今回も、WEB会議を含めたゼミナールが開催されました。

 最初の話題提供は、YO氏による「動的平衡理論」の紹介でした。

 これは、福岡伸一さんによって「生物における動的平衡論」として説かれました。

 この生物における動的平衡とは、生物の体内において、生物的な代謝を通じて常に分解と体内組織の再構成がなされていることを意味しています。

 これによって、ダイナミックな生命活動がみごとに説明される、真に画期的な理論構築がなされています。

 これらの説明がなされた後に、「マイクロバブルの動的平衡」について熱心な議論が交わされました。

 マイクロバブルの動的挙動については、その実体から容易に説明できますが、マイクロバブルの平衡とは何かに関しては、さまざまな見解がありました。

 結局、この理論の検討が未だ浅いこともあって、より深まるには至らず、今後さらに詳しく検討することになりました。

 2つ目は、Sさんによって、この度の大分県による「ものづくり中小企業コロナ危機対応再興支援事業費補助金」の説明がなされました。

 この補助金は、まず、地元自治体においてコロナ危機において売り上げが減少した企業であることを証明していただく必要がありました。

 その認定を受けた後に、この再興計画を認定団体によって認定していただくことによって、取り扱い団体である県工業連合会に申請するという方式です。

 ここで審査を受けて、認証された暁に補助金が交付されます。

 Sさんの職場において、この再興計画の認定が可能だったそうで、その件もあって、この説明がありました。

 しかし、私どもは、この申請書を書き上げ、地元の商工会に、この認定を受けることをお願いした後でしたので、Sさんの機関に、その認定をお願いすることができませんでした。

 こちらの動きが電光石火のように速かったので、Sさんは驚かれたようでした。

 3つめの話題提供は、私によって行われました。

 そのテーマは、「ウルトラ・パニンデミックの発達」でした。

 冒頭で示したスライドを示しておきましょう。
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 これらは、最近、コロナパンデミックとパニックにおけるトピックスを並べたものです。

 依然、新型コロナウイルス感染が世界中で増加し続けています。

 そのなかで経済活動も重要であることから、コロナ感染とコロナ経済が互いにきしみ合っていることが示されました。

 次の「日本は、マスクのブラジル」は、新型コロナウイルス感染者に対して現場で診療を行っているK医師が仰ったことです。

 ブラジルではマスクをしない人が多く、膨大な感染者と死者が発生しているのに対し、日本では、ほとんどの人々がマスクをしているが、この間の東京における新型コロナウイルス感染者の急増は、ブラジルのようになってしまうのではないかという意味で、この名言を仰ったのでした。

 経済の問題では、二番底問題が指摘されるようになり、ますます恐慌が深まっています。

 この大恐慌に関する重要な調査報告が6月末にIMFから明らかにされました。

 この報告は、4月になされた結果を踏まえ、それがより一層悪化して、世界経済における急速なV字回復の可能性はほとんどなく、むしろ長い時間を要して緩やかに回復していくのではないかという主旨の方向性が示されていました。

 具体的には、シナリオ1とシナリオ2で区別され、前者では、新型コロナウイルス感染が治まってV字回復がなされるというもので、後者では、新型コロナウイルス感染の第二波が到来して、経済的落ち込みが深刻になり、そこからの回復にはかなり長い時間を要することを示されていました。

 新型コロナウイルス感染の大流行によって世界のGDPにおける今年度の低下は、4月で-3%だったのが、6月では-4.9%と予測されています。

 先のリーマンショックの際のGDPの低下はわずかに-0.1%だったのに対し、今回は-4.9%ですから、その倍率は、じつに50倍にまで達するというのですから、これは深刻です。

 しかもリーマンショックの時には、中国と新興国のGDPが大きくプラスでしたので、それらが先進国の落ち込みをカバーしました。

 ところが、今回のコロナショックにおいては、この中国と新興国の経済発展が期待されないことから、それも不安要因になっています。

 このGDPの大幅な落ち込みは、世界各国において政府債務が大幅に膨らんでいくことを派生させますので、それらが明確に数値的に予測されていました。

 この報告を受けて、議論に入ると、このようなIMFの報告をもっと広く明らかにする必要があるのではないか、この報告はわかりやすかったという意見がありました。

 この深刻な経済的落ち込みを覚悟して、個々人がどのようなコロナ対応をすればよいのかについても活発な意見交換がなされました。
 
 その後、本セミナーを終えた後も、個々人で議論が続いてなされていました。

 次回の第32回ナノプラネットゼミは、8月8日(土)9時30分から、大成研究所セミナー室開催される予定です。

 日時が確定しましたら、再度案内を申し上げます(つづく)

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