とうとう恐れていたことが起き始めましたね。

 東京都における昨日の新型コロナウイルス感染者数は67名でした。

 この数日間、50名を超えた日が続いていましたので、これがより増え始めるのは時間の問題だと思っていました。

 その予測の手本は、3月の時点での東京の新型コロナウイルス感染者の増加傾向でした。

 新型コロナウイルス感染は、ある意味で自然現象ですので、人間が油断すると、自然に増加傾向を辿ります。

 ここ数日間が50名を超え、昨日が67名であり、本日は、それが105名になりました。

 しかも、その発表が15時過ぎなのに、なぜか、本日は12時過ぎでした。

 この緊急速報を告げたテレビ局のキャスターが不思議がっていました。

 おそらく、まだ感染者数の増加が見込まれていたからでしょうか、夕方には最終数字が出て新感染者数は107名という高い数字になりました。

 これまで、政府の担当相や都知事は、「これは第二波ではない」と訳の分からないことをいっていましたが、もはや、これが第二波かどうかはどうでもよく、現実として第一波によく似た増加特性を示し、それが105名という深刻な数値を示したわけで、これが、さまざまな事柄に重要な影響を与える現象になっています。

 皮肉なことに、その発表の時には胸を張って「東京アラート」なるものを打ち出したわけですが、それを姑息にもそっと引き下げた矢先に、この新型コロナウイルス感染の急増が起きてしまいました。

 コロナは、都知事や政府の思惑や願望に添って忠実には動きませんので、それを「よいしょ」する方々は、その105名の発表を耳にして咄嗟の動揺を隠すことができませんでした。

 ある政治記者やテレビのキャスターは、ショックのあまり、何をいっているのかわからないほどの狼狽えぶりでした。

 もはや、この事態を真正面から受け止め、すぐに対策を講じないと自分の身が危うくなる、首都東京が再びコロナショックを受ける、こう狼狽しながら思っていたはずです。

 しかも、さらに深刻なことは、「東京発」、「東京由来」で神奈川、埼玉、千葉の各県において新型コロナウイルス感染者が再び増え始めていることです。

 本日も、東京以外のこれらの県において数十名の新規感染者が出現しています。

 東京における新型コロナウイルス感染者の増加が引き金となり、それらの隣県において、その増加を再発させる、そしてその隣県だけではなく、各種の交通手段を通じて全国にそれが拡大していく恐れがあります。

 政府は、なぜ国の中心である首都において、そのコロナ対策を集中的に行わないのでしょうか。

 東京都は、積立金1兆円余の大半を使い果たし、残り900億円余となり、身動きが取れなくなりました。

 そのため、威勢よく胸を張って警鐘を鳴らした「東京アラート」を再び点灯させて、再び自粛に備えた補償を行うことができなくなり、一回きりの点灯で終わってしまったのです。

 しかし、予算が無くなってしまった東京都とは違って、国には10兆円の予備費があります。

 たちまちは、その半分を使ってでも、東京都と隣県のコロナ対策を集中的に施し、保証もきちんと行うという方式の適用が重要ではないでしょうか。

 その中身は、PCRと精密抗体検査を大規模に行い、感染者を隔離するとともに、その病院治療体制を幾重にも整備していくことです。

 もうひとつ気になる重要な解明があります。

 それは、児玉龍彦東大名誉教授が昨日ネット番組(デモクラシータイムス)で明らかにされ、新型コロナウイルスが変位して「東京型」や「埼玉型」が出現していることでした。

 この変位した新型コロナウイルスの発生に関しては、ほとんどの関係機関における指摘がなく、これを放置すると非常な危険な状態に東京や日本が陥ってしまう恐れがあることが指摘されていました。

 前回の記事においても示しましたが、

 
「このままだと、東京が危ない、日本が危ない」

という事態に至っています。

 児玉先生の次の指摘は、非常に明確でした。

 ①新型コロナウイルスは風邪とは違って、肺や消化器官に入り込んで蔓延する危険なものである。

 ②新型コロナウイルスは人間に寄生してどんどん変化を遂げていて、それに対してワクチン開発は大幅に遅れてしまう。サーズのように17年が経過してもワクチンが開発されず、今回のお新型コロナウイルスに対応したワクチン開発は非常に難しい。

 ③ワクチンが開発されて抗体を持ったとしても、それが安全であるかどうかはわからない。これまでの事例だと、かえって、そのおワクチン接種によってサイトカインストームが起こって病気を悪化させてしまう恐れがある。


 そういえば、どこかの首相が、1年以内に新型コロナウイルス用のワクチンが開発され、延期されたオリンピックを来年7月に開催するといっていましたが、今や、それはほとんど希望のない見通しでしかないように思われます。

 本日の新型コロナウイルス感染者数の107名、それが第二波であるかどうかは別にしても、これから急激に増加する可能性を示していることは間違いなく、そのことが、この数日間において具に実証されるでしょう
(つづく)。 
 
gibousi
                 ギボウシの花