新型コロナウイルス感染が全世界を覆うようになり、とうとうWHOが「パンデミック」宣言を行なうまでになりました。

 発生源である中国では新たな感染者が減りはじめ、お隣の韓国では感染者のピークを越えたようです。

 また、台湾では、ほぼ完全な封じ込めがなされています。

 これらの対応に対して、日本の状況は、どうでしょうか?

 具体的なデータも示さず、「なんとか持ちこたえている」といって、さらに10日間の様子見を行ったことの本質は何でしょうか?
 
   今の様子を眺めていると、わが国は、あのダイアモンド・プリンセス号のクルーズ船と同じことを、日本列島全体で行おうとしているのではないかとさえ思えてしまいます。

 このクルーズ船の深刻な状況がどうであったかについては、3月9日の朝刊(共同通信社発で大分合同新聞は1面トップ)で詳しく報じられています。

 その見出しは、「行動制限なく乗客と接触」、「政府から防護策指導なし」、「日本人乗員が証言」でした。

 この記事で詳しく述べられていますが、クルーズ船乗員については、何の指導もなく、乗客と接触していたという驚くべき事実が語られ、同時に相部屋で感染の恐怖を覚えながら対応していた生々しい証言が明らかにされています。

 検査は、乗客が優先で、乗員は後回しと外部には説明されるなかで、乗員を通じての感染が広がっていたのではないでしょうか。

 乗員に感染者が出始めたことが報じられた後において、乗客に、乗員が食事を配る様子がテレビで放映されていました。

 その時の乗員は、マスクと手袋のみであり、その状態で、食事を乗客に受け取らせていました。

 その折、最も気になったのは、何ものにも包まれていないバナナを、そのまま手渡していたことでした。

 この時点においては、飛沫感染の恐れはあるとしながらも、それはマスクで防御できると説明されていたのでしょう。

 この過信と過誤によってマスク姿の検疫官が感染することも起き、さらに乗員の感染者も増えていきました。

 その背後には、新型コロナウイルスが水滴に付着して船内に滞留し、人が動くたびに壁や床から飛散し、自由に空間を動き回っていたことを理解しようとしない、という科学的未熟性があったように思われます。

 さらに、この記事において驚いたことは、専門家が、停泊後1週間が経過した2月10日の船内視察を行った後に、政府関係者と会議を行った席で「全員下船させた方がよい」という重要な提案をしたにもかかわらず、そこでは「受け入れ先がない」ということで、この意見が封じ込まれていたことでした。

 この時、実際の受け入れ業務を主として担当していたのは神奈川県であり、そのことを黒岩知事はテレビにおいて堂々と証言されていました。

 船内の会議では、政府関係者が「受け入れ先がない」といいながら、その船外では、神奈川県が必死になって、その受け入れ先を探して確保していたわけで、おかしな現象が起きていたといってよいでしょう。

 その後の事態については、みなさんご存知の通りですが、それらに共通していることは、積極的にPCR検査をしない、科学的情報は伝えない、専門家の意見を重視しないなどによって感染者数を押さえ、感染者数をとにかく少なく見せかけようとします。

 しかし、一方で、日本各地には感染者数のクラスターがいくつも発生し、自粛せよというのですから、二重三重の本末転倒を繰り返しています。

 この様子は、ダイヤモンド・プリンセス号の惨劇が、今度は日本列島において再び繰り返されるのではないか、そのような恐れと心配を抱かせているのではないでしょうか。

 このようななかで、先日は政府の専門家会議のみなさんが記者会見をなさっていました。

 ここで、その副座長のO氏と日本感染症学会理事長の方の意見が大きく食い違っていました。

 前者は、上述のように「何とか持ちこたえている、この10日間を経過しないと全国一斉休校や自粛の効果がよくわからない」といい、後者は、新型コロナウイルスの感染は夏になったからと治まるものではなく、場合によっては年を越してしまうことも想定しておかねばならない、という主旨のことを発言されていました。

 このどちらに科学的な説得力があるかは、賢い読者のみなさんにおかれましては、すぐにお解りのことでしょう。

 この会見の後から、この理事長さんは度々メディアに登場するようになりました。

 それは、専門家としての確かな意見をメディアから求められたからでしょう。

 昨日は、蒲郡市で起きたカラオケでの感染について、マイクロサイズの新型コロナウイルスが付着した「しぶき」のことを言及されていました。

 ここでは、感染者がカラオケを唄う際に接客した女性には、その感染が起こらず、店内の別の女性が感染したという報道がなされていました。

 この場合、その男性に座ったソファーに、その女性が座ったことで感染したのではないかという推測がなされていました。

 その可能性と共に、店内においては、その感染男性がものをいいながら歩き周り、歌を唄えば、その際に新型コロナウイルスのマイクロサイズの「しぶき(マイクロドロップ)」が出て、その店内の空間に飛散していたのだと思います。

 そのメディアの画像においては、その感染者が店内に入ってきて声を出している最中に、店内では掃除がなされていました。

 その店内において感染者が声を出し、歩き回れば、新型コロナウイルスをまき散らし、さらに、その傍で掃除をすれば、その飛散した新型コロナウイルスが付着したマイクロドロップが、自由に店内を流動していったことが十分にあり得たと推測できます。

 これはライブハウスに感染者がいて、その方が声を出して唄うことで、たちまち、その空間に新型コロナウイルスが吸着したマイクロドロップが蔓延し、感染してしまうことと同じ現象ではないかと思われます。

 新型コロナウイルスのサイズは、100ナノメートルですから、それらの空間を自由に飛び回るマイクロドロップを仮に1~数㎛とすると数個~数10個の新型コロナウイルスを吸着させて飛び回ることができるのです。

 歩き、動き、声を出して踊れば、そのマイクロドロップが飛散して、それを吸えば、感染が起こることは容易に推察可能です。

 ここで、もう一つ、新型コロナウイルスに関係して気になることを述べておきましょう。

 最近、次の新型コロナウイルスに関する画像がよく出ています。

korona-44
 これは、新型コロナウイルスが群体化した画像のようです。

 おもしろいことに、新型コロナウイルス同士が付着した際には、必ず、その両者間に小さな介在物が存在しています。

 この小さな介在物が、その群体化における必須物のようで、このメカニズムを推察すると、新型コロナウイルスの細胞はマイナスの電位を有し、一方、その介在物は有機物系の汚れであり、プラスの帯電性を有しているから、その電位の正負によって付着を可能とし、結果的に、この群体化が形成されているのではないかと推察しています。

 おそらく、この群体化によって新型コロナウイルス群が強度を増して感染力を高めているのではないか、これも仮説的な推察に過ぎませんが、気になった現象といえます。

 じつは、マイクロサイズの気泡(マイクロバブル)はマイナス帯電性を有し、それ同士が有機物系の介在物(プラス帯電)を介して吸着し合い、群体化していくという現象を見出していますので、それに似た現象ではないかと推察してみたのでした。

 さらに、この推察を進め、上図の新型コロナウイルスの群体化を防ぎ、あるいは群体化された集団をばらばらにして分散化させると、その効力がかなり低下するのではないか、このような想像もしてみたところです。

 私には、ウイルス学的、あるいは疫学医的な知見がありませんので、これ以上のことは推察できませんが、何かの参考になればよいと思って私見を述べてみました。

 どうか、ご高配をよろしくお願いいたします(つづく)。