案の定、恐れていた現象が大型クルーズ船内で起きていました。

 今朝の報道によれば、新たに感染者が41人も増え、合計で61人になりました。

 これは全体の検疫者数が271人ですから、約23%に相当します。

 おそらく、このままの状態で推移していけば、感染者は数百人、千数百人と増えていくのではないでしょうか。

 ここで重要なことは、政府の対応の甘さが露呈して、それ以上のことが起こっていることです。

 その第1は、感染者の検疫者数を小出しにしていることです。

 これには、検疫機関の規模や人員の問題もありますが、なぜ一気に検出ができる体制を整え、一刻も早く結果を出して適切な対応をしないのでしょうか。

 この対応の遅れが、今後致命的な問題に発展するのではないかと心配しています。

 第2は、先日の厚生労働省の女性審議官の会見で、「全員の検疫審査を行わない」という当事者のみなさんを逆なでする発言を堂々と行ったことです。

 なぜ、この時期に、このような軽薄な判断を行って混乱させるのかと、その配慮のなさに愕然としました。

 おそらく、このような発言は、その内部においてある程度確立されていたのだと思いますが、問題は、その発言によって、いかに危機を助長することになるかの、いわゆる「危機管理」意識の欠如が垣間見えることにあります。

 合計で61名もの感染者が出現した今でも、そのような全員検査を行わないということができるでしょうか?

 この61名にもなった感染者が念頭にはない状態で、全員検査をしなくても済むという甘い、そして軽薄な邪推があったことで生まれた発言だと推測できます。

 ここでは、一挙に検査人数と検査機関を増やして、緊急な対応を行わないと、それこそ毎日何十人という規模で感染者が増えていく恐れがあるのではないでしょうか。

 これは、素人の私でさえ推測できることですので、まずは「当事者たちよ、目を覚ませ!」といいたいですね。

 この感染は、船のなかだけでなく、「巷で感染が広がっている」と考えて対応した方がよいと今朝のテレビ報道で識者が述べていました。

 感染者の数が、当事国の中国に次いで多いのが日本です。

 後手後手の対応が、この結果を招いているといってよいでしょう。

 さて、2万人を超える感染者のうちの志望者の8割が高齢者であることが明らかになりました。

 私も、高齢者の一員ですので、この感染によって被害を被る可能性があると思って可能な限り出歩かないようにしています。

 また、この季節は花粉症が蔓延する時期でもあり、それによって毎年苦しんでいますので、それも外出しない理由の一つとなっています。


 前置きがながくなりましたが、前回の続きを認めましょう。

 「マイクロサイズのしぶき」を「マイクロしぶき」と呼ぶことにしましたが、どうも語呂がよくないので、改めて考えなおしました。

 「しぶき」とは「水滴」のことですので、それを「ドロップ」と命名することにしました。


 以後、マイクロサイズの水滴を「マイクロドロップ」と呼ぶことにします。

 その典型は、みなさんもよくご存じの霧です。

 霧が発生すると視界がなくなり、車も安全に運転できなくなります。

 この霧の粒子は、すなわちマイクロドロップの粒径は約1㎛(マイクロメートル)です。

 この霧を想像していただくことができれば、それに付着した新型コロナウイルスの姿も思い浮かべることができるるでしょう。

 この場合、このウイルスのサイズは約100nm(ナノメートル)ですから、マイクロドロップの約1/10です。

 野球のボールを、このマイクロドロップの大きさに例えますと、このボールに数個から数十個の新型コロナウイルスが付着できる可能性があります。

 おそらく、このウイルスは、電気的にマイナス帯電していることが推測できますので、このウイルスにおける角のような突起物の先に有機物が付着していると、これが介在することでウイルス同士も連結・付着できるのではないかと推察しています。

 そうであれば、この有機物を介在させてウイルス群が形成されることも仮説として考えられることといってもよいでしょう。 

 霧のように、その空間に滞在し、何らかの流れが存在すると、新型コロナウイルスやその群体が空間内を流動するという可能性があります。

 この何らかの流れがなければ、それは時間経過とともに下に落ちていきますが、ヒトがそこにいるとそうはいきません。

 しかも、感染者は、常に、このウイルスを、その空間に供給し続けるのですから、これによって感染がなされることは容易に推測できます。

 マスクや手洗いをすることは、その感染を防ぐ手段としては有効ですが、それだけでは不十分であり、このマイクロドロップを介在しての感染メカニズムを明らかにすることが非常に重要になっているのではないかと思われます。

 2mの間隔を開ける、30分以上感染場所にいない、などは、感染を防ぐ大まかな方法でしかなく、それゆえに確かな対策ではないことをよく理解しておく必要があるように思われます。 

 次回は、「ナノドロップ」とウイルスの関係に分け入ることにしましょう(つづく)。

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水仙