シイタケがたくさん入っていて、なんと230円と格安であることも素敵ですね。

 「やはり、旬の生シイタケは格別だね!本当においしいよ」

 「そうですか。それはよかった」

 ここ国東半島は、国連から世界農業遺産に認定されていますが、その理由のひとつが、このシイタケを育てているクヌギの林群なのです。
 
 昔のままの森が健在であり、水もきれいでおいしい、それらによって涵養されているのが、このシイタケですから、この格別のおいしさは、その自然のすばらしさの証明でもあるのです。

 購入したシイタケは二袋、おそらく、その一袋が残っているはずですので、それを細く切ってソテーにしていただくのもよいですね。
 
 生シイタケは秋の楽しみ、国東の山の幸に感謝しながらいただきました。

 (つづく)