やはり危惧していたように、東京での新型コロナウイルス感染者が再び増え始めています。

 この傾向を第一波と比較しますと、その増加傾向がよく類似しています。

 その第一波では、感染者数において50名前後が数日間継続した後に、一気に100名近くに増加していきますので、あちこちでクラスターが発生し、それがメガ化する、その最も厳しいところが、病院と介護施設です。

 東京都知事は、新宿の飲み屋街での感染をしきりに取り上げていますが、そこのみに目を奪われていると、とても大変なことが起こってしまう可能性があるのではないでしょうか。

 これに先立って、北海道と北九州市における第二波が襲来し、驚愕の事態に陥りました。

 わずか1つの感染が引き金となり、瞬く間に広がってしまう、ここにこの感染症の特徴があります。

 しかも、両方において共通していたことは、第一波よりも二波の方が、その感染速度および感染者数の規模がより大きかったことでした。

 これはある意味で、コロナ感染の自然法則性とも考えられますので、東京だけが、この法則性から外れて回避できるかどうか、とても危うい瀬戸際といえるでしょう。

 本日は、おひざ元の東京において都知事選挙の告示がなされ、7月5日までの18日間において激しい選挙戦が繰り広げられるでしょう。

 この最中に、新型コロナウイルス感染者が第一波を上回る規模で拡大していくと、候補者のみなさんにも重大な影響を与えることになるでしょう。

 不幸にも、そのような本格的な第二波がやってくると、再び「東京アラート」が点灯され、加えて「自粛アラート」が雨や霰で降ってくることになるでしょう。

 そして、その選挙戦では、この緊急事態を都民の立場に寄り添って東京をどのように救うかが根本的に問われることになります。

 真っ先に必要なことは、このコロナ危機をどう克服するのかおいて、感染症分野と経済分野において危機リスクマネージメント、それらを統括する情報学に関する司令塔づくりが重要です。

 これは台湾や韓国で成功しており、司令塔の無さが指摘されています。

 このように、このパンデミックは、視えないところから新型コロナウイルスが侵入してきて、あっという間に拡散していく特徴を有しています。

 このしつこくて厄介な新型コロナウイルス感染の問題をどのように解決していけばよいのか、が真正面から問われているのではないでしょうか。

 さて、ここで、これまでの2回の記事を振り返ってみましょう。

 それらは、次のように要約されます。

 ①未知なるものを探究する勇気を持とう(第1回目)。

 いま世界中に災禍をもたらしているのは新型コロナウイルスです。

 ウイルスとは長い間共存共栄を保ってきたのですが、人間は、この大切な掟を破り、パンドラの箱を開けてしまったのです。

 それは、どこまでも利益を求める「新自由主義の権化」でした。

 この未知なる災禍に、どう立ち向かうのか?

 通常の学者は、私はウイルス学や感染症が専門ではないので解りません、といえば済む、これがこれまでの常識でした。

 しかし、今回の新型コロナウイルス災禍は、多分野の専門科学技術と関係していますので、ここでは、未知なるものに立ち向かう「勇気」が求められていました。

 じつは、光マイクロバブルは、つい最近まで、いや今も、その未知なる世界においての探索が必要な科学です。

 そのアプローチには人並み以上の勇気が必要であり、互いの方々は「ちょっと片足だけを置いてみる」、「専門が違うので、それを主にして変わることができません」、「金儲けができるのであれば採用します」などの次元に留まっていました。

 しかし、そのような次元では、新型コロナウイルスの本質に迫り、その災禍から逃れる方法を見出すことはできません。

 普段よりも、二倍も三倍もの「新たな勇気」が求められているのだと思います。

 ②新型コロナウイルスはしつこく、油断できない。最高の英知を集めないと解決できない。

 通常の対策法では、今回の新型コロナウイルス感染を防ぐことができないことです。

 その典型的事例は、東京の永寿総合病院で起きたメガクラスター化でした。

 ここでは、感染症対策の認証医がいながら、多数の患者感染者、医師、看護師、事務員にも少なくない感染者が出ました。

 その血液内科においては、定員のほぼ全員が感染し、半数以上が死亡しました。

 この災禍の原因は、感染していても無症状の患者や医師ほかのみなさんにおいて十分な事前検査が行われず、必要な隔離ができていなかったことにありました。

 また、感染因、感染経路などが不明であったことも重要な問題点でした。

    この問題を克明に解明し、何が解らなかったのか、何が不足していたのか、対策の何が至らなかったのか、これを完全に防御できる方法は見出されたのか、そして、この院内感染のメガクラスターが、周囲や社会に何をもたらしたのか。

 これらが明らかにされ、広く普及されているでしょうか?

 これは未だにそうですが、何が原因で感染が広がっていくのかが不明のままであり、「三蜜を避けよ」、「2mの間隔を開けよ(ソーシャルディスタンス)」、「手洗い」などの自粛措置での対応しかできていないのではないでしょうか。

 科学者・技術者の英知を幅広く集約し、その実践を医療、介護、製造業、サービス業など、多くのみなさんと共同で実践してことが求められているのだと思います。

 この①と②をよく踏まえ、感染症時代における光マイクロバブルの思考に分け入ることにしましょう。

 最近、生物学者の福岡伸一さんの生物に関する「動的平衡論」について少し学ぶことができました。

 かれによれば、生物は体内で常に細胞が分解と再構成を繰り返すという動的なもので、この変化のなかで平衡を保っているというものでした。

 その分解と再構成を支えるために、生物は食べ続けなければならない、という食物摂取論が説かれていました。

 これは、よい食べ物は摂取すると健康になり、農薬まみれや危険な食物を食べると不健康になることを示唆していました。

 この動的平衡論を少々学ぶことができて、次の2つの問題について興味を覚えました。

 (1)光マイクロバブルは発生直後から収縮を開始し、比較的短時間で消滅していきます。

 これは、気泡という形態を維持しながらも、そのサイズや圧力、温度をなどの物理学的要素が変化し、その都度において化学的な変化も起きる、という動的変化と平衡を維持するという、おもしろい物理化学的現象でした。

 (2)光マイクロバブル水と食物に関する研究を持続的研究してきて、自分でも実際に農作物を栽培し、さらに実際に農家支援を行ってきましたので、食の安全、品質向上の方法について、より詳しく知ることができるようになりました。

 この経験を踏まえて、改めて福岡さんの「食に関する動的平衡論」を考察してみようと思いました。

 これらを踏まえて次回においては、「光マイクロバブルの思考」により深く分け入ることにしましょう(つづく)。

ineno seichou
稲の生育(2019年8月19日撮影)