新しい年、2020がやってきました。

 みなさまにおかれましては、ご幸福の正月元旦を迎えられていることと拝察しております。

 本年がみなさまにとってよい年でありますように念願いたします。

 おかげさまで、昨年は、私どもにとっていくつかの重要な到達がありました。

 それらについては、「2019年回顧」において詳しく紹介されていますので、ここでは重複を避けて、新たな課題について抱負を述べることにしましょう。

 その第1は、次世代型植物工場の課題に関することです。

 もう長い間、日本の農業は不振のままで、あと10年もすれば農家はいなくなってしまうという超高齢化が進み、肝心の担い手がいなくなるというところまで窮地に追いやられています。

   加えて昨年、日米貿易協定が締結され、日本の農業は、ますます深刻な事態を迎えようとしています。

 一方、この農業危機を乗り越える切り札として登場してきたのが植物工場であり、この施策を成功させようと3回にわたって数百億円規模の予算投資がなされてきました。

 これらが、いわゆる「農商工連携」による「大規模植物工場」づくりと呼ばれるものでした。

 しかし、これらの植物工場の大型化は、ことごとく成功しませんでした。

 先日、ある企業が補助金による研究開発を申請したいということで、その応援を行なうことになりました。

 その際に、その補助金の主旨は、①高生産性、②高付加価値型農産物、③儲かる農業、販路拡大などにありました。

 補助金の上限は160万円で、自己資金は1/2でしたので、合計で240万円のようでした。

 この金額ですと、小規模な植物工場しか対応できませんので、上記の大規模植物工場とは大きくかけ離れたものでした。

 奇妙なことは、上記の3条件が大規模植物工場に適用されているはずですから、それだと大規模であっても小規模であっても同じではないかということになります。

 換言すれば、高い価値を有する野菜(農作物)を大量に生産し、販売を行えば、自ずと儲かる農業に至るはずなのに、実際の大規模植物工場においては、儲かるどころか、経営赤字に陥っている事例が少なくありません。 

 この実態が教えていることは、じつは、①生産性が高くない、②付加価値が高くない、③儲からないということではないでしょうか。

 ③に関して、よくいわれてきたことは「大規模化しないと儲からない」でした。

 これもおかしいのではないか、どこかに、大きな間違いがあるはずだ!

と思って、より難しくて、儲からないといわれていた「小規模植物工場」において、上記の①~③を実証してみようと思うようになりました。

 「小さくても、生産性と付加価値が高く、儲かる植物工場ができるのではないか?」

 この思いを抱きながら、そのモデルづくりを試みてきました。

 その典型的事例は、25㎡、40㎡、そして1650㎡でした。

 とくに、再後者においては、夏場のハウス内の温度が47~50℃にもなり、夏場の高温障害を乗り越えるという4番目の課題が加わりました。

 この試験の開始は2018年8月からでしたが、次の課題がありました。

 ①夏場の超高温時であっても、十分に新鮮な野菜栽培がなされ、出荷が可能になること。

 ②これまでの60日栽培を改善して、その半減を目指すこと。

 以来、1年半が経過し、この2つの課題の解決がほぼなされ始めています。

 ただし、②については、途中台風による停電などの障害があり、最短期間は未だ45日に留まっています。

 そこで、この②の課題を45日から30日に向かうために、その改良を昨年末に実施しましたので、その成果を待っているところです。

 同時に、この改善を検討する過程において、いくつかの重要な課題が明らかになり、それが次世代植物工場のモデルづくりに非常に重要であることも明らかになってきました。

 今年は、この探究をより進めていくことになりますので、より豊かな試みとなるでしょう。

 また、より南の地においても、試験モデルとしてはかなり大きいプラントが近々建設される予定ですので、この進展も楽しみですね。

 このように、今年は、次世代型植物工場の実施モデルが立ち上がる予定であり、いよいよ、光マイクロバブル技術が大海を渡る風になるのではないかと思われます(つづく)。

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                  マリーゴールド