この3日間、長野のKさんの依頼で少々根を詰めた仕事をしておりました。

 いつものことですが、最後のスパートにおいては、ひねもす机に向かい、朝方まで頑張って終わり、という状態に至りますが、今回もそれに近いものでした。

 このKさんには、いつもお世話になっていて、しかもよく電話を掛けられてこらますので、自然に親しい間柄になってしまいました。

 年末には、名物の「市田柿」をご送付くださり、今もありがたく賞味していますので、そのお礼も兼ねて、しっかり、その依頼に応えねばと思って対応しました。

 この干し柿とそっくりのものが、先日の『麒麟がくる』のなかで出てきて、光秀が幼少の徳川家康に差し上げていました。

 それを口の中に入れておくと、甘くておいしいよ、と光秀はいったのですが、家康の方は、それをかじって噛んでいました。

ーーー まだ冷蔵庫のなかに残っているであろう。

 そう思って、光秀のいうように食してみました。

 砂糖が手に入らない時代ですので、大事に甘いものを食べることが習慣になっていたのでしょう。

 たしかに、甘い干し柿の味を時間をかけて楽しむことができました。

 あらためて、Kさんに感謝、その格別の味が、それを誘起させました。

 さて、今回の依頼は、地元のみなさんに愛されている池の水質浄化の問題でした。

 この池は、戦後に造られ、その周囲に桜の木が多数植えられました。

 以来70年余が過ぎ、今では桜の名所として長野県においても有数の名所になっています。

 しかし、この桜の木が老齢化し、ご当地の「桜守の会」においても、その存続問題が多方面から検討されています。

 この桜とともに指摘されてきたのが、桜の木が囲んでいるG池の水質問題でした。

 年々、この池の水質が悪化し、かつての清らかな池の姿は消え失せ、底が見えない池になってしまいました。

 せっかくの桜の景色が活かせないと、この池の水質改善が重要な課題となっていました。

 Kさんは、その桜守の会の有力者であり、「なんとかよい方法はないのか?」と相談を受けました。

 かれは、本ブログの熱烈な愛読者の一人でもあり、それを読んだ感想をよく電話で披露されています。

 今回の水質浄化の課題も、その電話のなかで再々の話題となってきましたので、私も、この問題に取り組むことになりました。

 この池の水質問題は、植物プランクトンの発生によって池水の濁度が増加することにありました。

 その主因は、いわゆる富栄養化問題であり、しかも、軽度の富栄養化現象であり、この問題解決はなかなか容易ではない課題でした。

 私どもは、かなり前から、光マイクロバブル技術を用いての水質改善に関する研究を重ねてきました。

 それらの研究成果を踏まえて、今回の池の水質浄化問題を、現場の事情に則して考えるこことにしました。 

   すでに桜の花見に大勢の方々が来られる名勝地になっていますので、この桜と池の景色を打ち壊してはいけないので、そのことを考慮しました。

 また、池内では、常に河川水からの流入があり、そこから植物プランクトンの素が流入しています。

 さらに、周辺地域からの降雨の流出水の流入や鯉の餌やりもなされていて、これらによって常に汚濁物が池内に流入しています。

 しかも、この池からの流出口は、中央部の一か所しかなく、それよりも下流の池水の流動は停滞気味になりますので、ここで汚濁が進むという問題がありました。

 さて、これらの問題をどう解決するか?

 これには、少々、考える時間が必要でした。

 もちろん、あまり経費をかけず、池の各種の自然条件を生かしての水質浄化方法を検討する、これが私どもが目指してきたものでした。

 その水質浄化法とは、光マイクロバブルによって水生植物を大量に育て、その自然の力で
水の浄化を行うという方法です。

 この方法をKさんや地元の方が、どう受容してくださるのか、その経過を見守ることにしましょう

 ようやく、Kさんからいただいた市田柿と孫たちがいただいた信州リンゴのお礼ができ、ほっと安堵しました(つづく)。

roubai
蝋梅