先日、地元の銀行の支店長さんほかの訪問がありました。

 かれは、私どもの光マイクロバブルの開発研究に興味がおありのようでしたので、こちらもおもしろい話を紹介するという好循環が形成され始めています。

 中央のあちこちでは、「銀行がなくなる」という話がまことしやかに出てきている世相ですから、なにか新たな突破口はないかと、地方の銀行員の方々も必死に探索されているのでしょうか。

 一通りの話が済んで、最後に日経新聞の広告記事を見せていただきました。

 これには、なにかと話題になっている会社の大きな広告が掲載されていました。

 この広告を見せながら、その支店長さんは、次のように仰られました。

 「このような広告が出されると、お宅の会社が困るのではないかと、心配になって、この広告を持ってきました」

 このように心配してくださったことはありがたいことでしたが、それはまったくの杞憂であり、私も、私の相棒も、次のように回答しました。

 「困ることや心配することは何もありませんよ。かえって好都合だと思っています」 

 こういうと、その支店長さんは怪訝な顔つきをなさっておられました。

 おそらく、私どもが予想外に、そのように肯定的な回答をしたので、その意味をよく理解できなかったのでしょう。

 「じつは、好都合といったのは、かれらの主張がこのように広く公になったことです。これによって、社会的に批評がしやすくなったという意味で好都合なのです」

 この支店長さんは、ますます、私どもの見解を理解できなくなっておられたようでした。

 「この件については、各方面の方々から意見をいただいていました。

 なかには、この関係の本を持参し、意見を聞かせてくださいという方もおられました。

 また、ネット上で流されている洗浄実験に関して『あれは本当ですか?信用できますか?』と尋ねてくる方もいました」

 このような事態になりますと、これらの問い合わせや疑問に答えないわけにはいかなくなりますので、それをどのように明らかにしていくのかについて考えていたところに、この記事を見せていただいたというわけでした。

 「ですから、好都合だといったのですよ」

 これらの事情を丁寧に説明して、ようやく、その支店長さんは納得されたようでした。

 じつは、このような事例は、私にとっては初めてのことではないのです。

 これまでに、同質の話はいくつもあって、これらに適切な対応を余儀なくされてきました。

 この世の中においては、何か素晴らしい発見や発明があると、しばらくして、その物まねやより悪質な似非科学を根拠にした「まがい物」がたくさん出てきます。

 そのまがい物は、常に価格を極端に下げて登場してくるのですが、時としてより悪質化してべらぼうな価格で販売しようとする動きになることもあります。

 その手口の特徴は、何かよく理解できないもの(この場合は、マイクロバブル、ファインバブル、ナノバブルという概念的装飾を行うことが多い)を魔法のように見せかけて騙すか、そうでない場合には巧妙なトリックを仕掛けてくることにあります。

 前者の場合は、その騙しの仕掛けは単純ですので、すぐに、それがばれてしまって、ますます窮地に陥ってしまうことが多いようです。

 また、後者の場合は、その巧妙なトリックの正体を暴かないかぎり、それがいつまでも蔓延ることになります。

 これらは、結果的に、ある種の社会的混乱現象ともいえますので、それが小さくない混乱をもたらす前に適切な対応を行っておく必要があります。

 前置きは、このくらいにして、その本題、すなわち「マイクロバブル洗浄における誤謬とトリック問題」に分け入ることにしましょう。

 ある時期(前職場のT高専時代)、私は光マイクロバブル水の洗浄力に関する研究を行ったことがありました。

 次回においては、そのプロローグとして、私の光マイクロバブル水洗浄に関する、ある体験結果を紹介することにしましょう(つづく)。

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                   柳の小路