ロハスとは、「Lifestyles Of Health And Sustainability」の略称のことです。

 本日は、前記事に続いて、福岡伸一著『ロハスの思考』における「水について考える」について、さらに考察を重ねましょう。

           水について考える

 よい水をたくさん摂取する、その水は、体内を流れ、汗や尿として体外に流出していく、

 この流れの形成が重要である、これがかれの結論でした。

    そして、生命体による「細胞の組織化」、「エネルギーの産生」、「酸化されたものを還元する」、「傷ついたDNAの修復」という重要なキーワードが示されていました。

 これらに関係して、前回の記事において、次の言及を行いましたので、ここでは、より深い考察を試みましょう。

 ①「細胞の組織化」➡細胞の蘇生、再生、増殖促進、生命体の成長促進、進化

 たとえば植物のことを考えると、周知のように、植物は光合成によって細胞を増やしていくことで成長を遂げていきます。

 根からは、栄養と水を汲み上げ、茎から葉へと輸送され、そこで光と二酸化炭素を利用して有機物が生成されます。

 この時、汲み上げやすい水、細胞内に浸透しやすい水、葉っぱから蒸散しやすい水であることが好ましいといえます。

 ②「エネルギーの産生」➡細胞の活性、活動の向上、パワフルになる➡上記①の促進

 このエネルギーの産生の源は水素イオンであり、その多少によって、細胞における光合成の進行にも小さくない影響を与えます。

 この水素イオンと電子の流れが重要であり、それを制御できるかどうか、ここが核心的問題といえます。

 ③「酸化されたものを還元する」➡上記①と②の促進、生命体の蘇生と進化

 生命体の酸化、これは避けることができない自然の現象です。

 それに逆らって、元に戻す、これが還元作用ですが、何か特別のエネルギーを産み出す工夫がないと、その作用を十分に発揮させることはできません。

 ④「傷ついたDNAの修復」➡病気改善、若返り、上記①~③の促進、生命体の蘇生と進化

 この酸化から還元に向かう流れの新たな形成が重要であり、この作用を実現するには、エントロピーを増大させるのではなく、逆に、それを減少させることが求められます。

 すなわち、エントロピーを減少させる知恵と工夫が必要であり、それを技術として確立していくことが究極的に求められています。

 これによって、生命体の蘇生が可能になり、病気の改善や若返りがなされる流れになっていくように思われます。 

よい水とは

 それゆえに、よい水をたくさん飲むことが重要なのです。

 よい水、すなわち「スローな水」は、次の特徴を有しているように思われます。

 ①不純物や汚れが含まれず、ミネラルや酸素が豊富である。

 ②生命体が吸収しやすい。

 汚れや分子数の大きい物質が含まれていると、あるいはそれらが群体化していると吸収しにくくなる。

 ③細胞内に浸透しやすい。細胞内には、小さい水が浸透していく小さい孔があり、そこを通過しやすい水がよい。

 ④蒸発しやすい。

 これが活発な光合成に役立つ。

 これらは、水に関して福岡先生の見解をさらに進めてみたことに結びつきますが、このような新たな流れの形成は、ますます還元側に動くという問題でもありますので、きっと興味を持ってくださるのではないかと思います。

 次回は、人体において最も精巧な腎臓のエントロピー増大機能についてより深く分け入ることにしましょう。

 (つづく)

kyodainaha
            桐の葉か?(葉っぱが30㎝以上でした)