「大成研究所」に関する続報を記載します。

                当面の研究開発課題について

 

この度、㈱ナノプラネット内に付属施設として「大成研究所」を設置いたしました。これから長く続くことが予想される「感染症の時代」を迎えているなかで、本研究所における「当面の課題」を以下に示します。 

1)医学・福祉学・歯学における共同研究を発展させる
 新型コロナウイルス感染が大流行しているなかで、近い将来において襲来が予想されている「第二波」、「第三波」に備えて、光マイクロバブル技術の可能なかぎりにおいて適用問題を検討いたします。

この研究開発においては、現在のところは、新型コロナウイルスに関する直接的な研究施設や研究装置、評価装置などにおいて十分な設備を持っていないことから、各種細菌や極小微生物などを対象にして光マイクロバブルの作用効果に関する基礎的研究開発を行います。 
 すなわち、外側から内側に迫っていくアプローチの方法です。

この研究開発においては、地元の病院や歯科医とすでに行っている共同研究を持続的に発展させていくことを基本とします。
 下に、これまでの光マイクロバブル技術の発展樹状図を示します。

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光マイクロバブル技術の発展樹状図

 (2)近い将来において危惧される食料危機に備える

新型コロナウイルスの感染が大流行(パンデミック)するなかで、世界各国における経済が停滞し、その様は恐慌(パニック)から大恐慌へ発展する様相を示し始めています。

20206月、世界通貨基金(IMF)は、新たな調査報告書を明らかにし、20204月時点における経済予測値よりも、さらに悪化すると報告しています。

それによれば、世界のGDPは、二か月前として比較して、さらに減少しマイナス4.9%にまで達することが予想されています。この減少値は、先のリーマンショックにおけるGDP減少値と比較して約50倍になるそうです。

また、新型コロナウイルス感染は第一波のみで治まる気配はなく、第二波の襲来の可能性がますます強まっていると分析されています。
 この場合、当初予定されて世界経済にV字回復の可能性はほとんどなくなり、長期にわたってGDPの回復を遅らせ、それによって巨大な政府債務が発生すると予測されています。

このコロナ感染と経済不況のなかで、世界各国において食料危機の到来が危ぶまれるようになりました。

中国における大洪水、東アフリカからインドまでに至る砂漠飛びバッタの大発生、わが国においては、中国人による農業研修生が皆無になり、農業の有力な働き手がいなくなりました。

これらは、近いうちに訪れるであろう「食料危機」の引き金になる可能性が高まっていることを示唆しています。

このような不安のなかで、世界中の人々の多くが、自分で菜園を持つようになり、「自分で育て、自分で食べる」という自活の動きが始まっています。

これらを背景にして、来る「食料危機」の襲来に備えて、消費者においては「自分で育て、自分で食べる」ことができるようにする、また農家においては「自分で育てて、自分で売る」ことによって、ますます、その生産性を高め、同時に採算性も確保できる小型の「植物栽培装置」や家族経営が十分に可能な「植物工場」の開発がますます重要になっています。

これらの装置開発において、とくに重要なことは、小規模であっても、そして消費者や農家であっても、無農薬低肥料で安全安心、旨さ抜群の高品質性を有する野菜を栽培し、その生産性と採算性を確保できるようにすることです。

すでに、私どもは、沖縄恩納村において4750℃前後の高温下においても立派にグリーンレタスを栽培できることを、地元の業者と協力して実証してきました。
 また、南アジアのある国においては、この光マイクロバブル栽培技術を発展させて、より高度で高品質の野菜栽培技術の開発を行っています。

これらの実績におけるノウハウを集約し、小型の野菜栽培装置の新開発をめざすことにしました。
 また、この新開発においては、企業のみなさんと協力共同して、新たな事業を行うことになりました。
 これらの事業を踏まえて、新たな光マイクロバブル野菜栽培装置の開発を持続的に発展させていくことが重要です。

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               沖縄恩納村における光マイクロバブル植物工場
              (47~50℃の高温でも立派にレタスが育っています)

 

3)高性能の水質浄化装置で海水をきれいにする

ある企業からの依頼を受け、高性能の海水水質浄化装置を開発しています。

現在の海用水の汚れは深刻であり、この浄化は世界的課題となっています。
 人間が便利さを追求してきたあまり、その付けが海用水の汚れやそこに棲息する生物に障碍を与えるまでの深刻さが生まれています。

汚れた海を簡単で安価な方法を用いて、高効率の水質浄化を行う新たな開発が緊急に求められています。
 これには、光マイクロバブルの優れた特徴を最高度に引き出す知恵と工夫が求められています。

本技術の成果を梃にして、各種の新たな水質浄化装置の開発の展望を切り拓いていく所存です。 

以上、当面する3つの課題を示しましたが、本研究所に置かる開発課題は、これらに留まるものではありません。残りの課題については、順次報告いたします。

 

4)大成研究所の目的

本研究所の目的は、第1にみなさまの切実なニーズに深く根ざして、その洗練された本物技術の開発をめざすことにあります。そこでは、優れた光マイクロバブル技術における最高水準の適用を行うことが必要です。

第2に、上記の当面の課題だけでなく、中長期の課題についても、その解決と展望を明らかにします。なかでも、光マイクロバブル技術戦略に基づく開発プロセスとその展望を明らかにしていくことが重要です。

第3に、これらの研究開発においては、企業や地域のみなさんの協力と支援を受けて共同を進めることを基本にしています。
 すでに、このような協力共同をこれまでにおいて遂行してきていますので、そのノウハウも活用していきたいと思います。
 光マイクロバブル技術を少なくないみなさんと実践的に発展させていく、これが本研究所の基本原則です。

今日、新型コロナウイルスのパンデミックと大恐慌(パニック)のもとで、多くのみなさんが希望を失いかけています。
 この難局を乗り越え、大海原を渡る風になるための切り札のひとつが、光マイクロバブルの新技術だと思います。

本研究所は、その中核的拠点のひとつとなることをめざしますので、どうかご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

2020714
㈱ナノプラネット・大成研究所 所長 大成博文