マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法における第二の特徴は、使用するシャンプー液がきわめて少量であることです。

 たとえば、わが国におけるトップトリマーの松林智宣さんの場合、約200リットルのお湯のなかに、わずかに10㏄のシャンプー液を注入します。

 この濃度は、わずかに0.005%です。

 このきわめて低濃度のシャンプー液を、そのまま200リットルのお湯のなかに注いだとしましょう。

 これだけでは、泡は発生ませんので、トリマーは、これを勢いよく混ぜて泡立てようとします。

 しかし、トリマーが、いくら頑張っても、洗浄に必要な泡立てはできません。

 たとえ可能になったとしても、わずかにミリサイズの泡が水の表面に形成されるのみです。

 なぜでしょうか?

 マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法においては、大量に小さな泡を発生させることができますが、手でお湯のなかを混ぜるだけでは、そのような泡はほとんどできません。

 この両者を比較すると、その泡の発生方法がまるで違うのです。

 手でお湯を混ぜるとすると、その動かした手の速度は、どのくらいでしょう。

 おそらく、その速度は、せいぜい毎秒2回程度でしょう。

 一方、光マイクロバブルP4装置における装置内旋回速度は、どのくらいでしょうか?

 これは、以前に高速度カメラを用いて計測したことがあります。

 その結果によれば、その旋回速度は秒速約450~600回転でした。

 平均的には秒速約500回転といってよく、これは手動の回転速度と比較すると約250倍になります。

 この旋回速度の違いは決定的であり、これまでの手動による泡づくりは完全に過去のものとなったといってよいでしょう。

 ここで本当に注目すべきことは、ほんのわずかなシャンプー量であっても、簡単に大量の泡づくりが可能になったことであり、この泡を「マイクロバブルフォーム」と特別に呼ぶことにしました。

 この技術的快挙は、単にシャンプーの使用量が減らして節約できるといういうだけの問題に留まりません。

 それは、ほんのわずかなシャンプー液であっても大量のマイクロバブルフォームを発生できるということは、そのシャンプー量のほぼ100%に近い量のシャンプー液を泡に変換したということを示しているのだと思います。

 いわば、シャンプー液中の界面活性剤成分をいったん水中に溶かしても、それを再び泡として、そのほぼすべてを水面に浮上させることができていることを意味しているのだと思います。

 そのことを可能にしたのが、「光マイクロバブルP4」であり、この装置におけるマイクロバブルフォームの発生原理が毎秒500回転の超高速旋回を可能にしたことにあったのです。

 そして、この超高速旋回速度のおかげで、非常に小さいマイクロバブルフォームを簡単に大量発生させることができたのです。

 この光マイクロバブルの発生機構をマイクロバブルフォーム洗浄・温浴法に適用したことが、技術的に小さくない功を奏することになりました。

 そのことを証明し、喜ばれたのが松林智宣ほかのトリマーのみなさんでした。

 こうして、マイクロバブルフォーム洗浄・温浴法が、少なくないトリマーのみなさんに口コミで徐々に広がっていきました。
  
 すなわち、このマイクロバブルフォーム洗浄・温浴法がスタンダード化していくことになりました。

 このシリーズは、ここで終了し、近々新たなシリーズを再開することにしましょう(この稿おわり)。
 
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     マイクロバブルフォーム