一昨日から、ある水質浄化装置に関する新たな開発実験を行っています。

 これは足掛け数年に亘る実験であり、次のような段階を経ています。

 第1段階:ある外国企業からの開発依頼を受けて、その取り組みを開始しました。

 それに伴い、既往の商品や文献、特許などを調べてみましたが、満足にいくものはほとんどなく、未熟な段階に留まっていることが明らかになりました。

 そのキー・ポイントは、その技術において光マイクロバブル技術がほとんど用いられていないことにありました。

 その問題は、光マイクロバブルのサイズは非常に小さくて、それには優れた浄化能力があるにも関わらず、それを大量発生できないことから多量の水の浄化ができないという、ある意味で致命的な弱点を有していることにありました。

 一方、既往の商品は、そのためにマイクロバブルではなくミリバブルを用いるしかなく、これによって浄化能力がある程度低下しても、ある程度の水量の浄化が可能になることで留まっていました。

 「なるほど、ある程度の量の水質浄化を効率よく行う装置ができていないのは、マイクロバブル技術をこれに上手く適用できていない問題にあったのだ」

と思いました。

ーーー さて、どうしようか?
 
   あれこれ思案しているうちにしばらくの時が流れました。

 幸いなことに、依頼者は、私の光マイクロバブル技術に対して絶大なる信頼と期待を寄せられていますので、これには応えなければいけませんでした。

 第二段階:この開発課題を検討するにあたって、最初の壁は、光マイクロバブル発生装置を駆動させる小型の水中ポンプが見当たらないことでした。

 以前から、この種の適切なポンプはないかと探し回っていたのですが、結局国産品には適切なものがなく、これでは前に進めないと途方に暮れていました。

 ところが、私の相棒が、条件に適合するポンプを見出してくれました。

 やはり、それは国内にはなく外国産であり、よく調べてみるとアマゾンを通じて購入可能だったので早速手配をしていただきました。

 もちろん、光マイクロバブル発生装置は手持ちのものでよく、そのポンプで光マイクロバブルがある程度の量において発生することを確認し、その浄化装置の試験モデルを開発しました。

 当然のことながら、私どもは光マイクロバブルの発生に関しては、その長短を知り尽くしていますので、その両方の特徴を生かした次の装置開発をめざしました。

 1)その長所に関しては、最大限の効果を出すことができるように工夫する。

 2)逆に短所に関しては、それを補う制御法を考案する。

 この1)と2)を巧みに組み合わせて相乗効果を引き出すことに知恵を絞りました。

 こうして最初の試験装置が約2年前にでき上りました。

 早速、この装置で試験を行うと、どうやら上記の1)と2)を同時に達成できそうな手ごたえを得ることができました。

 すなわち、光マイクロバブル装置を巧みに利用して、これまで不可能と思われてきた、新たな水質浄化能力を備えた装置開発の新概念と基本原理が、ほぼ確立されたのでした。

ーーー みなさんが、これらの新概念と基本原理に到達するのは容易ではない、おそらくほとんど困難であろう?

 これが、その時に抱いた率直な感想でした。

 第3段階:上記の成果を踏まえ、次の段階における課題が以下のように検討されました。

 1)商品モデルに近い装置モデルを考案する。

 2)上記の基本原理を踏まえ、次の具体的改善を試みる。
 
  ①小型化を図る。

  ②水質浄化能力を飛躍的に高める。

  ③操作性に優れ、各種規模の容量に対応可能である。

 次回は、この第3段階についてより詳しく紹介しましょう(つづく)。

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クリスマスローズ