先週の土曜日に、第29回ナノプラネットゼミが開催されました。

 今回は、新たな参加者が得られ、それからWEB上での常連もあり、より充実してきました。

 この新参加者のSさんは、とても勉強好きだそうで、わざわざ別府市から来られたとのことでした。

 さて、今回のナノプラネットゼミの話題提供者は、相棒YOこと、大成由音氏と私の二人でした。

 まず、かれから、これまで28回の本ゼミにおいて発表行ってきた内容を振り返り、そこに共通の特徴があったことが示されました。

 そのなかで一番多かったのが植物工場関係であり、その次が医療福祉の問題であったことが明らかにされました。

 また、そのなかで「未来年表」の話題についても言及され、この予測の結果は、そこで示されている内容よりも、時間的にはより進んでいて、予測よりもより早く事態が進んでいることが紹介されました。

 たとえば、全国的には、死亡者の出生者の割合、すなわち死亡・出生率は2030年には約2倍になると予測されていましたが、これが2030年を待たずにより早く進行しています。

 その典型が大分県国東市であり、毎月市報に死亡者と出生者の名前が掲載されていますが、その比率を毎回計算してみると、それは軽く3倍前後を示しています。

 つまり、この人口減少は、10年も早く確実に進んでいるのです。

 この未来年表には、新型コロナウイルス感染の問題は記載されていませんが、これを踏まえた「感染症の時代」のことを考慮すると、世界と日本の社会は、より深刻な事態へと向かうと考えられます。

 その意味で、この未来予測を覆してより明るくしていく課題の解決がいよいよ重要になってきたのではないかという主旨の意見も出されて議論が弾みました。

 次に、私が「感染症の時代を迎えて」という題目で話題提供を行いました。

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恐慌の比較


 まず最初に、児玉龍彦東大名誉教授が明らかにしている東京都台東区における永寿総合病院における崩壊の実態が示されました。

 ここでは血液内科における新型コロナウイルス感染者が48名もいて、そのうち21名が死亡という悲惨な状況が生まれています。

 しかも、感染症に関するプロの専門医師をはじめとするスタッフがいながら、このようなメガクラスター化が起きたことに、その深刻性が認められます。

 さらに、この実態を東京都はほとんど明らかにせず、恐ろしいことが起きていることが隠蔽されたままになっていることについても、児玉名誉教授は警告を発せられていました。

 同時に、かれは、今回の新型コロナウイルスに関する国際的な共同研究をなさっていて、その最新の成果が明らかにされていました。
 
 ここで強調されたことは、新型コロナウイルスが非常にしつこくて恐ろしいウイルスであることでした。

 かれは、このウイルスを「致死ウイルス」、「殺戮ウイルス」と呼び、今後も油断できない対応が必要であることを強調されていました。

 この感染は、年齢に関係なく、しかも最先端の中核病院であっても、その対応が難しく、病院崩壊を起こしかねない危険なものであるという認識を深めることが重要です。

 続いて、新型コロナウイルスによって実体経済が打撃を受け、市場に天文学的負債が発生し始めて、深刻な経済恐慌が進展していることが論じられました。

 スライド1に示されているように、今回のコロナ恐慌は、先のリーマン恐慌とは、その構造的特徴において大きく異なっていて、より深刻な状況に陥り始めています。

 この経済恐慌の大元はアメリカ経済にあり、それが世界に重大な影響を与えていて、あたかも、世界各国の経済の趨勢がアメリカの経済の行方に委ねられていることも示されました。

 そして、その趨勢において何よりも決定的な影響を与えるのはアメリカの経済状況と株価にあり、今後も、その動きを注目していく必要がありますね(スライド2参照)。

 また、この経済状況の行方を踏まえて、今後何をすべきかについても議論がなされました。

 そのたたき台として、経済アナリストの藤原直哉氏の提言が示されました。

 ①ストレスのない職場

 ②病気をしない生活

 ③安全安心のインフラ

 これらは、大変先見性のある提言であり、いろいろな角度からおもしろい意見交換がなされました。

 また、この3つの提言に則して、私たちが実践している4つの具体的なプロジェクトの紹介もなされました。

 最後の総合討論がなされ、新たに参加されたSさんからは、大変おもしろかったという感想も寄せられました。

 次回の第30回記念のナノプラネットゼミは、6月20日(土)9時30分から12時まで開催されますので、ご希望の方は、下記までご連絡ください。

 E-mail:info@nanoplanet.co.jp

   その際、WEB参加も可能ですので、事前にお問い合わせをよろしくお願いいたします(つづく)。
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