少し早めに

 8月も後半を迎え、私が住む国東市向陽台には、早くも秋の訪れの気配が漂ってきました。

 今年の夏は、大成研究所の前庭にたくさんの高砂百合が咲きました。

 その数は数十本、昨年秋に家内が、この百合の種をあちこちに撒いたからだそうです。

 おかげで美しい高砂百合の園ができあがりました。

 先発組は、かなり枯れてきましたが、その後発組はいまだきれいに咲き匂って白の彩を豊かにしています。

 とくに、朝日を受けた高砂百合は清々しく、爽やかです。

 この前庭の高砂百合の彩を境にして小さい秋がやってきました。

 ここは海抜40m、周囲は広大な森の自然に囲まれていますので、それが自然を涵養し、その早い訪問を実現させています。

 朝夕は涼しく、エアコンが必要になるのは日中だけになっています。

 その2020年の晩夏を彩る高砂百合を先ほど撮影しましたので、その朝陽を受けた姿を示しておきましょう。

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高砂百合

    今年の盛夏を飾ってくれた高砂百合の花も、その役割を終えたようで、花から結実へと向かっています。

 一方で、お盆帰りの7割の移動を停止させたコロナの方は、未だ盛況のようで、沖縄、大阪、東京、愛知などを中心に多数の新規感染者の報告が続いています。

 当初は、夏になると治まるとしきりにいわれていたのですが、それは、非科学的な「甘い見通し」でしかありませんでした。

 それは、秋冬を迎えている南半球で大流行し、それが北半球の秋冬場へと移行してくると予想されていました。

 100年前のスペイン風邪の時がそうだったので、それと同じ現象を類推しての予想でした。

 しかし、そのウイルスは100年の間に進化して、いわゆる未知のウイルスへと変化していました。

 この変化は、世界中で移動しながら起こるとともに、それぞれに地域に土着しながらさらに進化するという様相を示し始めました。

 これが、児玉龍彦東大名誉教授が発見された「東京型」、「埼玉型」などと呼ばれるウイルスです。

 このような日本型進化の情報は、非常に重要なことですが、これを率先して政府関係の専門家が発表しなければならないのですが、実際には、相当に遅れてからの発表が続いており、その消極的な対応が、さらに有効な対策の遅れを招いているように思われます。

 また、実体経済は、さらに落ち込み、4~6月のGDPはマイナス27.8%という最悪の数値となりました。

 これは、IMFが6月下旬に報告した「シナリオ2」の結果とほぼ一致しており、当初の4月時点でのV字回復を予想していた「シナリオ1」の可能性はほぼなくなってしまいました。

 「コロナは大したことではない」、「すぐにV字回復する」といってきて、目の前に迫っている難局を何もせずに回避してきた方々にとっては、大変な落胆をもたらすGDP値だったのです。

 これでは、ますます「へたれこみ」、「あきらめ」が広がっていきそうです。

 このコロナショックを迎えて、アメリカのFRBは、約300兆円の資金貸し出しを行いました。

 しかし、それ以上の貸し出しは行わず、むしろその貸し出しを減らす方向に動いています。

 それは、ハイパーインフレーションが発生することを恐れてのことですが、もう一つの理由は、危ない株などの金融商品は、個人や投資機関に任せてリスクを回避する動きを見せていることです。

 実体経済における未曾有の落ち込みと停滞によって、そこには期待が少しもできないことから、頼ることができるのは株だけになりました。

 「架空の株頼み」、これによって、株価は、ほぼ元に戻りました。

 明らかな「株バブル」であり、これから、そう遅くない時期に、そのバブル崩壊へと向かっていくでしょう。
          今月のガイダンス

 今月も、コロナ関係の記事が主となりました。

 1)「徒然に光マイクロバブル・新型コロナウイルス」

 2)「ウルトラ・パラダイムシフト(3950回記念)」
 
 3)「超高齢化社会を生き抜くために(3900回記念)」

 4)感染症時代における光マイクロバブルの思考(4000回記念)

 5)イデオロギー好きの国民性と科学の受容(4050回記念)
 
 これらの執筆を何とか熟すなかで、コロナショックに関する多様な学習と究明がやや進んできたと思うようになりました。

 むずかしいことをやさしく、やさしいことをおもしろく、この井上ひさしさんの名言を噛みしめながらの執筆を行っています。

 世界中で今尚猛威を振るい、衰えを見せないウイルスですので、それが長く続くことを覚悟しての考察を重ねてきたことが小さくない意味を持っていたことが判明しつつあります。

 この活動は、当然のことながら文筆作業に終始するものではなく、そして一人で孤軍奮闘するものでもありません。

 ここは、新たな行動を起こす時期が来ていると判断して、より幅広く共同研究の輪を広げていくことを考えました。

 まずは、心当たりの知人からと思い、2、3に内々の打診を行いました。

 このような新規の取り組みを行う場合、その呼びかける側において迷いや信念の揺らぎがあってはいけません。

 また、強引に行うことも禁物であり、可能なところから緩やかに、そして自由に、さらには各人のプラス思考を誘起させ、それらを共鳴させていくことが重要です。

 すでに、私どもは、2011年の東日本大震災復興支援プログラムにおいて、その組織化の方法を学びました。

 最初は、私と相棒の二人のみの出発でしたが、徐々に協力者が増え続け、よい取り組みとなり、国内の学会や外国の方々からも注目されることになりました。

 ここで重要なことは、未曾有のコロナショックを前にして、その共同研究を呼びかける側が、少しもたじろぐことがないようにし、そして、その信念においてぶれがないないようにすることです。

 慌てず、急がず、そして着実にコロナプロジェクトを発足・発展させていくことが重要です。

 そのプロジェクト化は、連載の「高専の未来図・技術開発とは何か」にも関係しています。

 新型コロナウイルス感染問題を解決していく有効な手段のひとつが、「新技術」です。

 毎日のコロナ情報からは、真に多くのニーズを探し出すことができます。

 その様は、ニーズの宝庫といってよく、そこから何をすればよいのか、を考え続けることができます。

 その意味で、この連載における探究は、ますます重要になっていくのではないかと推察しています。

 同じく、長期連載中の「ユッツ」は楽しく執筆できる記事です。

 最近は我が家によく遊びにくるようになり、ユッツとの寛ぎの時間をゆかいに思っています。

 保育園に通い始めてから、風邪などをもらってくることが多くなりました。

 この経験を通じて免疫性を養っていくのですね。

 来月で2歳になりますが、その成長ぶりを逐次報告していくことにしましょう。

 
(つづく)

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ユッツ