精密洗浄とは何か

 昨日、ようやく急ぎの文書作成を終え、6月末からの約1か月半の懸案をほぼ熟すことができました。

 本日は、コロナショックがもたらした「へたり込み」に負けずに、その「天命」に従って、その実践プログラムの概要を紹介することにしましょう。

 その第1は、精密洗浄に関する新たな探究に関することでした。

 兼ねてより、光マイクロバブル技術は各種の洗浄に有効な結果を示してきましたので、それを技術的にバージョンアップさせる方向に展開していくことになりました。

 洗浄における対象物は、より簡単なものから、より複雑なものへ、そして汚れの度合いが大きいものへと徐々に展開していきました。

 通常であれば、その複雑さや度合いが増すほどに、困難度が深くなっていくのですが、ここで、おもしろくてゆかいなことは、光マイクロバブル技術においては、その常識が通用しないことです。

 従来技術においては、とても厄介なことが、光マイクロバブル技術においては、それをむしろ得意として突破(ブレイクスルー)していく可能性を有しているのです。

 こういうときに、そのブレイクスルーを可能にする「知恵と工夫」を、いかに生み出すのか、これが非常に重要な鍵になります。

 すでに何度か、このような壁に直面してきたことがありますので、若い時は「これは大変だ」と頭を抱えがちだったのですが、いつのまにかそうではなくなり、むしろ、ここには「チャンスの可能性」が出てきたのではないか、とプラス思考モードに入ることができるようになりました。

 これに加えて、今回はコロナ災禍の真っただ中で、これにどう立ち向かうかという課題も加わりましたので、いわば、それが、ある意味で「後押し」になりました。

 難しければ難しいほどに、光マイクロバブルにはチャンスの可能性が出てくる、すなわち、「ここは光マイクロバブルの出番ではないか」と思うことができるようになったのです。

 そこで、今回新たな探求を行ったのが「精密洗浄」という概念です。

 これを平易にいえば、それは、「非常に細かい、そして、ひどい汚れを落としてきれいにする」ということです。

 この世には、非常に汚れたものがたくさんあります。

 その汚れは細かいものほど洗浄しにくく、それをきれいにするには、特別の技術が必要となります。

 たとえば、犬の被毛は、ヒトよりも3倍細く、そして3倍多く生えていますので、それをきれいに洗うには特別の技術が必要であり、それを専門とする「トリーマー」という職業が世界中で成立しています。

 犬の皮膚から発生する油脂成分が被毛に付着し、その油脂に各種の汚れが付着し、それが進むと嫌味な臭気が発生します。

 この汚れは、被毛が電気的にマイナス帯電していることからプラス帯電の油脂が付着しやすく、その油脂には、砂や金属破片などのマイナス帯電物質がくっつく、という性質を有しています。

 この汚れの連鎖を断ち切るには、マイナスの帯電物質を大量に持ち込み、そこに強烈な楔を打ち込む必要がありました。

 それが光マイクロバブルであり、これを高度に駆使することによって今回の「精密洗浄」の概念ができ上り、この実際に、新たに分け入ることにしました。

 新たな小型システム化

 第2は、光マイクロバブル技術を用いて新たに小型装置のシステム化を究明したことです。

 これには、日本だけに拘ってはいけない国際的視野を持つことが重要でした。

 今や、かつての「ものづくり日本」の姿は完全に消え失せてしまいました。

 半導体づくりで国際的競争に破れ、原発輸出にことごとく失敗し、火力発電も間もなく再生エネルギーの低コスト化によって破綻しそうです。

 さらに自動車では、「電気自動車✛自動運転+借入制度(買わずに借りる)」というセットの国際水準から大きく遅れていて、ここでも大きな敗退が予想されています。

 すでに日本の電機産業の崩壊が、そのまま自動車にも波及する重大な恐れが生まれています。

 たとえば、自動運転においては、トヨタ車は走行1㎞ごとに何らかの介入をしないと走り続けることができません。

 ところが、世界のトップ企業車においては、24000㎞もの長きにおいて無介入のまま走行できているのです。

 あの天下のトヨタの技術力が、この程度に留まっている、この後進性は深刻です。

 さて、世界の動向のなかで、とりわけ、コロナショックのなかで大規模に起こるであろう、産業と地方の衰退に備えて、その根本的な見直しと世直しが求められるようになりました。

 その新たな視点に基づいて考え直すと、地域において「命と生活を守り、育てる」ための中核となる開発とそれらを繋ぎ合わせる小ネットワーク形成を幾重にも重ね合わせていくことが重要です。

 そのシステム化においては、小型化、コンパクト化が望ましいことはいうまでもありません。

 今回、これまでに最大のネックになっていた部品装置が、外国商品として販売されていることが判明し、早速それを購入して試してみると、それで上手くいくことが明らかになりました。

 こうなると、この部品の採用によって、そのシステムを大きく変更することができるようになりました。

 いくつかの問題点を解決し、より効率的に、そして簡単、コンパクトな設計が可能になりました。

 以前のモデルは、それなりに優れていたのですが、問題点もあり、それらが一挙に解決に向かうものとなりました。

 その試作の暁には、優れた性能とともに、それが有する商品力も明らかになることでしょう。

 ここでは具体的な開発装置の紹介は控えますが、これが、コロナショックの世の中で起こるであろう、「自分で育て、自分で消費する」という大きな変化に伴って生まれるであろう新たなトレンドの開花となってシンクロナイズして(同調して)いくことが期待されます。

 第3のブレイクスルー問題は、上記の第1の概念をさらに発展させたものであり、それを医療・福祉により一層役立てようという指向が芽生えたことです。

 医療福祉の分野においては、さまざまな外敵、あるいは病気や障碍の源となるものが存在しています。

 新型コロナウイルスも、その厄介者のひとつといえます。

 その技術的に高度な洗練化がなされていくことによって、おそらく、この世界中の大問題との接点が見出されるのではないかと思っています。

 今は、一喜一憂せず、粘り強く、その接点を探していくことに専念することが何よりも大切ではないかと思っています。

 第4のブレイクスルーについては、次回において触れることにしましょう。

 (つづく)
 
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ハゼの花と竹藪