比較的にゆっくりとした昼ごはんになりましたので、帰りの飛行機までに残った時間は2時間余、お互いに、その残り時間を気にしながらの面談となりました。

 まずは、午前中の議論のまとめを行い、ここでしばらく討議を行ったので、いよいよ時間が無くなってしまいました。

 残り1時間において、次の2つの重要案件を討議しました。

 その一つは、排泄に関する共同研究が、こちらで動き始めましたので、これについての説明を行い、以前からYさんのお兄さんが関心を寄せていたことを思い出して「今でしたら、丁度良いかもしれませんので参加のご検討をよろしくお願いいたします」とお願いしました。

 もちろん、Yさんの返事は前向きで、お兄さんに聞いてみるとのことでした。

 2つ目は、前回の記事において示した開発課題であり、この詳細設計図を示しながら、最終的な説明と討議を行いました。

 その結果、Yさんの現場の意見を取り入れて、より改良した試験モデルも検討することになりました。

 こうして、9時半から15時までの協議があっという間に終わり、大分空港へ向かうYさんを見送ることができました。

 このようにして長い付き合いを通じて積み重ねられた信頼は貴重であり、ここから、それに「ふさわしいもの」を生み出していく必要があります。

 この信頼と生産によって、新たな技術が他国の地においても根ざしていくのでしょう。

 周知のように技術には国境はなく、良くも悪くも日々、それを超えて拡散しています。

 しかし、その拡散流動があったとしても、それが確かに根付くかどうかは別の次元の問題であり、こちらの方がはるかに重要なのです。

 「5年も経てば、新技術も消えて無くなる」時代です。

 そのような技術を日々眺め続けているうちに、このような慣用語が定着するようになりました。

 それらは根無し草のようなものであり、やがて枯れて朽ちてしまいます。

 しかし、地域根ざすことを実現させることは、その技術を持ち込む方の信頼に支えられた熱意と行動力によってもたらされます。 

 技術開発において、最も重要なことは、それを多くの人々のなかに根ざしていくことです。

 その国の産業や生活のなかに分け入り、しっかり根を生やして新たな成長を遂げていくことが重要です。

 これは真に難しいことですが、そこに「本懐」があるのではないかと思われます。

 この本懐が遂げられるかどうか。

 それは、間もなくでき上る試験装置や研究プラントによって鋭く試されることになるでしょう(つづく)。

kosumosu コスモス