昨日は、大分県中津市に赴き、6回目の実験を現地で行ってきました。
足掛け半年余、コツコツと積み重ねてきたことで、ようやくその全貌が明らかになってきて新たな知見を明確化できました。
科学的事実というものは、そのすべてが解ってしまえば、ある意味で簡単に理解できることなのですが、そこに辿り着くまでには、文字通りの紆余曲折を往々にして経験するのが常のことです。
今回も、それと同一の事態に嵌まり込み、そこから一歩一歩と抜け出していくことになりました。
科学的事実というものは、そのすべてが解ってしまえば、ある意味で簡単に理解できることなのですが、そこに辿り着くまでには、文字通りの紆余曲折を往々にして経験するのが常のことです。
今回も、それと同一の事態に嵌まり込み、そこから一歩一歩と抜け出していくことになりました。
むろん、その新たな世界に侵入できなければ、その紆余曲折も生まれないのですから、何も新しい真実を見出すことはできません。
それゆえに、そこにまず足を踏み入れること、これが真っ先に大切なことであり、今度は、その新世界を見聞きして、そこにある新たな真実を見出し、その科学性を明察できるようになること、これが、その「抜き出る」ことを意味しています。
この明察とは、新たな真実のなかに科学的本質を見出すことに結びつき、その概念と理論を明らかにすることを意味します。
それによって科学的な普遍性が明らかになり、はるか海の向こうの未知なる島まで探検できる航路が明らかになっていく可能性を付与するのです。
その行程を展望すれば、まさに「学問は長し」、それに比して「人生は短し」といわざるをえません。
この言葉は、京都大学の教授であった山本宣治氏によるもので、それを刻んだ石碑の表面を下にして隠し、警察の目から逃れたのだそうでした。
以来数十年が経過し、歳を重ねるごとに、この山本宣治の言葉が脳裏に浮かんでくるようになりました。
短い人生のなかで、その発見と究明が、末永く普遍的に生き続ける、これこそめざすべきものではないか、と自を振り返っています。
さて、今日の世界は、新型コロナウイルス感染で覆われるようになりました。
わずか数カ月の間に、まさにパンデミックの世界が形成され、今尚、その拡大が進んでいます。
周知のように、その大元は新型コロナウイルスです。
すでに、これに類似したウイルスが発生し続けてきましたので、その意味で今回のウイルスは珍しいものではありません。
しかし、それは動物との共生のなかで、年々変化し、より強力でより拡散性を有するようになっているようです。
その意味で「深刻な感染症の時代」がすでに始まっていると考えてよく、同時に、これまでの近代社会が、その備えができていないために脆弱で、深刻な跛行に陥りやすいという弱点も明らかになりました。
これから、この感染症の時代をたくましく生き抜いていく、これが私たちに与えられた使命となりました。
そのウイルスと果敢に闘った先輩が、千円札に登場している野口英世でした。
幼き頃の教科書に、野口が火傷をして指が開かなくなったにもかかわらず、懸命に勉強して立派な学者になったという逸話がありました。
かれが最後に研究したのが黄熱病であり、自らもこの伝染病で命を無くしてしまいました。
かれが持っていた顕微鏡では、この伝染病の細菌、すなわち黄熱病のウイルスが小さすぎて見えなかったことから、その正体を探究できなかったのです。
当時、野口はアメリカ滞在中の研究成果が認められ、ノーベル賞の有力な候補にまでなっていたそうです。
高倍率の顕微鏡が開発され、野口がそれを武器にして黄熱病の研究を発展させていたら、日本人で最初のノーベル賞受賞者はかれだったはずです。
ところで、アメリカにおける野口の仕事ぶりはすごかったようで、いつ寝るのかと、周囲から不思議がられていたそうです。
この仕事ぶりがアメリカをはじめ世界の人々から尊敬され、その面からもノーベル賞にふさわしい人物と考えられていたようです。
しかし、その野口も若い頃はハチャメチャだったそうで、今に伝わるエピソードは、かれが渡米するときに工面していただいた費用500円を一晩で飲み食いに使い果たしたことです。
これが無くなれば、渡米はできなくなるとは考えずに吞み潰したのですから、豪傑いえば豪傑といってもよいのですが、それだけ、いいかげんな男でもあったようですね。
しかし、さすがに、その乱行を反省し、再度スポンサーに金をお願いして渡米ができたことで、それからは一心不乱に、そして真面目に仕事に打ち込んだそうです。
この野口のように、人類は、悪性細菌やウイルスとの闘いを今も尚繰り広げており、それは末永く続けられていくことでしょう。
その正体を見出し、撃破する、これは、今後も人類史における必要必急の探究課題であるといえるでしょう。
私も、その隊列の一員として、その探索に参加できると幸いですね(つづく)。
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