お隣のMさん

 いつもお隣のMさんが、「お裾分け」といって珍しいものを持ってきてくださっています。

 かれは、野菜づくりにも秀でていて、ご自分の庭に小さな菜園を作りました。

 いつも散歩におりに気になって野菜の出来栄えを観察していますが、立派に野菜が育っていて目を麗してくれます。

ーーー こんなによく育つものか、さすが、野菜づくりのベテランには敵わない!

と感心して通り過ぎます。

 そのMさんの奥様から、家内がよく育った大葉をたくさんいただいてきました。

 葉っぱも大きくなり、実がたくさん生っていました。

 これを取って塩漬けにしたらよいと教わったそうです。

 塩気と香り、歯ごたえがよく、これを熱々のご飯にかけてたべると、最高水準の料理になります。

 私の母は、これを醤油漬けにしていました。

 親戚の友と一緒になって、これを冷ご飯にかけて何杯も食べ、お櫃(ひつ)の米を平らげてしまったことが記憶が残っています。

 その大葉の実の様子を写真で示しておきましょう。

 たわわに、たくさん実っています。

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                 大葉の実

 早速、この一部を摘み取って塩漬けにしたようで、まもなく、それをいただくことができるでしょう。

 楽しみですね。

 大葉といえば、以前に、かなりおもしろい実験を行ったことがあります。

 そのことを思い出して、いただいた実を乾燥させて種にすることを思い立ちました。

 「来年は、これを種にして、こちらでも大葉を自家栽培してみようか?」

 「いいですね。ぜひ、お願いします。あの大葉の味は忘れることができません。もう一度食べたいです」

 「そうだね。あの味は格別だったね」

 いろいろと忙しすぎて、緑砦館の作業にまで手が周らなくなってしまっていることを反省しました。

 自分や家族の健康のためにも、自家製の無農薬栽培の野菜を確保できるようになるとよいですね。

野菜パラダイムシフト

 コロナショックによって、世界的に大きなパラダイムシフトが起こり始めた最初の現象が、自家製菜園を持つことでした。

 「いずれ、食料が確保できなくなる日がやって来る、自分で安全な野菜を確保し、食べていけるようにしよう」

 このような思いに至ったことは、ある意味で当然で自然なことといえます。

 おそらく、このパラダイムシフトの流れは、もっと大きくなり、速さを増していくのではないかと推測しています。

 だれもが、安全で新鮮、格別においしい野菜を食べて、健康力を養う、この時代がやって来てほしいと願っています。
 
 これが、家庭規模における切実なニーズであり、この小さな流れが大河の形成に向かうと地球規模のニーズへとシフトしていく、すでに、その変化が始っているのかもしれませんね。

 大葉の塩漬けをご飯に振りかけておいしくいただきながら、ふと、そんなことが私の脳裏を過っていきました。

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                  大葉の実の塩漬け
 (つづく)