前回の記事において、今回の実験の様子をやや紹介しましたが、その結果は、意外なものでした。
それを簡単に振り返ってみましょう。
最初の実験において、サンプル1では、さほどの良い結果は得られず、ある意味で予測した通りでした。
それでは、次を試そうと思って、サンプル1に新たな機能を加えてサンプル2を作成しました。
この結果は、今度は逆に予想以上であり、心が動かされました。
2回目の実験においては、まずサンプル2の機能を再確認しようとしました。
すべて同じ方法でサンプル1+機能Aを製造したはずなのに、その結果は微妙に異なっていました。
しかし、同じ傾向は出ていたので、それをそのまま認めてしまえば、それで済ましてしまう、すなわち、そんなものだと確定してしまうところでした。
その後、機能B、機能Cといろいろなことを試してみましたが、そこではそれなりの結果しか得られませんでした。
ーーー おかしいなぁー、何かが違っていたのか?
何か喉の奥に引っかかっているような気がして、実験結果の反芻を繰り返しました。
ーーー サンプル1+機能Aではよい結果が出ていたのに、サンプル2+機能Aでは上手く行かなかった。なぜだろう?
もしかして、サンプル1とサンプル2の製造の仕方が違っていたのかもしれない。
そのうち、この違いが気になるようになり、その実験ノートをめくってみると、たしかに微妙に違っていることが明らかになりました。
ーーー そうか、サンプルの製造の仕方で、このように微妙な違いがでるものなのか。
そこでサンプル1の製造の方法を変えてみることにしました。
同じサンプルとしては3回目、これをサンプル3としました。
ーーー 迷ったときは基本に帰れ!であり、これでだめだったら、次に新たな方法を考えよう!
こうしてサンプル3を時間をかけて製造し、それで3回目の実験を行いました。
その結果は、予想外でした。
第1回目のサンプル2+機能Aの条件よりも、より効果的な傾向が明らかになったからでした。
後で、この結果を踏まえて、サンプルの製造の仕方を比較してみると、まことに微妙な差異がありました。
ーーー これだと誰も解らない、だれも見出せない!
こう思いながら、静かに共同研究の先生と相棒の3人で静かに喜び合いました。
ここで重要なことは、このサンプルがあれば、それにあれこれと機能性を付与する必要はないということです。
ーーー なるほど、そうだったのか!
改めて、光マイクロバブル技術の奥の深さを思い知らされたわけですが、それは、まったく未知の分野に、この技術が足を踏み入れたことを意味していました。
このような未知の世界に出会うことは十数年ぶりのことであり、それゆえに、私の心が揺すぶられることになりました。
この結果は、当然のことながら、現実のさまざまな問題に重要な影響を与える可能性がありますので、この技術をより確かなものとしていくために基礎実験を繰り返し、さらに、その成果を踏まえた応用試験を行っていくことが重要です。
そのためには、この場で具体的なことは控えますが、その暁までには、さまざまな準備を行っていくつもりです。
世のなかでは、地球規模においてパンデミックが起こり、さらにそれが経済を腰折れさせようしています。
この大きな危機を迎え、それぞれが何をなすべきかがますます重要になってきていますね。
おそらく、この人類的危機も運命なのでしょうから、その運命の下で何をなすばきかの仕明もより強く問われることになるではないかと思われます。
みなさん、自らの知恵と工夫で、この危機を乗り越えましょう(つづく)。
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