Yさんは、私の提案を快く受け入れてくださりました。

 「装置は、近日中に届けますので使ってみてください。とても『ここちよいもの』ですよ。そのここちよさを感じたら、効果が出てきていると思ってください」

 Yさんの奥さんも喜んでおられました。

 私が20歳台半ばの時の友人ですから、あれから45年余が経過していますが、その時の青春の思い出は色あせず、ゆかいな気持ちになることができました。

ーーー 光マイクロバブルよ、どうかYさんの左足と脳を「ここちよく」してください。どうか、よろしくお願いいたします。 

 こうしてY夫妻との歓談は2時間以上に及び、その懐かしさとともに沖縄に寄せる思いを乗せながらのゆかいな会話となりました。

 時はかなり過ぎましたが、互いの友情は少しも色あせてはおらず、今度会う時には、それがますます鮮やかに蘇ってきて互いの光マイクロバブル談義も豊かになされることでしょう。

 なんだか、すっきり爽やかな気分になってお二人と別れることができました。

ーーー これで沖縄初日における最初の面談は上手く行った! 

 次は、K教授との面談を予定していました。

 K先生は、ついこの間まで大学の学長をなされていて、その時は膝の状態がよくなく、昨年自宅を訪れた際にはとても大変そうでした。

 先生には、ご主人ともども私が琉球大学にいた時からお世話になった仲でした。

 当時、首里のお宅を訪問し、ご主人とI琉大助教授とともに、海洋博問題の調査研究会議をよく行っていましたので、よく沖縄料理をごちそうになっていました。

 昨年の訪問の際に、亡くなったご主人に線香をあげ、かれを偲ぶ話をいくつもした後で、調子のよくない膝のことも話し合いました。

 すでに、先生は「光マイクロバブルB2」を購入されていましたので、それを膝に適用する方法を教示しました。

 沖縄では、シャワーのみを用いた入浴法が大半ですので湯船に入る習慣がありません。

 そこでバケツに装置を入れて足浴する方法を提示し、この方法の方が足にとってより有効であることを解説しました。

 先生の膝は、普通に歩けず、痛みを感じるほどの深刻な状態であり、それを何とか治したいと真剣に切望されておられましたので、光マイクロバブル足浴の提案は非常に有効でした。

 その後、時々の電話で足の状態を尋ねる機会もあり、それが回復に向かい、元のように歩けるようになったと聞かされていました。

 また、K先生には、この度の沖縄訪問において重要なお願いをし、それを引き受けて、実現に漕ぎつけていただいたこともあり、そのお礼をどうしてもいい、感謝する必要がありました。

 私の家内は、そのK先生と同期で大学に赴任し、職場を同じにしていた仲でした。

 そこでK先生を含めて夕食を一緒に行うことになり、家内の推薦で那覇のパレット久茂地ビルの9階にある『カラカラ』に向かいました。

 ここは家内がK先生といっしょに食事をしたことがあるそうで、新鮮な野菜をはじめとするバイキング料理が人気のレストランでした。

 私も二度目、K先生の到着を待ちながら、その野菜をたっぷりいただいていました。

 その野菜をかなり食べ終えたころにK先生が合流しました。

 まずは、今回のご尽力に感謝し、その厚い御礼を申し上げました。

 K先生の大学は、今度面会する会社から毎年支援を受けているそうで、それによって、その会社のトップと面識があり、親しく会話される仲になったおられたようでした。

 以前から、この話を聞いていましたので、今から数か月前に、その面会に関する斡旋をK先生にお願いいたしました。

 先生は、これを二つ返事で受け入れてくださり、実際に先方に繋げていただきました。

 これを受けて早速電話をしてみると、なんと、この方は私と同じく琉球大学の教員をしていたことがあり、しかも、それが同じ工学部(以前は理工学部)だったので、それに不思議な縁をお互いに感じ、急に打ち解けることができました。

 この了解を得て、今回の沖縄訪問における重要な面談を行うことになりました。

 通常のルートでは、なかなか会えない方々でしたので、K先生には深く感謝の意を伝えました。

 K先生の専門は保育学、沖縄にはたくさんの教え子が保母さんとして活躍されています。

 この保育に関連して、先生は食についても関心が強く、以前の訪問の際には、沖縄で最も関心の強い、そして料理の専門家である県会議員の方を紹介くださり、共に食事をしたことがありました。

 その折に、沖縄において私どもの植物工場が動き出したときには、ぜひとも現地を見学し、沖縄の食料事情の改善について検討したいと仰られていました。 

 そこで、実際に沖縄本島北部に設置された植物工場の様子を示しながら、これからの沖縄における野菜生活の重要性について、かなり熱っぽい議論を交わしました。

 とりわけ、先生は、「この野菜を保母さんたちに紹介したい、子供たちに食べさせたい」と強い関心を示されました。

 「それは、よいことです。大歓迎の話です。まずは、先生と親しい友人の方々に、この野菜工場を実際に見学していただくとよいですね。工場のオーナーも歓迎されると思いますので、その見学の件はすぐに伝えておきましょう」

 「はい、ありがとうございます。近いうちに必ず行きます」

 そこで、私は、K先生に次のお願いをいたしました。

 私どもの技術を用いた野菜は、沖縄のみなさんにかなりの程度歓迎されると思います。

 すでに、少なくない方々が見学に来られていると聞いています。

 しかし、それらの方々は同業者の関連の方がほとんどであり、主婦や保育の関係者は一人もいません。

 売る側の目線からの見学ばかりでは片面しか見ていないことになりますので、それとは異なる買う側からの目と評価が重要といえます。

 購買者が食べたいと思う野菜であるかどうか、それをどのように安全に栽培しているかどうか、妊婦や幼児に食べさせてよいのかどうか、夫や子供たちの食生活の改善にやくだつのかどうか、これらを明らかにして納得していただくことが重要です。

 その意味で、K先生の見学の実現は沖縄にとって非常に重要なことですので、その意味を野菜工場主によく説得しておくことも約束いたしました。

 こうして、あっという間に約2時間の食事会が終わりました。

 先生は、この後、さらにお仕事があったようで、パレット久茂地の前で別れました。

 かつての先生のように元気で歩かれる姿は、1年前とはまるで違っていましたので、その姿を観て、「光マイクロバブルB2」に感謝を申し上げました。

 こうして爽やかに沖縄の初日の日程がすべて終わり、ゆかいに宿舎に向かうことができました。

 北に向かう車道は車も少なく、その進行を見ながら「これは幸先のよいスタートになった」という思いが湧いてきました。

 「明日からは、かなりハードになるであろう!」

 車窓からは、初秋の温かい、ここちよい風が舞い込んできていました(つづく)。 

sato-3 サトウキビの穂