今年の大型連休は、まさに「コロナ」で始まり、「コロナ」で終わるという異常事態でした。

    地上では、このコロナの災禍がどんどん進行していますが、それとは無関係に、国東半島における水の流れと涵養は悠久に続いています。

 さて、私の国東半島水めぐりが、かなり進みましたので、それらをまとめて示すことにしましょう。

 以下は、飲み水を採取した地点です。

 ①両子山麓の走水観音湧水

 ②国東市大恩寺M氏宅ボーリング水

 ③国東市櫛来のKさん宅ボーリング水

 ④国東市来浦のMさん農地ボーリング水

 ⑤杵築市大田村清水寺の湧水

 ⑥豊後高田市のTさん宅ボーリング水

 ⑦国東市武蔵町の地下水

 ⑧国東市武蔵町向陽台の水道水(地下水)

 ⑨国東市安岐町の農地ボーリング水 
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              国東半島における採水場所

 地点⑤~⑨が、今回新たに加えた分です。

 まず⑤は、名水として有名な清水寺の湧水です。

 先日、ここを見学し、この湧水を試飲しました。

 真においしい水であり、次のような国東半島特有の水の特徴を有していました。

 1)柔らかい口当たりで、やや甘みがある。

 2)ピュアな味であり、渋味、苦みがない。

 3)汚れた成分がなく、嫌味や硬さがない。 

 しかし、これまでの①~④とは若干異なる味がしました。

 それは、やや植物性の香りのようなものでしたが、これが気になることはありませんでした。

 おそらく、独特の地下水の流下経路における地質や植生環境によって、この味が付加されたのでしょう。

 この地下水をした際にふしぎに思ったのは、この丘の奥に空が見えていたことでした。

 丘が低く、せいぜい15m程度の高さしかなく、ここに雨水が浸透して湧水になり、しかもそれが年中涸れないということなので、この丘の頂上から真直ぐ地下水が落ちてきて湧水になっているのではないなと思いました。

 そうであれば、この湧水はどこから来たのか?

 そこで、この模式図を描いてみました。

 
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 この図に示したように、この湧水をもたらす地下水の流れ起源は、丘の最上流にある両子山群にあり、ここからゆっくりと重力にしたがって流出し、清水寺湧水に到達しているように思われます。

 両子山群とそれらを囲む森によって雨水が浸透し、涵養されてゆっくりと時間をかけて流下していくうちに「おいしい清水寺湧水」が形成されているのです。

 こう考えると、年中涸れることなく湧水があり、その味が変わらない、昔からあり続けているということも頷けるのではないでしょうか。

 因みに、この清水寺付近は龍が棲む地域とされ、この寺は、その龍の頭の部分だという言い伝えがあります。

 清らかなおいしい水を飲んで地域のみなさんが、龍に感謝してきたのだと思います。

 ⑥は、光マイクロバブル技術特別セミナーに参加していたTさん宅のボーリング水です。

 この水の味は、清水寺湧水とは違って、上記①~④に近いものでした。

 また、⑦~⑨は、より都市化された地域か、それに近い人家がある地域の地下水でした。

 人家が増え、都市水の利用が増えると、それらが地下まで浸透して水質を下げていく、これは避けられないことであり、それが味に反映されています。

 その意味で、上記①~⑥の水とは異なる味の水として区別してよいと思います。

 以上のことから、次のことが明らかになりました。

 ①国東半島の森と地質が保水に貢献し、同時に、格別においしい水を涵養している。この味は、竹田の名水「河宇田湧水」と比較して劣るものではなく、それ以上に優れた水であるといってもよい。

 ②国東半島において森や自然が残されている地域と都市化された地域では、その水質と味が異なっている。

 ③国東の格別においしい水を利用した農作物がおいしいことを再評価する必要がある。

 以上を踏まえて、名水半島「国東」の新評価に関する研究を発展させる必要があるように思われます。

 次回は、この国東半島名水がもたらす海の涵養について分け入ることにしましょう(つづく)。