昨日、第40回の光マイクロバブル技術特別セミナーが開催されました。

 今回は、新たに3名の参加者があるとのことで、その方々を対象にして光マイクロバブル技術の基礎と具体的な適用事例を紹介してくださいという要望がありましたので、急遽、その講義内容を変更することにしました。

 この三名のうち、お二人は地元でミカンのハウスの電気的管理を手広くなさっているそうで、その折に、ミカン農家からいろいろな相談を受けているようでした。

 もう一人は、地元銀行の若手の社員で、先日、訪問された際に、

 「毎週木曜日の夕方にセミナーを開催しています。よかったら参加されてください」

と誘ったことが前向きに受け留められたようでした。

 光マイクロバブル技術の基礎と、とくに農業関係の適用事例を一通り報告し、それを受けての質疑応答になりました。

 「光マイクロバブルの供給で、空気中の窒素を固定し、肥料化できるという話でしたが、それによってやりすぎるということは起こらないのですか?亜硝酸態窒素が増える心配はないのですか?」

 なかなか鋭い質問であり、それによって、私の話した内容をよく理解されていることが窺えました。

 「その窒素成分は、ごく微量しか発生しませんので、そこが光マイクロバブルの良いところです。したがって、液肥のなかでアンモニア窒素や亜硝酸窒素が急に増えることはありません」

 「それでも増え続けて、過多になることはないのですか?」

 「その心配もありません。その窒素成分の最適濃度は0.3ppmだといわれています。この濃度に至るには長時間の循環が必要であり、その過程で、それが植物に吸収され、あるいは水面から出ていくことなどで、一方的にその濃度が増加するという心配はほとんどありません」

 「そうですか」

 「それに、その窒素成分の経時的な時間変化を調べてみると、その時間経過とともに一定の値に収れんしていきますので、一方的にそれが増え続けることはないといってよいでしょう。ところで、ミカン農家の方が困っておられるそうですが、それはどんなことなのですか?」

 それは、ミカンの木の老齢化の問題でした。

 ミカン農家は、代々、その植えた木を引き継いでいきますが、それをどのように行いながら新たな木を植えていくかのかが重要だそうです。

 とくに、ハウスで栽培している高級ミカンにおいては、その老齢化を防ぎ、いつまでも、よいおいしいミカンを育てることが重要になります。

 「ミカンについては、そのような抗高齢化の実験を行ったことはありません。以前に桜の老木において、そのような防止に関する問い合わせを受けたことがありました」

 「そうですか」

 「そこで、植木に潅水するという試験を鉢植えの桜の木で行ったことがありました。光マイクロバブル水と普通の水を用いての潅水比較試験でした」

 「おもしろい試みですね」

 「結果は、光マイクロバブルの方が枝の成長がよく、とくに私が驚いたのは、桜菜の花の数が2倍以上に多かったことでした。こんなに違うのかと吃驚しました」

 「なるほど・・・」

 「ミカンへの潅水は、これまで行ったことがなく、どなたか一緒にやってくださる方を紹介してくださるのでしたら、そこを見学して話ができるとよいですね」

 「それは、ありあたいですね。帰ってからミカン農家と相談してみます」

 このように話が一段落しましたので、その後は、地元の農家の方々と共同研究を行っていますので、その様子を紹介いたしました。

 ここでも、おもしろい意見交換がなされ、この方は、光マイクロバブル技術にますます興味を持たれたようでした。

 この地域は古くからのミカンの特産地であり、いくつもの高級ミカンが出荷されています。

 味もよく、しかも私はミカンが幼いころから好きですので、秋になるのをいつも楽しみにしています。

 早生ミカン、はるみ、せとか、デコポン、みやがわなど、これから、店頭にはおいしミカンが順次並ぶことになります。

 それらを唯食べるだけでなく、その栽培に関わることができるようになると、ますますミカンに寄せる思いは強まることになりますね。

 実際に、その見学なされた暁には、ミカン農家にその栽培法のコツを聞き、その光マイクロバブル技術の適用法を考察してみることにしましょう。

 ミカンでおもしろく、ゆかいになることができるようになると幸いですね(つづく)。

sirohana-4 野菜にとって益虫のヒメハマカメムシをが寄ってくる植物の白い花