先月の26日、第50回のマイクロバブル研究会が開催されました。

 今回は第50回ということもあり、特別ゲストとして大分大学経済学部社会イノベーション学科の渡邊博子教授を迎え、楽しい研究会となりました。

 いつものように研究会員による報告から始まりました。

 その最初は私から、先日の佐賀訪問の結果を報告しました。

 今回の佐賀訪問の目的は、有田焼の窯元、そして佐賀大学名誉教授のM先生と面会することにありました。

 以前に伊万里焼の窯元を訪問したことはありましたが、有田焼窯元は初めてのことであり、有田の芸術に直に接することをとても心待ちにしていました。

 最初にアリタセラという有田焼卸売団地を訪問しました。ここには宿泊するホテルもありましたので、昼食を挟んで少し時間がありましたので、この有田焼の卸売り店を見学、その素晴らしい作品に接し、心豊かになりました。

 有田焼は、その周辺にある伊万里焼や鍋島焼とともに世界的に有名な場所であり、とくに酒井田柿右衛門という著名な人間国宝を輩出したところであり、その作品も陳列されていて、「これが、かの有名な柿右衛門の赤か」と感心いたしました。

 しばらく目の保養をしてから目当てのK窯へ、ここでは製造工場を見学し、有田焼ができるまでの技術と技能の粋を教えていただきました。

 研究会のみなさんには、ここで製造された作品のうち、その看板になっている醤油差しとコーヒーカップを紹介しました。

 前者は、カワセミをモチーフにした作品で顔の表情が素晴らしかったこと、後者は、有田独特の紺生地に金色を主体にした絵模様が厚みをもって描かれていて、それらのみごとな芸術性を、みなさん深く堪能されていました。

 この後、トレジャーハンティングという「お宝さがし」で古い在庫作品を一掃された話を紹介しました。

 しかし、その有田焼も、最近の生産額は、かつての最高時の1/10にまで減少しており、この伝統産業をどう存続させていくかが重要な課題になっていることも取り上げ、その回復方法についてもみなさんで議論しました。

 続いて大成由音会員から、先日の沖縄訪問の報告がありました。

 ここでは、第1に、恩納村における植物工場についての状況が紹介されました。

 ハウス内の温度が40~50℃という高温にもかかわらず、そのなかで高級レタスが立派に育っていることが示され、その生産期間を、さらにどう短縮させるかに関して現地植物工場主といろいろな協議を行ってきたことが報告されました。

 また第2に、沖縄の飲料に関する試験を行ってきたことも紹介されました。

 この結果は、非常におもしろいものでしたので、さらにどう工夫をしていくかが重要な課題になりました。

 ここで前半が終わり、S会員から提供された農作物の試食会が開催されました。

 なにせ、今年の初物ですから、みなさん相当に食欲をそそられたようでした。

 最初は、それをタクアンと一緒に賞味していただき、「旨い」、「甘い」を連発されていました。

 また、次に鍋に入れた野菜も試食していただいたことも加わって、この試食会は相当ににぎやかになり、ゲストの渡邊先生も喜ばれていました。

 さて、この2つの農作物は、かなり高い評価でした。

 これで研究会の雰囲気が一挙に和やかになり、特別ゲストの渡邊先生に、「地域におけるベンチャーイノベーション」について講演をしていただきました。

 まずは自己紹介がなされ、先生は、大分大学経済学部を卒業された後に大学院は中央大学に進学されました。

 その後、民間会社の研究所に勤められ、首都圏の大学教員となられ、3年前に大分大学に社会イノベーション学科が創設されましたので、その教授として迎えられました。 

 先生のご専門は「産業経済論」、今風にいえば、産業を興して経済をどう発展させていくかをめぐる経済学をどう打ち立てていくかの学問であり、これが、国内外で焦眉の課題になっています。

 冒頭で、技術革新、経済イノベーション、社会イノベーションという3つの概念を示され、それらが歴史的にも発展し、より重要で広いものになってきたが示されました。

 また、これらの概念を基本としながら、実際に学生をどう育てていくかに関して、さまざまに工夫を凝らした教育実践の事例紹介がありました。

 企業のみなさんが入れ替わりで講義を行い、ベンチャー事業の生の在り様を学んでいること、より具体的に自分で開発したアイデアを実践的に生かし、発展させて、よりベンチャー事業に結び付けていく過程が詳しく説明されました。

 その際、学生のみなさんが、その気になってベンチャービジネス魂を鍛えて、どう成長していくのか、この実情も紹介されました。

 ベンチャービジネス創業のために、必要な知識と実践の機会を与え、そこで修業をしながら自己啓発と自己評価をしながら成長させていくことは、非常に魅力的で重要な教育実践といえます。

 ご講演では、先生自らが、その教育渦中に身を置かれ、学生のみなさんと格闘されている姿が示され、心温まるものを感じました。

 同時に、私も、高専時代に抱いた問題意識を思い出しながら、現代のイノベーションの方法について考えさせられることがいくつもあり、よい勉強になりました。

 その指向は、光マイクロバブル技術を用いて新技術革新を成し遂げること、それを起爆剤にして経済イノベーションに転化させ、最後にはそれらを社会イノベーションにまで拡大発展させていくには、どうすればよいのかにあり、この壮大な命題を先生に教えていただきました。

 先生を交えての議論は、どんどん盛り上がり、本研究会は、予定の20時をはるかに超過し、その終わりは22時近くになっていました。

 渡邊先生のおかげで、楽しく有意義な研究会となりました
(つづく)。

kosumosu
夕刻のコスモス